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妹「お、おに……おにい……うぅぅ……クソ兄貴!!!」

1: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/08(木) 23:12:25.77 ID:r40W0FSx0

「ただいま、妹ちゃん。事情があってね、今日からこの子がお兄ちゃんになるからな。仲良くしてやってくれ」

兄「こ、こんにちは……あの……兄って言います……よ、よろしくね」

私が幼稚園生の時、突然に増えた家族。血の繋がりのない兄。
まだまだ幼かった私にはただただ嬉しかっただけなのかも知れない。
2歳年上の彼もまだ幼く、新しい環境になれることに必死だった。

その日から私と両親の3人の食卓にもう1セットの食器が増えた。
友達と遊んだ後にも、退屈でない日々が始まった
──
──
兄「おい妹ー、とっとと起きないと遅刻するぞー」

ノックの音と、兄の私を起こす声が重なる

妹「もう起きてるよ……着替えてるんだから入って来ないで」

兄「分かったよ……朝飯できてるから早く着替えてこいよ?」

ドア越しの兄の声がそう言い残して足音と共に遠ざかる

こんな朝の日常風景、幼稚園からの変わらぬ朝



引用元
妹「お、おに……おにい……うぅぅ……クソ兄貴!!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315491145/
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:15:29.30 ID:r40W0FSxo

兄「おはよう、妹」

父・母「妹ちゃん、おはよう」

妹「父さん母さんおはよう、おに……兄貴もおはよ」

兄「ああ、とっとと飯食って学校行くぞ」

県内でも割と良い方の学校へ行くとなったら自動的に兄と同じ高校になってしまった
中学の時の兄の成績は学年でもトップクラスだったが、私の成績はそこそこだった
兄と一緒の学校に行くため、一緒に登校するために私でも驚くほど勉強した

妹「分かってるって、うるさいなあ……」

兄「もう夏休み終わったんだからそんなにダラダラできないぞ」

兄が私のことを思ってくているのは分かる、でも兄と顔を向け合わせるとなると恥ずかしい
自分でもわかっているけれど、口が悪くなってしまう

妹「そういうのがうるさいって言ってんの」

兄「そうか、ゴメンな」

ゴメンな、という兄の声が胸に突き刺さる
悪いのは私だ、いつもいつも謝らないといけないのは私だ
それでも兄は謝る。私に悪いことはないのだよ、と



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:16:25.95 ID:r40W0FSxo

妹「ごちそうさま」

兄「食べ終わったか?じゃあちょっと休んでから行くか」

妹「分かった、持ってくものの確認する」

兄「ああ、あまり遅くなるなよ」

兄の声は優しい、私の声には刺がある
分かっている、分かっているけれど。兄に対する気恥ずかしさからどうしても直せない
お兄ちゃん、と意識せずに呼べていた頃に戻りたい
一緒に手をつないで家に帰る坂を登っていたあの日に

妹「行こ、準備できた」

兄「分かった、じゃあ行こっか。父さん、母さん行ってきます」

妹「行ってきます」

今は手こそ握れないが二人で登校するようになった
しかし兄からは学校が一緒だから仕方なく二人で、と思われているのだろう

兄と二人で登校したい

だから同じ高校に行く、とは言えるわけがなかった

兄「……」

妹「……」



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:30:42.52 ID:r40W0FSxo

新学期になっても相変わらず二人とも無言の登校
時々兄が声を掛けてくれても私の返事は内容の無いものになってしまい
再び沈黙の時間が訪れるだけ

妹友「お、妹ちゃーん!おっはよー!!」

妹「あ、妹友ちゃん。おはよ」

妹友「お兄さんも一緒ですか?おはようございます!」

兄「ああ、妹友さんおはよう。」

兄の頬が緩む、私と話しているときには見せない顔だ
中学に入るまではあんなに見せてくれていたのに

兄「妹、じゃあここでな。」

妹「わかった」

今日は一緒に帰りたい、と
言いたい
だけどこんなに無愛想な人と帰りたくもないだろう
寸前まで出かかったが何とか押さえ込む



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:31:50.65 ID:r40W0FSxo

妹友「お兄さん今日もかっこいいよねー、惚れちゃうよ」

妹「惚れちゃうって表現古臭い」

妹友「そーお?別にいいじゃん!」

兄と私の姓が違うことは妹友も知っていることだが
なんの偏見も持たずに兄のことを兄と言ってくれる
そんな妹友が私は好きだ。もちろん、兄のことも大好きだが

妹「それより、今日提出の生物の宿題ちゃんとやってきた?」

妹友「へっへー、いつも通りですよっ!」

妹「ちゃんとやってこないと点数ヤバイんじゃないの?」

妹友「うぅ~……妹友ちゃんもそんなこと言うか~……私泣くぞ~?」

妹「はぁ、まあ自分が良いんだったら良いんじゃないの?」

妹友「分かるね~妹ちゃんは、そういうとこが好きなんですよっ!」

何故か抱きつかれる私、頬ずりをしている妹友
学校では百合夫婦として評判になっているが嬉しくない
何処かであの二人可愛いよねという声がする
嬉しいのか嬉しくないのか



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:35:01.14 ID:r40W0FSxo

妹友「お兄さん今日もかっこいいよねー、惚れちゃうよ」

妹「惚れちゃうって表現古臭い」

妹友「そーお?別にいいじゃん!」

兄と私の姓が違うことは妹友も知っていることだが
なんの偏見も持たずに兄のことを兄と言ってくれる
そんな妹友が私は好きだ。もちろん、兄のことも大好きだが

妹「それより、今日提出の生物の宿題ちゃんとやってきた?」

妹友「へっへー、いつも通りですよっ!」

妹「ちゃんとやってこないと点数ヤバイんじゃないの?」

妹友「うぅ~……妹ちゃんもそんなこと言うか~……私泣くぞ~?」

妹「はぁ、まあ自分が良いんだったら良いんじゃないの?」

妹友「分かるね~妹ちゃんは、そういうとこが好きなんですよっ!」

何故か抱きつかれる私、頬ずりをしている妹友
学校では百合夫婦として評判になっているが嬉しくない
何処かであの二人可愛いよねという声がする
嬉しいのか嬉しくないのか

>>7修正



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:32:23.97 ID:r40W0FSxo

妹友「今日も学校面倒くさいね~」

妹「そうだね。でも腕を抱え込むのはやめてくれない?恥ずかしいんだけど」

妹友「妹ちゃんのお兄さんを見れるから学校に来てるようなもんだしな~」

妹「人の話聞いてますか?」

毎朝教室まで腕を抱え込まれながら向かうのも慣れた
それを止めろと言うのを無視されるのも慣れた
兄を見れると言われるのは正直慣れてない
私も兄が好きだから、誰のものにもしたくなかった

妹友「1時間目数学だよ~……憂鬱だあ……」

妹「ん?でも妹友ちゃんって数学得意じゃなかったっけ?」

妹友「好きと得意は別物なんだよ~……」

妹「先生も可哀想にね、成績優秀の生徒に寝られたら」

教室では後ろから抱かれる形で話す
頬ずりされたり髪に顔を押し付けられたりするのも年中行事だ、むしろ日中なのかも知れない



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:36:24.28 ID:r40W0FSxo

妹「今日は用事あるの?無かったら今日からまた一緒に下校だね」

妹友「んー……別に無いかな?じゃあ今日も一緒に帰りますかー」

妹「じゃあ今日も掃除が終わったら正門近くに集合ね」

妹友「あいあいさー!……ねぇねぇ、今日はお兄さんも待たない?」

そんなことを言うか、私はそれを言う勇気も無いのに
妹友は私の兄が好きなのか?好きなのだろう
そうも思ってない異性のことを待ったりするのはほとんど無いだろうし

妹「別に良いけど」

妹友「おっけー?!じゃあ今日は3人だね!」

予鈴が鳴り、妹友は喜んで自分の席に戻って行った
中学、高校と今まで兄と一緒に下校したことなんてなかった
今日は、妹友が居る3人だけど。

午前の授業が終わり昼休憩になると妹友が私の席に来る
入学当初は出席番号の関係もあり席が近くだったが
席替えの所為でかなり遠くになってしまった

妹友「まさか今回の席替えで右前と左後になるとはねー、絶対仕組んでるでしょ」

妹「ただ単にくじ運無かっただけじゃないの?」

どんなに離れていても来ることもあり
私と妹友にはその他のクラスメイトがとっつきにくい仲になっていた



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:36:54.73 ID:r40W0FSxo

なのでクラスではかなり浮いていると思う
妹友は提出物を出さない常習犯だったので尚更

妹友「ねぇねぇ、お兄さんってさ、彼女とか居るのかなぁ?」

妹「……多分居ないと思う、いつも帰るの早いし」

妹友「そうなの?良かった~!私にもチャンスは有るぞ~!!」

妹「言っちゃなんだけど、私にもあるからね?チャンスは」

妹友「!?……でも妹ちゃんとお兄さんって朝あんまり話してないでしょ?話しているところ見たこと無いよ~?」

妹「……うん、そうだね。まあただのブラフ」

ブラフではない、私も兄が好きだから
妹友には渡したくはない
でも、兄がそれを願うなら、妹友になら、渡せる

妹友「びっくりさせないでよ~、妹ちゃん一緒に住んでるんだからいつでも仕掛けられるじゃんか
    しかも妹ちゃん可愛いんだから勝ち目無いよ!」

妹「妹友もそれなりに可愛いでしょ、そんなに積極的じゃないから、私」

妹友「私はそれなりって言葉が突っかかるんですが」

妹「ごめん、妹友はすごい可愛いです、大好きです」

妹友「いいんだよマイハニー、大好きという言葉が聞ければそれでいいんだよ」



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:38:07.79 ID:r40W0FSxo

急に妹友の顔が近づいて来たかと思ったら
唇に妙な体温が残った
キス、された

妹「初めてだったんだけど」

妹友「私もなんだけど、なんでしたんだろ?」

妹「もういいよ、妹友が初めてなら」

妹友「うっわ~、妹ちゃんエロエロだねっ!」

妹「なんで私言ったんだろ」

正直本心でもあったのかも知れないけど、やっぱり初めては兄が良い
上も、下も

午後の授業開始の予鈴が鳴り妹友は手を振り自分の席へ帰っていった
もうそろそろで兄と帰る時間になると思うと嬉しい
午後の授業は頭に入るのだろうか



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:38:46.88 ID:r40W0FSxo

結局心が浮ついてまともに授業が受けれなかった
妹友と違い頭が良いわけでもない、勉強しなければすぐ落ちてしまう一般人なのに
兄と帰宅することを思うと勉強なんてどうでもいいような気がする

妹「ノートだけでも取れたから、家に帰っていつもより多く復習かな」

妹友「復習なんて妹ちゃんは偉いねえ……私にゃ真似できない所業やで」

妹「ここに受かったのもギリギリだからね、少しずつ勉強してかないと置いてかれる」

妹友「真面目に育ってくれてあなたの妻として鼻が高いわ」

妹友は勉強して無いのに学年ではトップクラスらしいから凄い
天才はおかしい人が多いらしいけどこの人を見たらそれが本当ってことも分かる気がする
いきなりマイハニーと呼んだりする人がおかしく無い訳が無い

妹「掃除行こっか」

妹友「おけー、んじゃ行こうか」



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:39:15.84 ID:r40W0FSxo

掃除は早めに終わってしまったので、長いこと兄を待つことになるだろう
いつも百合夫婦としてキャーキャー言われてるが今日は何か違う気がする
キスコールの嵐を浴びせられた

妹「妹友、殴られるか蹴られるか土下座するかどれがいい?」

妹友「ゴメンよー、妹ちゃーん!私もそんなに広まるとは思わなかったんだよ~っ!」

妹「どうでもいいから選んで」

妹友「じゃあ踏んでください。あ、家に帰ってから優しく……ね?」

歓声があがる
妹友も含めてこの人達は頭おかしいのか?
女同士のイチャつきなんかそこらでもあるだろう
まあ、躊躇いなくこんなことを言ってしまうんだから目立つのかも知れない

妹「とりあえず、私の通学路にいれば兄は来るから逃げよう」

妹友「らじゃー!私の黄金の右腕が唸るっ!!!」

走るのだが

妹友「うおおおおおおおっ!!!」

唸っているらしいから良いのだろうか
取り巻きは集まる割には追ってこないから助かる
分かっている人達だからこんなに盛り上がるのかも知れない



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:40:12.11 ID:r40W0FSxo

通学路で待っていると兄が来た
誰かと帰ってるわけでもない。この時間は部活の人達のほうが多いから

兄「ん?あ、妹か?」

妹「うん」

妹友「私も居ますよ~っ!」

兄「妹友ちゃんも一緒か、こんにちは」

妹友「こんにちはっ!」

兄「こんなとこでどうしたの?二人共」

妹「妹友に、聞いて」

妹友「一緒に帰ろうってことですよー」

妹友はそんな言葉がスラスラ出てくる恥ずかしいとは思わないのだろうか?
好きな人に対してそんなこと恥ずかしくて言えないと思ってる私がおかしいのだろうか

兄「そう?ありがと、妹友さん」

妹友「いやいや~、それより妹友さんって堅苦しいのはやめましょうよっ」

兄「そう?分かった、妹友ちゃん……でいいかな?」

妹友「全然おっけーですよ!むしろそっちのほうがいいです!」



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:42:09.73 ID:r40W0FSxo

兄「そう?……妹も、待っててくれてありがとうな」

妹「妹友が待つって言ったから待っただけ」

兄「でも、待っててくれたんでしょ?だからありがとう」

妹友「妹ちゃんなんか大人しくなってない?」

それは言ったらダメだ

兄「そう?家ではいつもこうだよ?」

妹友「そうなんですか?……へっへっへ」

妹「なに、ニヤニヤしながらこっち見て」

妹友「負けたよ、お前の勝ちだ。私は手を引く、これで取引をしよう」

この人の考えていることは分からない
なんの勝負に負けたのだろうか、私はなぜ勝ったのだろうか

兄「なんかおめでと、勝ったらしいよ」

妹「うん、嬉しくない」

妹友「ちょっとお兄さん、耳貸してください」



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:43:25.26 ID:r40W0FSxo

兄「うん、なにかな?」

妹友「妹ちゃん、恥ずかしいだけですよ」

何を言ってるのだろうか、聞こえないように小声で話している
妹友のことだから変なことは言ってないと思うが気になる

兄「恥ずかしい?」

妹友「今度ちゃんと言っておきますので!」

話が終わったらしい、妹友と兄がこちらに向き直った
兄は頭に疑問符を並べて、妹友は満足気な顔をしている

妹友「それじゃーねー!私はこっから一人で帰るから後は二人で~」

と言い残し妹友はそそくさと帰っていった
兄と二人きりになると気まずい空気になった

兄「あの、さ、帰ろうか」

妹「分かった」

話をつなげることが出来ずにまた沈黙の時間が来る



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:44:07.98 ID:r40W0FSxo

兄「ねえ、妹」

妹「なに?」

兄「何回も言うようだけど、待っててくれてありがとな」

妹「うん」

恥ずかしいが、妹友が居ないから否定はしたくない。本当のことだから

兄「明日からも、一緒に帰るか?」

妹「え?い、いいの?」

私から言わなくても兄のほうから言ってくれた
兄は多分そんなことを言う人では無い
妹友は兄に何を吹き込んだのだろう

兄「別に妹と帰って悪いってことは無いでしょ?嫌なら、別に良いけど」

妹「う、ううん!一緒に、帰る……帰りたい」

兄「そうか、良かった」

妹友のおかげなのか、そうでないのかは曖昧だけど
少しだけ進展したのかな、と思う
嬉しいけど、まだその顔を兄に見せるのは恥ずかしい

兄(少し嬉しそうな気がする、けど。……気のせいかな?)



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:44:48.27 ID:r40W0FSxo

母が出迎えてくれる家に二人で帰る
いつもは一人ずつだけど今日は兄と一緒

兄「ただいま」

妹「ただいまー」

母「あら、二人ともお帰りなさい。今日は一緒なのねー」

妹「帰りに偶然会った」

兄「え?」

兄は少し戸惑った様子で私の方を見た
本当のことなんて母さんに言えるわけない、兄のことを待った、なんて

母「そうなんだ、二人で一緒に帰るのは久しぶりじゃない?」

妹「小学校以来」

母「そうね、それくらいかな?」

兄が中学に入って、それから一緒に帰れなくなってしまった
その時から、兄に対する思いが変わってきたのだと思う



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:45:14.42 ID:r40W0FSxo

兄「あ、晩飯作るの手伝うよ、母さん」

母「本当?帰ってきたばかりなのにゴメンね?」

兄「いいよ、気にしないで」

兄は時々夕飯を作るのを手伝う
もちろん私も手伝うのだが、兄が手伝う日は手伝わない

妹「部屋に行ってる、ご飯できたら教えて」

兄「分かった、じゃあまた晩飯できたら」

妹「うん」

部屋に行き、携帯を開く。
─本文
─ 何言ったの?
そう打ち込み、妹友に送る

しばらくして妹からの返信がきた
─本文
─ へっへっへ(`・ω・´)
妹友のことだから変なことは言ってないと思っていたが
返信を見て、これはダメな妹友だと思った



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:46:56.48 ID:r40W0FSxo

──
兄「あのさ、母さん」

晩飯の手伝いをしながら母さんに問う
妹のことについてだ

母「どうかした?なんか嫌なことでもあった?」

兄「嫌な事でも無いんだけど、妹のことについてちょっと」

母「妹ちゃんね、最近冷たいものねー、反抗期かしら?ふふっ」

兄「今日さ、一緒に帰ってきたじゃん」

妹が偶然会ったと言ったことだった
母に妹が友達と待っててくれたことを話す

母「そう、んー……恥ずかしいのかしらね」

兄「はあ、妹の友達にも言われたよ」

母「男の子には分からない乙女心なのよ」

らしい、そりゃ分からないのも無理はないか
何が恥ずかしいのか、何に対して恥ずかしいのかさっぱり分からない



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:47:27.19 ID:r40W0FSxo

晩飯の準備が終わり、妹を呼びにいく
部屋のドアをノックし、妹を呼ぶ

妹「分かった、すぐ行く」

そう言ったのを聞いて、俺はキッチンに戻る
──
兄「飯、できたぞ」

ノックの音と兄の声でご飯ができたことを告げられる
私は返事をして、立ち上がる
携帯を机の上に置き、リビングへと向かう

妹「ゴメン、来たよ」

兄「ううん、さあ食べよう」

母「そうね、食べましょう」

妹・兄・母「いただきます」

食べている間母さんが兄と私の顔を交互に見ている気がした



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:48:36.80 ID:r40W0FSxo

食事が終わり、後片付けを手伝う

母「妹ちゃん」

妹「なに?」

母「兄ちゃんのことどう思ってる?」

妹「え」

食器を落としそうになる
慌てて持ち直し、なんとかお皿を割らずに済んだ

母「やっぱりねぇ、兄ちゃんから話を聞いてからそうだとは思ってたのよ」

妹「な、何言ったの?兄は」

母「『妹ちゃんが待っててくれてた』って」

妹「アレは……妹友がっ」

母「あんなに無愛想にしてるのに兄を待つのは、ねえ?」

否定しようとしたけど、何処も否定できなかった
待ったのも事実だし、あの後からでも一人で帰ることはできた
明日から一緒に帰る約束もしてしまったのも事実だ



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:49:08.59 ID:r40W0FSxo

妹「明日から一緒に帰る約束もしたけどっ……でもっ」

母「あらそうなの?それは初めて聞いたわ?」

迂闊だった、もう話してるかと思って言ってしまった
母さんが嫌な笑みを更に深めた

妹「やっ、ちがっ……」

母「やっぱり好きなのねぇ……ねえ、いつから?」

妹「ばっ……兄が中学の……頃ぐらいだと思う」

もう何言っても無理だと理解し、白状した
母さんなら大丈夫、だと思ったこともあった

母「かなり前ねえ、まあ兄ちゃん年々かっこ良くなってるもんねえ」

妹「絶対、言ったらダメ」

母「分かってるわよ。でも、決していけないことでは無いわよ?」

母さんは優しい笑みで答えた
安心した、気がする



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:49:40.04 ID:r40W0FSxo

部屋に帰ると妹友からメールが着ていた
─本文
─ やー、乙女ですなー
─ まあ、学校での接し方は変わらないから安心したまえ!
─ 取られて恨むってこともないよ(・∀・)
妹友は諦めがいいのか、優しく接してくれる
接し方が変わらないというのは友達としてのか、いつもの百合の接し方なのかが論点だ

─本文
─ ゴメン、ありがと
それだけ書いて、返信した

明日からは、兄と帰れる。
話すことは無いだろうけど、それだけでも嬉しい
──



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/08(木) 23:50:26.37 ID:r40W0FSxo

兄「妹ー、起きろー」

妹「うん、分かった」

母に話したこと、妹友に励まされたこともあった
気分が落ち着いたのか、兄にも少しだけ優しく接することができた

兄「今日は金曜日か、今日頑張れば休みだ」

妹「うん……が、頑張ろう」

語尾が萎れていく
まだ少し恥ずかしいのかも知れない

兄「ん?最後なんか言ったか?」

妹「別に、なにもない」

兄「そうか、そろそろ学校行こうか」

いってきますと、玄関をでる
今日はいつもよりも気が楽に兄と登校できる
昨日までの言葉の刺は少しは無くなったと思う



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 00:08:19.05 ID:EV13TrWgo

学校近くになると妹友が待っているのが見えた
こっちの姿を認めると笑顔で頭上で手を振る

兄「あのさ、今日学校終わったら正門前で待っといて」

妹「分かった、じゃあ私がいなかったら待ってて」

兄「分かったよ、じゃあ妹友ちゃん待ってるみたいだし、放課後な」

妹「うん、じゃあ放課後」

そう言って兄と別れ、妹友のところへと行く
妹友の近くに行くと昨日の放課後と同じようにキスコールを浴びた
しかし参加してるのは昨日よりも少数になっている

妹「飽きないね」

妹友「まあいいんじゃないっすか?昨日の人数は怖かったけどね!」

そんな話をしながら教室へと向かう



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 00:08:50.79 ID:EV13TrWgo

妹「あ、妹友?」

妹友「なんですかいな?」

妹「今日からちょっと一緒に帰れないかも知れない」

兄と一緒に帰ることは伏せるけど、そう伝える
まあ、すぐにバレるだろうけど

妹友「ぬっふっふ、そう言うってことは予測してましたよっ!」

妹「ゴメンね、いつもいっしょに帰ってるのに」

妹友「んー、まあ学校とか休みとかで遊べるし、別に構わないよー」

妹「ありがと、妹友大好き」

妹友「そういうのはお兄さんに言ってあげればいいんじゃないかなっ!ナンセンスですよっ!」

優しいのか優しくないのか分からない
優しくないわけでも無いけど茶化してはいると思う

妹「授業始まるよ、席着こ」

妹友「そんな時間ですかっ!アブねーですねー」



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 00:10:36.23 ID:EV13TrWgo

妹「妹友、ご飯食べよ」

妹友「んー、ちょっと待ってー」

いつもは妹友の方から寄ってくるのに何か考え事をしているようだ
4時間目の現社の教科書を見ながら頭を抱えている

妹「どうした?体調悪いなら保健室ついていくよ」

妹友「我思う故に我あり……」

妹「は?」

妹友「いやー、なんかよく分からないけど心にぐっと来たんだよ」

心に来る類の言葉でも無いと思うが

妹友「私がいるから、私は考える。私が考えるから、私はいる。」

妹「そういう意味なの?」

妹友「いやー、字面から考えてみた」

倫理の授業はまだまだ先の話なので私には分からないが
多分そんなに浅い意味でも無いと思うけど



30: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:11:03.53 ID:EV13TrWgo

妹「哲学者なんかよく分からない人ばかりだからあんまり頭に残しておかないほうがいい」

妹友「永遠の謎だ……」

妹友の広げている教科書を覗いてみると
世界が全て嘘だとしても、それを疑っている意識があれば……らしい。
字面からしか考えてなかった

妹「ね、妹友は教科書の内容なんか全く見てないから」

妹友「ご飯を食べる私がいるから。私がいるからご飯は食べられる……」

妹「おい、戻って来い。そんなこと考え始めたらきりがないぞ」

妹友「そうだねー、じゃあいただきますー」

妹友はいつも弁当を自分で作っているらしい
私は遅くに起きているから誰が作っているか分からないけど
おそらく母さんだろう。今度手伝わないと、と思った

妹「よく毎朝こんなに作って来れるね」

妹友「まあね~、いつも作ってるから別に苦でもないですよっ!」

妹「私も一品、とかじゃなくてお弁当ぐらい作れるようにならないと」

妹友「お兄さんに作ってあげるんですかっ」

不意打ちが、来た
別にそういう意味で言ったわけでもないけど、引っかかるものがあったらしい



31: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:11:42.96 ID:EV13TrWgo

妹「ばっ!」

妹友「どうどう、落ち着きなさい妹ちゃん」

なだめられる、顔が火照っているのが分かる
妹友は何もなかったかのように再び弁当を食べ始める

妹「妹友、あとで覚えておきなさいよ」

妹友「妹ちゃんこわーい」

妹「食べてる時にそういうことを言うのは反則でしょ」

妹友「らじゃー」

適当に返されて、会話が終わった
私が兄のことを好きだと言うことを知られている今、変な発言はできなくなった

妹友「お兄さんって夜如何わしいことしてるのかな?」

妹「ぶっ」

向こうから言ってきた。油断してたら駄目らしい



32: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:12:38.61 ID:EV13TrWgo

妹友「へっへっへー、また顔赤くなってますでー」

妹「そろそろ本気で怒るよ」

妹友「お兄さんってさー」

妹「そんなに殴られたいドMなら言ってくれれば殴ってあげるのに」

妹友「殴るより踏むの方がいいかなっ!」

何言っても聞かない妹友は放っておいて再び弁当を食べ始める
ねーねー、と兄の話題を振ろうとする妹友を適当にあしらう
妹友が言ってたように、月曜日弁当作りを手伝おうかな、と思う
兄のためなのか、母のためなのかは別として

妹「ふぅ、ごちそうさま」

妹友「お兄さんの教室行こっ」

妹「しつこい」

と、妹友の脇腹をくすぐる
妹友の弱点の一つだ

妹友「うひゅうっ!?」

変な声を上げた妹友に教室中の視線が集まる
あはー、と愛想笑いをしながら返す妹友



33: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:13:56.59 ID:EV13TrWgo

妹友「妹ちゃん許しませんよっ!」

妹「さあ、なんの話だかさっぱり」

妹友「うぅ……前科があるからこれで五分五分だあ~……」

変な叫び声を聞かれたのは兄の話を何回もするのと同等らしい
こっちは何回赤面させられたか分からないのに、割りに合わない

妹「恨むのなら自分を恨んでね」

妹友「何も言い返せないよ~……」

というところで予鈴が鳴り、妹友は席に帰っていった
金曜日の午後の授業は割と楽な方だから嬉しい
5時間目は国語総合だった気がする



34: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:14:27.91 ID:EV13TrWgo

一週間最後の授業が終わり、掃除になる
今週の掃除場所は比較的早く終われるところなので、早めに終わらせて兄を待つ正門に向かう
妹友と一緒にいると賑わう正門前だけど、一人だと何も起こらない

妹「早く着すぎたかな、飲み物買ってこよ」

もう夏も終わる頃だというのに、収まらない暑さに耐えれず清涼飲料水を買いに行く
校内に自動販売機があるというのが中学と違うところで、嬉しいところだ

正門へ向かうと、兄が待っているのが見えた
飲み物を買いに行ってる間に掃除が終わってしまっていたらしい

妹「ゴメン、飲み物買いに行ってた」

兄「ん?ああ、別にいいよ。じゃあ、帰ろっか」

妹「うん」

短い返事しかできないが、少しは進展した気がする
一緒に帰る、というところまで

兄「今日は、さ。何かあった?」

妹「ううん、別に。いつも通り」

そんな他愛も無い会話をしながら帰路をゆく



35: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:15:16.06 ID:EV13TrWgo

兄「毎日アッツいなー、もうそろそろで秋だって言うのに」

妹「そう、だね」

兄「家との距離も長く感じるな」

妹「うん」

あまりにも暑いのでさっき買ったばかりの清涼飲料水を喉に通す
一本分で糖類が無駄に多い、と習ったことを思い出す
兄が暑そうに制服でバタバタと仰ぐのを見てそれを差し出す

妹「暑いなら、少し飲んでいい」

兄「え?あ、別にいいよ。大丈夫」

妹「汗いっぱいかいてるから、飲んで」

押し付けるように渡すとなんとか貰ってくれた
兄は、本当にいいのか?という顔で飲む

妹「あ」

兄「ん?ありがと、美味しかった」

と、返されたところで気がついた
兄が恥ずかしそうに口を抑えてるのを見てこちらも赤面した
間接キス、してしまった



36: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:16:45.67 ID:EV13TrWgo

兄「あの、ゴメンな?」

顔の赤い私を見て兄が謝った
別に兄は悪くないのに、いつも兄が謝る

妹「べ、別にどうも思ってない」

兄「なら、良いけど……」

どうも思ってなく無いけれど、そう言うしか無い
顔が赤いのは説明できないけど、何も言えない

兄「あのさ」

妹「うん」

兄「それ、温くなるぞ」

と、しばらくしてから兄が言った
間接キスをしろ、と言ってるのか?

妹「……うん」

キャップを開けたところで躊躇ってしまう
小さい頃はこんな事当たり前だったのに
この歳になると無駄に意識してしまう



37: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:17:32.90 ID:EV13TrWgo

兄「ごめん、飲めないよな」

妹「ううん」

と言い、半分ぐらい残っていたのを一気に飲み干した
蓋を閉め、カラをバッグの中にしまう

兄「ゴメンな、無理やり飲ませたみたいで」

妹「渡したのは、私。だから、悪いのも、私。」

兄「俺も断ればよかったんだよ」

兄は謝ることしかしてない、小さい頃とは違う
私は、謝ることもできない。

妹「兄貴は、悪くない」

久しぶりに、兄のことを呼んだ気がする
小さい頃とは違って、お兄ちゃんとは呼べないけど、兄貴っていうのはどうなのか
──



38: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:18:04.13 ID:EV13TrWgo

妹「兄貴は、悪くない」

久しぶりに俺のことを呼んでくれた気がする
俺が中学に入った頃ぐらいから、初めて兄として呼んでくれた
兄貴、と呼ばれただけでも嬉しい

兄「そうか、分かった」

妹「うん」

中学の頃は、部活に入ったこともあって、妹とあまり遊べなくなった
周りの奴らからはこの歳で妹と遊ぶ人は今時珍しいと言われたけど

妹「兄貴、明日は休みだ」

兄「そうだな、ゆっくりできる」

せっかく兄貴と呼んでくれたが、何も話すことがない

妹「だから、久しぶりにゲームしよう」

兄「……そう、だな。妹も入学してからだいぶ経ったし、落ち着いてきたもんな」

妹「うん、兄とゲームするの久しぶり」



39: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:18:55.04 ID:EV13TrWgo

──
勢いで言ってしまった
ゲームなんて、勉強するのに必死だった私には縁の無いものになっていた
兄と一緒の高校に行くための勉強に

兄「ゲームかー、最近めっきりしてないな」

妹「私も、勉強が忙しかった」

兄「妹は勉強熱心だったもんな」

妹「少しだけ勉強しただけだったら、あまり良くならないから」

兄「そういう人は、絶対報われる。努力をすれば」

努力をしなくても報われる人、努力をしても報われない人はきっといるはず
兄は前者だが、私は後者だろう。

妹「うん、頑張る」

兄「まあ、息抜きは大切だけどな。そのための明日だ。」

妹「うん、いっぱいゲームしよう」

家が見えてきたところで、話が終わった
家に帰ると母が出迎えてくれる。いつもとは違って、少しにやけていると思うけど

妹・兄「ただいま、母さん」



40: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:19:25.99 ID:EV13TrWgo

母「あら~、今日も二人なのねぇ」

知ってるくせに

兄「ああ、偶然、な?」

妹「ううん、兄が待っててくれた」

兄「え」

昨日の流れだと、また私が偶然、というのを思ってか兄が言ってくれた
でも、母にはもうバレているから関係ない

母「そうなの?兄ちゃん優しいわねぇ」

妹「うん、優しい」

兄「え?え?」

昨日との態度の違いに兄はまだ戸惑っている
母はそんな兄を見て微笑んでいる

妹「ん、今日は汗かいたからシャワー浴びてくる」

と、言って風呂場に向かった



41: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:21:17.38 ID:EV13TrWgo

シャワーを浴びて、髪を乾かしてから母のところへ向かう

妹「今日は?何作るの」

母「んー、まだ決めて無いのよねえ」

妹「じゃあ久しぶりにカレーにしよ」

母「そうね~、今日はカレー作りましょうか」

今夜の夕飯はカレーになった
弁当の料理の練習にはちょっとならないかな



42: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:21:48.69 ID:EV13TrWgo

母「そろそろできるわねぇ、じゃあ兄ちゃん呼んできてくれる?ふふっ」

妹「いつもは母さんが呼んでるじゃん」

母「目が離せないの~、ゴメンね~」

悪意のある笑みだった、今なら別に構わないけど
明らかに変なことを考えて私を遣わせてると思う

妹「わかった、呼んでくる」

兄の部屋へ向かい、ドアをノックする

兄「あ、母さん?飯できた?」

妹「……兄貴、ご飯できたよ」

兄「妹か?いつも母さんが呼ぶから母さんかと思った。」

妹「今日は、私」

兄が部屋から顔を出した、申し訳なさそうな顔だった
早く行こ、と声をかけ、兄とリビングへ向かった



43: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:22:58.04 ID:EV13TrWgo

夕飯を食べ終わり、部屋に戻る
いつもの様に妹友からメールが来ていた
─本文
─ 間接キスおめっとー!!(*´∀`*)

─本文
─ 着信拒否にするよ
と、返した

妹友に見られてたらしい、まあ帰り道が同じだから仕方ないのかとは思う
報告をするのはどうかと思う

そんなことより、明日は兄と久々に遊べる。
そんなことを思うだけで今日は寝られなさそうだ
昔からの仲に戻った、それだけで嬉しい
お兄ちゃん、とは呼べないだろうけど

─本文
─ 別にいいじゃーん!まだ口と口じゃないんだしっ!
─ 顔真っ赤の妹ちゃん可愛かったよー( ^ω^)

明日が学校じゃないのが惜しい



44: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:24:07.15 ID:EV13TrWgo

朝、珍しく1番に起きた
いつもだったら母か兄が起きているはずだが
少し早くに起きすぎたかな
テレビを点けるが、この時間は子供向けのアニメがほとんどだ

妹「懐かしいな、昔はこういうの兄貴と一緒に見てたな」

色とりどりの生物が画面上で蠢いている
そんなのを見ていたら兄が起きてきた

兄「妹おはよう、懐かしいもの見てるな」

妹「早くに起きすぎた」

兄「妹がこんな時間に起きるのは珍しいからな」

妹「うん」

兄はいつもこの時間に起きているのだろうか、なんというか真面目だ
こんな時間に起きても面白い事など無いのに



45: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:24:54.68 ID:EV13TrWgo

兄「今日父さんと母さん用事があるらしいから二人で留守番だとさ」

妹「そ、そうなんだ」

いつもなら、二人きりの時はどちらかが部屋にいて、という感じだったけど
今日は二人でゲームをする……二人きりで
大丈夫、だろうか

兄「二人ともいないから今日は伸び伸びゲームできるなー」

妹「そう、だね」

しばらくして母と父が起きだしてきて、準備もすぐに家を後にした
二人きりに、なった

兄「んー、どこに閉まったかなー?」

妹「そんなに奥でも無いと、思う」

兄「そうか?お、あったあった」

と、兄が押入れの奥から懐かしいゲーム機を取り出した
一時期流行った古臭いゲームだ

兄「うおっ、全く反応ないぞ」

妹「もうずいぶん前のゲームだからね、湿気とかでやられちゃったんじゃない?」

兄「んー、じゃあ新しい奴買いに行くか。この前バイト代入ったし」



46: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:25:50.63 ID:EV13TrWgo

バイト、やっていたのか
部活をやらずに早く帰宅していた意味がようやく分かった

兄「じゃあ買いに行こうか」

妹「う、うん」

言われるがままに付いて行ったのはいいけれども
これって俗にいうデートなんじゃないのか?
兄が気にしてないようだからいいのだが

兄「うっわー……いろいろありすぎて分かんない……」

妹「こんなにゲームって進化してるんだねぇ……」

兄「よく分からないからとりあえず最新機種の売れてるゲーム買っとけばいいのか?」

妹「お金、大丈夫なの?」

兄「普通に店に売ってるものだったら余裕で買えるよ」

いつの間にそんなに貯めてたのか
そんなに頑張って貯めたのに、私とゲームをするだけのために使わせちゃって良いのだろうか

兄「んー、まあこれでいいかな。ちょっと買ってくるわ」

妹「本当に良いの?なんか欲しい物あったんじゃないの?」

兄「これと言って無いからいいの、使う機会があって良かったよ」



47: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:26:21.61 ID:EV13TrWgo

本人が良いって言ってるんだから良いのだろうが

兄「妹ー、買ってきたよ」

妹「少し持つ、重そう」

兄「そうか?ありがとう、助かるよ」

家から店までは学校より遠くない
すぐ家に着いた

兄「さてと、ちゃっちゃと起動しますか」

妹「説明書とかは読まないの?」

兄「やってるうちに慣れると思うよ」

と、言われたがとりあえず読んでおく
昔のゲームとは違ってややこしい操作が多い気がする



48: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:27:05.76 ID:EV13TrWgo

兄「うおおっ!何だこれ分かんねえええ!!」

妹「兄貴っ!死んじゃうよっ!」

兄「分かってるっ!分かってるけどっ!!」

妹「回復しないのっ!?」

兄「アイテムの使い方……わかんねぇ……」

やられた
慣れるよと言った兄の背中がとても小さく見えた

妹「だから説明書読んどこうって言ったのに」

兄「操作がややこしいんだよ!チクショーリベンジだ」

子供の頃のように、無邪気に笑う兄につられて、自然と私も笑みが溢れる

妹「あの、さ」

兄「ん?なんだ?」

ゲームをする手を止めて私の方を見る
今まで言えなかったけど今なら言える気がする

妹「私、さ。兄貴のこと嫌いじゃないから」

兄「そうか、俺は妹のこと好きだぞ!」



49: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:30:16.61 ID:EV13TrWgo

ゲームをしているからあんまり気にしてないのだろうけど
好き、という言葉がとても嬉しかった
それが一人の女の子として、じゃなく兄妹として、でも

兄「うおっ!この中ボスつええっ!」

妹「がんばってっ!」

昔のように、仲良くできているという事実がある
二人の兄妹として、少し前とは違う仲

兄「ふー、やっと倒したか……」

妹「おめでと、お疲れ様」

兄「懐かしいなー、二人でこんなにはしゃぐのなんか」

妹「そう、だね」

兄貴が前まで見せていたものとは違う表情を見せた
作り物の笑顔ではなく、心からの笑顔に見えた
私も、心からの笑顔で返す



50: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:30:45.15 ID:EV13TrWgo

兄「どうせならさ、前みたいにお兄ちゃん、って呼んでほしいなー?」

何を言っているんだこの人は

兄「ねえねえー、妹ちゃーん」

変なテンションだ、この人。妹友に通ずるものがある
私がちょっと気を許すとこんな感じになるところも似ている

兄「どうよ?俺の提案!」

妹「お、おに……」

兄「おに?」

言ってあげたいとは思っているけれど
強要されるのはどうかと
でも、このチャンスを逃したら今後言うことは無いかも知れない

妹「お、おに……おにい……うぅぅ……クソ兄貴!!!」

蹴ってやった

兄「痛いッ!やめてっ!」

妹「少し気を許したからって調子に乗り過ぎたら痛い目見るからね!」

と言って、そっぽを向く
ゴメン、ゴメンと兄は言っているが今回悪いのは兄の方だ。
顔が真っ赤なのを隠すために、しばらくは無視をしていよう



51: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:31:18.72 ID:EV13TrWgo

兄「あの妹さん死にそうなんですが」

妹「……」

兄「回復してくれないんですか」

妹「……」

また、画面にGAMEOVERという文字が現れる
さっきから兄を無視しているおかげでキャラクターがどんどん犠牲になっていく

兄「あの、回復してください。お願いします」

妹「ん」

流石にキャラが可哀想だったので回復してやる
緑色の光に囲まれる画面上の兄

兄「ありがとう御座います妹様っ!!」

妹「えっ!?やめっ」

この人は多分本当に小さい頃に帰った気になっているのだろう
抱きついて、来た
いきなりのことだったので、バランスを崩した私はそのまま倒れてしまった



52: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:31:46.36 ID:EV13TrWgo

兄「うおっ」

妹「きゃっ」

我ながら情けない声が出た
反射で閉じてしまった目を開けると眼前に兄の顔が、あった

兄「おおっスマン!倒れるとは思わなかった!」

妹「あの……あの……」

言葉がでない、上に被さる兄の吐息も当たってしまうような距離
こんなに近くで兄の顔を見るのは初めてだった

兄「手、離してくれないと立てないんだが」

妹「分かってる……でも……」

今までで、こんな幸せな時間はなかった
小さい頃から慕っていて、今となっては好きという感情を持たせてくれた兄が目の前に居る

妹「ご、ゴメン……」

と離す。握っていた手に兄の体温が残る

兄「いやー、やりすぎたかー。ゴメンな」



53: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:32:16.79 ID:EV13TrWgo

謝る兄の声が遠くで聞こえる
顔が蒸気しているのが分かるほど熱い

兄「よっしゃー、次のボス行きますか!」

妹「う、うん……」

ゲームをしている兄は子供っぽくなるのだろうか
私のことは気にしていないようで、ゲームを進める

兄「ここから敵が強くなるなあ」

妹「う、うん」

ゲームの内容が頭に入らない。兄の顔で頭が埋め尽くされる
当の本人は全く気にしてないようだが

兄「うおっ!死んじまう!妹っ回復頼むっ!!」

兄の顔が離れない、顔の火照りも収まらない

兄「妹ーっ!ぷりーずっ!回復プリーズ!」

兄の泣きそうな声で我に返るとライフゲージが赤く点滅している兄のキャラがあった
慌てて回復をしようとするが、間に合わずゲームオーバー

妹「ご、ゴメン……」



55: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:35:39.12 ID:EV13TrWgo

兄「んー、まあドンマイだな」

兄がこちらを向く
顔の赤く染まった涙目の私を見ることになる

兄「!?大丈夫か!?顔真っ赤だぞ!?」

妹「大丈夫、大丈夫……」

兄「いや、大丈夫じゃないだろ!熱あるんじゃないのか!?」

コントローラを握って若干汗に蒸れた兄の手が私の額に触れる
幼い頃はこの手を握って家に帰っていた
そんな優しい手が私に触れる

兄「んー、熱っぽい気がするんだよなー。こんな事したこと無いから分からないけど」

妹「大丈夫、ありがとう兄貴」

兄「大丈夫か?少しでも体がだるかったらすぐ言えよ?今日は親がいないんだから」

妹「じゃあ、さ。1つだけ、お願いして良い?」



56: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:36:06.44 ID:EV13TrWgo

兄「おう、おにーちゃんになんでも言っちゃいな!」

妹「ありがと、昔みたいにさ、兄貴の膝の上でゲームしたい」

兄「任せなさい!……あれ、ちょっと待った」

今度は兄の顔が赤くなる
勢いで、任せろと言ったのだろう

妹「任せろって言った。手、どけて」

兄「ちょちょちょっと!それはマジですか!」

妹「病人かもしれないんだよ、静かにして」

兄「うおぉぅ……」

と、強引に兄の懐に潜り込み陣取る
あぐらをかいている兄の椅子は、私の特等席だった
私を抱え込むようにして兄と二人でゲームをする、そんなことがよくあった

兄「ちょっと待ってヤバい」

妹「うるさい」

兄「はい、スンマセン」
──



57: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:37:43.07 ID:EV13TrWgo

妹「うるさい」

兄「はい、スンマセン」

これはまずい、非常にまずい
小さい頃はなんとも思ってなかった
だが、この歳になるとそうも行かない

妹「兄貴、ちゃんとして、負けるよ」

兄「あの、いろいろと辛いのですが」

主に下の方が、だが
妹は発育の言い方だと、歳に似合わない体つきで分かる
あの時とはまた違う、大人になりかけている妹
妹の髪が鼻をくすぐる。女の子の、香りがした。

兄「くうぅ、手強い……」

妹「まだ道中だよ、そんなに強くない」

頭がクラクラする
体温の上がってたらしい妹の体から出ている、汗の混じった匂い
男だったら臭いはずなのに、性別の違いはこんなに大きいのか



58: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:38:11.22 ID:EV13TrWgo

妹「兄貴、真面目にやって」

兄「大マジです」

俺に抱かれてなのか、幸せそうな妹の顔
こんなにも愛おしいと思ったのは初めてだ
好き、なのかも知れない。妹のことが
心の端にはあったと思う。この気持は

妹「やっと真面目にやりだしたか、死んじゃうよ?」

兄「ああ、ゴメンな」

妹「良しとする」

兄「ちょっといいか、顔が見たいんだ」

妹「ん?まあ、いい」

妹が俺の腕の中から逃れると、こちらに向き直った
真面目な顔をしている俺を見て、頭に疑問符を並べる妹

兄「あの、さ。妹は俺のこと嫌いじゃない、って言っただろ」



59: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:39:12.12 ID:EV13TrWgo

妹「兄貴、真面目にやって」

兄「大マジです」

俺に抱かれてなのか、幸せそうな妹の顔
こんなにも愛おしいと思ったのは初めてだ
好き、なのかも知れない。妹のことが
心の端にはあったと思う。この気持ちは

妹「やっと真面目にやりだしたか、死んじゃうよ?」

兄「ああ、ゴメンな」

妹「良しとする」

兄「ちょっといいか、顔が見たいんだ」

妹「ん?まあ、いい」

妹が俺の腕の中から逃れると、こちらに向き直った
真面目な顔をしている俺を見て、頭に疑問符を並べる妹

兄「あの、さ。妹は俺のこと嫌いじゃない、って言っただろ」

修正



60: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:40:01.53 ID:EV13TrWgo

妹「……うん」

幸せそうだった顔を少し赤らめる妹

兄「俺もさ、妹のこと好きって言ったじゃん」

妹「……そう、だね」

兄「嫌いじゃない、って人にこういうのをされるのは嫌かも知れない」

妹の肩を抱き寄せ、その唇を俺の唇で塞ぐ
いきなりのことに目を見開いた妹だが、拒絶しようとはしない
目を閉じて、力の抜けた妹の体
受け入れてくれる、らしい

妹「ちゅぅ……ぷはっ」

兄「ゴメン、な。いきなり」

唇を離すと、苦しかったのか大きく息を吸い込んでいる
妹と、キスをしてしまった。
昨日のちょっとした間接キスとは違う
妹は、口を抑えて目をトロンとさせていた

妹「いきなりは、酷い。……けど、嬉しかった」



61: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:40:48.19 ID:EV13TrWgo

兄「あのさ、俺、妹のことが好きだ。兄妹として、一人の女の子として」

妹「私も、兄貴のこと大好き。ずっとずっと前から」

周りの人からは、苗字こそ違うものの普通の兄妹と思ってもらっている
少数の人は、俺らを変な目で見てくるけれど
いつも兄妹のように振る舞ってきた

兄「兄として失格だな、妹のことが好きになるなんて」

実の兄ではない

妹「私は、兄がこの家に来た時から好きだった」

それでも、俺を慕ってくれる妹
こちらに来たときは少し戸惑い気味だった俺に優しくしてくれた妹
生まれて初めての、友達だった

兄「そうか、ありがと」

妹「私も、言おうと思ってたけど……恥ずかし、かった」

妹友ちゃんと母の言ってたことが分かった気がする。
恥ずかしいから、気持ちを抑えていた。ということか

ポーズ画面のままのゲームのBGMが途切れる
そんなに長い時間経ったのか



62: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:41:19.67 ID:EV13TrWgo

妹「ゲーム、やろっか」

妹が俺の懐に潜り込みかけたところを制止した
妹がなんで?という顔をしている
あまり言いたくないのだが

兄「……刺激されると辛いんだけど」

妹「ん、何の話?」

兄「蹴られると思うので言いたくないです」

妹「蹴らないから、言ってよ」

言ったほうが良いのだろうか
どっちを取っても悪い方向しか進む気がしない
選択肢が目の前に浮かぶ

兄「あの……ち……」

妹「ち?」

兄「ちんこさんが、辛いです」

妹「ばっっ!」

蹴られはしなかったが、頭突きを食らった



63: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:41:49.39 ID:EV13TrWgo

妹「いくら付き合ってるとは言っても考えて物言ってよ!」

兄「言えって言ったのは妹じゃないか!」

妹「そうだけどっ!」

妹の暴論を体で受け止め、なんとかなだめる

兄「それでもいいなら、ここにこい」

と、膝をポンポンと叩き、妹を呼ぶ
妹は俺を睨んで、渋々こちらに来た

妹「怒るからね……」

兄「生理現象なのに酷い」

なるべく意識しないようにするが、妹の髪の匂いが嫌でも脳を刺激する
抱きかかえる腕は、なるべく妹の胸に当たらないようにする

妹「兄の体勢、おかしい」

兄「じゃあ覚悟してくれ」

そう言い、妹の体を抱くようにする体勢に戻る
この体勢だと妹の胸が腕に当たる
非常に下を抑えるのに辛い体勢



64: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/09(金) 00:42:25.11 ID:EV13TrWgo

妹「ここのボス強い」

兄「俺の力があればこんなんよゆーだぜ!」

妹「って二分前にも言ってたけどね」

兄「ちょっとずつザコ敵を倒してきた俺には最早敵なしだっ!」

そう言い残し、ボスへと向かうが、流石に歯が立たない
妹に回復を任せてるけれども、追いつかない
もうちょっとでやられてしまう

妹「兄貴がんばれ、多分もうちょっと」

兄「うおらあああああ」

ペペー、と敵に勝利したSEが鳴った
妹とハイタッチをする。二人とも、満面の笑み
2,3日前では考えられなかった二人の関係



97: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 15:29:58.24 ID:Z4QopMhro

母「ふう、ただいま」

兄「おお、母さんも父さんもおかえり」

妹「おかえり」

ゲームに夢中になってるうちに父と母が返ってきた
付近の家が紅く染まっている

母「あらあら、二人で仲良くゲームしてたのね」

兄「ああ、妹も高校に慣れてきたし息抜きにね」

妹「うん、楽しかった」

兄がリモコンを操作し、放送に戻す
テレビの中では料理を頬張っている人が映っている
チャンネルを回しても、同じような番組ばかり

母「お腹空いたわね、もうご飯の準備をするにも遅いわねえ」

父「そうだな、じゃあ久しぶりに外食でも行くか」

兄「母さんと妹の飯のほうが良いけど、流石にお腹空いたしそうするか」

妹「私も、それでいい」



98: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 15:47:16.90 ID:Z4QopMhro

近所のファミレスに行く
この時間だというのに人は疎らだ
おかげですぐ席に着ける

妹「兄貴、そっち座って」

先に座った父の対面に兄を誘導する
自然に兄の隣へと座る

父「ん?知らん間にまた仲良くなったのか?」

母「らしいわねえ、ふふっ」

父と母が目の前に並んで座っている
隣に座っている兄の腕に私の腕が触れる距離まで寄る

妹「早く、決めよ」

兄「ん、そうだな」

と、兄と一緒に酷く大きいメニューの書いてある冊子へ目を向ける
料理がそれぞれ、これをこれをと主張している

兄「やっぱりこういう所って高いよなー、家で作ったほうが安いし旨いのに」

妹「そうだね、偶には、いいんじゃない」

兄「偶には、な。じゃあ俺はこれでいっかな」

兄は決めたらしく、メニューから視線を逸らしている
兄のほうをチラと見ると、兄も丁度こっちを向いたらしく、目があった



99: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 16:02:34.34 ID:Z4QopMhro

兄が若干目を細めたのを見て、私もそう返す

妹「私も、決めた」

母「私も決めたわよ」

暫くして父が店員を呼ぶための呼び鈴のボタンを押す
父も決めたらしい

店員「以上でよろしかったでしょうか?」

おかしい日本語で店員が注文を繰り返し、帰っていく
しばらくすると、少しずつ料理が運ばれてくる

母「じゃあ先に食べるわね」

父「じゃあ先に失礼する」

と、先に料理が来ていた母と父が箸を取り食べ始める
兄と私の料理は一緒に運ばれてきた

兄「じゃあ俺たちも食べるか」

妹「うん、いただきます」

兄に渡されたナイフとフォークを使い、食べやすいように切り始める
兄も、同じようにしていた

兄「うん、おいしい」

と、2,3切れ食べ始めた兄の声を聞いたところで私の方も切り終えた
父は、早く食べ終えたらしく、席を立ちお手洗いの方へ向かった
母は料理を食べ終えたわけでもないのに、携帯を耳に当て何処かへ行ってしまった



102: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 16:41:40.54 ID:Z4QopMhro

妹「兄貴、これ、おいしい」

兄「ん?そうだな、そっちもおいしそうだ」

妹「ん、だから」

と、フォークに刺したそれを、兄の方へ向ける
兄の方も察したらしく頬を染めて周りを見渡す

妹「早くしないと、父さんと母さん来る」

兄「分かってるけど、心の準備が」

妹「私のこと、好きじゃない?」

と、上目遣いで目を潤ませてみる
妹友に教えてもらったように

兄「う、好きだよ、大好きだ。」

と言い、好きと言った口を開けた
そこに運び入れる

妹「ん、いい子」

兄「おお、おいひい。ありがとな」

ポンポンと私の頭を撫でながら言った
私が、再び食べ始めようとしたところを兄が静止する



103: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 17:02:10.65 ID:Z4QopMhro

妹「ん、なに?」

兄「やらせろ」

妹「ばっ!?──そういうのは場所があるでしょ!?」

小声で怒号を飛ばし、兄の足を踏みつける
兄が涙目になったので止めてやる

兄「違う……俺もあーんしてあげたい、って意味……」

妹「ん、じゃあちゃんと主語を明らかにしてから喋って」

兄「ってことで、はいあーん」

と、先の赤面が少し収まった顔を綻ばせながら私に差し出す

妹「私は、いい。恥ずかしい」

兄「そう言ったけどやった人が目の前にいますよー?」

言われたらそんな気がした。
いざするとなると、やっぱり恥ずかしい

兄「俺のこと、嫌い?」

私と同じようなことを言って、上目遣いに潤んだ目
兄は大好きだけど、男の人がすることじゃないな

妹「兄貴、気持ち悪い」

兄「ええっ!?」

驚く兄を放っておいて、兄の手に持たれたフォークを咥え、食べる
兄がくれたからかも知れないけど、普段より美味しく感じた



104: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 17:14:42.58 ID:Z4QopMhro

お互い食べさせ合いっこをして、兄が項垂れていると母と父がほぼ同時に返ってきた
母は再び食べ始め、父は置いてあった紙で洗った手に残った水分を拭いていた

妹「兄貴、早く食べないと冷める」

兄「うん……うん……」

少しずつ食べ始めた兄
コーンをフォークで刺そうと苦戦する私
食べ終えるのにまだ時間は掛かりそうだった

兄「ほっ、おりゃっ……ふんっ」

妹「静かに、食べて」

兄も同じようにコーンをフォークで刺そうとしている
無駄に気合の入った声と共に
いつまで格闘するのか。そう思った束の間、スプーンを使ってかき込んだ

妹「あ、兄貴邪道!」

兄「へっ、あるものを使って何が悪いっ!」

妹「私にもそれ貸せっ!」

と、兄のスプーンを取り上げて私もとっとと食べる
兄が邪道じゃないのかーと喚いているけどお互い様だ



105: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 17:38:48.29 ID:Z4QopMhro

皆食べ終わり、家に向かう
食べてたときはあまり意識してなかったけど
いっぱい間接キスしてたな、と思う
だけど、すでに口と口でしてしまったのだから単なるイベントなのか

兄「んー、なんかなー」

妹「どしたの、兄貴」

兄「不意打ちで取られた所が勿体無い」

妙なこだわりがあるのか分からないけど、残念がっている
私だって恥ずかしかったんだから、勢いで行きたかったところもある

妹「結局はできた、文句言わない」

兄「今度家でリベンジしよっかなー」

そこまでしてちゃんと対面してやりたいのか
皆が居るところでするのも恥ずかしいけど、向き合ってやるのも恥ずかしそう

兄「ねえー、妹ちゃーん」

妹「家で、二人きりなら。いい」

兄「ほんと!?やっしゃーい!」

変な歓声を上げて喜んだ兄の方を行き交う人が返り見る
前を向く母と父もこっちを向いた
仲良くしている私たちを見て、二人は微笑む

兄との距離が急速に狭まったこの数日間
少し、大人になったのかな



110: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 22:51:33.10 ID:Z4QopMhro

兄「ふぃー、いい湯だった。妹もちゃっちゃと入れー」

妹「うん、分かった」

兄が風呂から出てきてそう言った
私も根巻きなどを持って風呂場へ向かう

妹「今日は、遊びすぎちゃったかな」

高校に入ってから一日全く勉強してない日はなかった
どんなに忙しくても、教科書やらを眺めていた
今日は兄とするゲームに熱が入ってしまってすっかり忘れていた

妹「少しだけでも、問題解いておこう」

お風呂から上がったら勉強をしよう
少しでも授業に遅れたら私の場合取り返せない
はしゃいで疲れてしまったけど、やらなきゃダメだ

妹「兄貴は、勉強得意だったっけ」

ふと、兄が学年でもトップクラスだということを思い出した
調子にのってふざけている兄を見ていたら忘れてしまっていた
教えて、もらえるかな



111: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 22:52:56.26 ID:Z4QopMhro

兄「ふぃー、いい湯だった。妹もちゃっちゃと入れー」

妹「うん、分かった」

兄が風呂から出てきてそう言った
私も寝間着などを持って風呂場へ向かう

妹「今日は、遊びすぎちゃったかな」

高校に入ってから一日全く勉強してない日はなかった
どんなに忙しくても、教科書やらを眺めていた
今日は兄とするゲームに熱が入ってしまってすっかり忘れていた

妹「少しだけでも、問題解いておこう」

お風呂から上がったら勉強をしよう
少しでも授業に遅れたら私の場合取り返せない
はしゃいで疲れてしまったけど、やらなきゃダメだ

妹「兄貴は、勉強得意だったっけ」

ふと、兄が学年でもトップクラスだということを思い出した
調子にのってふざけている兄を見ていたら忘れてしまっていた
教えて、もらえるかな

修正



112: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 23:01:41.32 ID:Z4QopMhro

風呂から上がり、髪を乾かす
寝間着に着替えてからリビングでソファーに体を預けている兄に声をかける

妹「あの、さ。勉強、教えてくれない?」

兄「んあー?勉強かー、教えるの苦手だがいいのか?」

妹「兄貴なら、いい。他の奴なら、蹴る」

兄「お前の友達は可哀想だなあ、じゃあ道具持って俺の部屋来なー」

妹「分かった、ありがと」

久しぶりに入る兄の部屋、ドアの前まではよく行っていた
少し、緊張する
ノックをして、兄を呼ぶ

兄「おう、入りなー」

そう聞いて、兄の部屋へ入る
私の部屋とは違う、少し変わった臭い
男の人の部屋はこんな物だろうか、勉強になった

兄「ほれ、そこ座っていいぞ」

妹「うん、ありがと」

兄の勉強机とセットとなっている椅子に腰掛ける
兄の体重で潰れたのか、少し固い気がする



113: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 23:23:19.82 ID:Z4QopMhro

兄は可動式の引き出しの上に座る
重量的には大丈夫なのだろうか、私の部屋にあるそれは20キロ以上のものはダメだと書いてある

兄「専ら理系だからな、そっち方面で頼む」

妹「三角関数、覚えれるけど使えない」

兄「三角関数か、任せなさい」

兄は教科書と口頭で説明してくれる
数字のある場所から求めるのもいいが、求めたい場所から逆行して行く方が簡単らしい
試しに問題に手をつけると、スルスルと解ける

兄「あ。あと、人に教えると今までの内容が整理されて頭に入りやすいぞ」

妹「でも、教える相手がいない」

兄「目の前」

妹「兄貴は、もう分かるから教えても意味ない」

教えることが、いいんだ。と言う兄

兄「説明が不十分だったら俺が指摘する。もちろん疑問形でな」

妹「分かった、やってみる」

そう言って、先に解いた問題について、兄に解法を説明する
確かに、一度目解いた時に何となく使っていた式の意味が理解できる
兄は、的確に疑問を投げかけてくる
他にも別の解法の問題を4,5問解いて、兄に説明をする



114: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 23:32:29.50 ID:Z4QopMhro

兄「うん、最初の時よりも大分式を理解して使ってる」

妹「そんな感じ、する」

兄「よし、じゃあちょっと待ってな」

そう言うと、兄が白紙に絵や数字を書き始める
どうやら問題を作っているようだ

兄「はい、短時間で作った問題だから数字がおかしいところがあったら、根性で解いて」

妹「なんか、全く関係なさそうなところに数字があるんだけど」

兄「素人の作った問題だから簡単だと思うぞ」

簡単、兄にとってはそうかもしれないが
今までは数字と求める部分が纏まってて見難いほどだったけど
兄の作った問題は驚くほど数字の少ないものだった

妹「ちょっと、待って。時間、かかる」

兄「おう、いくらでも待つぞ」

そう言うと、兄は私の手元を覗き込む
兄の顔が私と並ぶ
昼間の無邪気な顔とは一変した、真剣な顔



115: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/10(土) 23:53:21.38 ID:Z4QopMhro

妹「…………うん、できたと思う」

兄「おう、それとなく答えっぽい数字が出たな」

即席の問題だったが、解くのが飽きない
習った知識だけだと躓くような応用力を求める問題だった
なんで短時間でこんなに複雑な問題が作れるのだろうか

妹「ここは、多分中点連結定理を使って出す」

兄「うん、よく思い出したね。ちゃんと出来てる」

妹「ありがと。で、ここはさっき出した奴と比を使って……」

兄に対する教習が始まる
解いているうちにバラバラになっていた数式が綺麗に並んでいく

兄「おお、合ってる。よく解いたなこれ、作ってて分けわかんなくなったのに」

妹「兄貴も、こんなの作れて凄い。」

兄「そうか?適当に高1までに習うやつグッチャグチャにしただけだけどな」

妹「ちゃんと作れてるのが、凄い。教えるのも上手い、先生になったほうがいい」

兄に教えてもらってなかったら、正直解けなかっただろう
教え方が上手すぎる、躓く部分を把握している
不意に出てしまった、心からの言葉だった



116: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/11(日) 00:31:42.31 ID:8MxcAhUSo

兄「んー、先生か……まあ、そんな柄じゃないし」

妹「絶対に向いてると、思う」

兄「教員採用試験とか面倒くさそうだし、いいよ」

妹「勿体無い」

兄「ははっ、成りたいと思ってる人がなったほうがいいと思うぞ」

それもそうかな
兄が一日中勉強と向き合ってるの姿を想像する
3時間目で泡を吹いてぶっ倒れている兄が居る
やっぱり真面目に勉強をしていない兄のほうが良い

妹「うん、教えてくれてありがと」

兄「おう、何時でも任せろやー」

妹「兄貴。目、瞑って」

兄「任せろやー!」

と言って、兄が目を閉じる
その顔に近づく

妹「ありがと、大好き」

兄の肩に手を置き、顔を寄せ唇を重ねる
唇を離し、さっさと兄の部屋から出る
一秒もキスをしていないのに脳内麻薬が大量に分泌され、クラクラする

妹「ふふっ──かわいいなあ、もう」

驚いた兄の顔があまりにも可愛かった
自分の部屋で、枕に顔を押し付けて悶えてみた

そんな、夏休み明けの土曜



126: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/13(火) 18:53:50.57 ID:dJXHQTzio

妹「うんん~……おはよ~」

誰に向かっているわけでもないが、なぜ言ってしまうのだろう
きっと不思議な力が働いているんじゃないのだろうか
休み明けの朝は辛い、けれど1日ぐらいお弁当作りを手伝ってもいいかなと早起きをする

妹「ふああぁ……お弁当作るの手伝うよー」

と、重い目を擦りながらキッチンの人影へ告げる
母の声が返ってくると思っていた

兄「ん?ああ、おはよう。手伝ってくれるのか?」

兄が、居た
横目でこちらをちらりと見た兄の手元には私と兄の弁当箱が置いてある
テキパキと料理を作りにかかる兄の姿が、あった

妹「はあ?」

兄「『はあ』、とは何だ『はあ』、とは」

妹「今日は、兄貴が弁当作るの?」

兄「まあそうだな。正確に言うと、今日も、だが」



127: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/13(火) 19:28:17.20 ID:dJXHQTzio

そう言うと、兄はフライパンを温めはじめた
登校日、私の食べていた弁当は兄が作ったものだったのか?
そんな疑問が浮かぶ

兄「妹ー、手伝ってくれるんなら突立ってないで手洗ってこっち来てー」

妹「う、うん」

手際よく、兄が弁当を飾っていく
兄が私の弁当にオカズを詰めているから私は兄のを
兄がオカズを詰めているから私は兄の指示通り料理を
他の人より様々な種類のそれらがある弁当を兄が一人で作っていたのか

妹「洗い物、する」

兄「おう、頼んだ」

一通り私の方の作業が済んだところで洗い物を始める
この量を毎朝一人で作ってたのか、と弁当を見てそう思う
自分の為に。私の為に

兄「うん、妹が手伝ってくれたから早めに終わったね」

妹「うん、あの……あの、さ」

兄「ん?流石に腹減ったか?」

妹「毎日、ありがと」

気恥ずかしくて、声になるかならないかギリギリだった
兄は首を傾げている。聞こえなかったらしい
せっかく私が言ったのに、聞いてなかったのか。この兄は



131: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/16(金) 00:53:07.47 ID:2cDEhu0Vo

妹「もういいよ、朝ごはん食べよ」

兄「やっぱり腹減ってたか、まあ早起きすると腹減るよな」

乙女心をわかってないな、この男
大好きな人ほど口にできない言葉だってあるんだ

妹「もう、いい。いただきます」

兄「なんで飽きられたん?」

妹「黙って、食べる」

兄が悲しそうに朝ごはんを食べ始める
私も食べ始める
毎朝毎朝早起きして作ってくれてたんだ、と味わって食べる

兄「ふぃー、ごちそーさん。洗い物するからとっとと食べちゃってな」

妹「ん、分かった」

飲み込み、返事をする
せっかく兄が頑張って作ってくれてたのにとっとと、というのはもったいない
せめて学校に遅れないぐらいまでゆっくり食べた

妹「ごちそうさま、ちょっとしたら行こ」

兄「おう、ちゃっちゃと済ますよ」

私のお茶碗を洗いながら返事をする兄
前よりも、その背中が優しさがあるように見えた



132: ◆oWvZ7JfuwU:2011/09/16(金) 01:12:28.25 ID:2cDEhu0Vo

先週とは違う登校
兄が笑顔で私に話しかける
やっぱり兄の笑顔ほどカッコイイ物はない

兄「それでな、クラスのやつがな──」

妹「そうなんだ、その人、面白い」

兄「だろ?あいつは自分の立場を分かってるよ。お、妹友ちゃんだ」

妹友がいつもと変わらぬ場所で手を大きく振りながら私たちを待っていた
が、私たちの顔を見るなり口端を大きく持ち上げて教室へ向かってしまった
すごく嫌らしい笑みだった

妹「妹友……もしかして分かっちゃったのかな」

兄「まあ少なからずバレてるとは思うぞ」

ホレ、と私の指先を指す兄
いつの間にか兄の制服の裾を掴んでいた
昔の、癖だった

妹「あ……ゴメン」

兄「別に俺はいいよ?昔のこと思い出したし」

妹「うん、私も」

兄「昔は可愛かったなあ」

今は、可愛くないとでも言うのだろうか
とりあえず脛を軽く蹴ると、兄が小さく息を漏らす

兄「ふ……おはあああ……急所に当たったああ……」

妹「今は、可愛くないの?」

兄「めちゃくちゃ可愛いです」

頭を撫でてくる兄
暖かく、やさしい手だった



169: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/06(火) 00:35:45.57 ID:t8lPlsUwo

妹友「やあやあおはようマイハニー」

教室に上がると当然の如く私の机に座って妹友が待っていた
それはいいのだが何だ会って早々マイハニーとは
アホじゃないのか

妹「あの、さ」

妹友「おぉ!?事後の話を自分からとなっ!」

妹「いい加減にしなさい」

そう言って妹友の脇腹に手を伸ばそうとする
が、妹友はわかっていたかのように私の手を防ぐ
その手を引き寄せ私を引き寄せる

妹友「さあ、お兄さんとの熱い熱い夜のお話をお聞かせください」

妹「蹴るよ?」

妹友「最っ高のご褒美ですなっ!」

最高に馬鹿な奴が目の前に居る
目をキラキラ光らせ鼻息を荒らげた変質者が
こいつには痛みによる服従は効かないらしい

妹「何時からそんなに頭おかしくなった?」

妹友「酷いなぁ妹ちゃんはっ!いっつもこんな感じじゃないですかっ!」

妹「そうだったね、アホだったね 前から」

そうあしらう、痛みが効かないならシカトをするか
言わないで済むから効果的かも

妹友「教えてよ~妹ちゃん~」



170: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/06(火) 00:48:00.74 ID:t8lPlsUwo

無視をしよう無視を
そう、何があっても動ずるな
動かざること山の如くだ

妹友「むぅ……じゃあもういいよぅ」

もっとしつこく聞いてくるかと思ったらそうでもないらしい
安堵のため息を吐こうとした、が

妹友「ここに二人の写真があります」

妹「……は?」

妹友「妹ちゃんがお兄さんの袖を掴んでいるという貴重な写真です」

妹「ちょっ、待っていつの間にっ!」

朝、撮ったのか?携帯を出していた素振りはなかったが
でも、危険なものには変わりない

妹友「どうしよーかなー見せて回っちゃおうかなー」

妹「分かったっ!何があったかは言うから!」

言って、しまった
迂闊だった、自分の身を守るためではないが、その言葉が不意に口を割いた

妹友「ま、無いんだけどねー、じゃあ妹ちゃんの言う通り夜のムフフな体験を聞かせてもらおーかー」

へっへっへ、と汚い笑いをしながら再び詰め寄る妹友
抱え込む頭は重い
言えるのか?兄とキスした、なんて



183: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/11(日) 23:10:22.10 ID:YecoUdNmo

妹友「ほらほら~、言っちゃおうよ妹ちゃん 言ったほうが楽だぜ~?」

妹「うぐぅ……あ、そういえば……」

おおっ!と声を上げ一気に間合いを詰める妹友

妹「兄と一緒に……」

妹友「一夜を過ごしたのか!」

まあ言うと思ったけど
清々しいほど躊躇わずに言い切るな本当に女の子なんだろうか

妹「勉強をした」

妹友「保健体育のですかっ!」

妹「お前はアホか」

妹友と話しているとまともな返事がないな
さすが学年一の秀才であり学年一の阿呆だな

妹友「いやーん妹ちゃん朝からだいたーん」

妹「言っとくけど数学だから」

どうせ聞かないだろうけど

妹友「あれ?妹ちゃんって数学苦手だったっけ」

妹「え?あ、はい」

聞いてたのか、不意を突かれて敬語が出てしまった
チクショウ、なんか負けた気がする



184: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/11(日) 23:25:42.73 ID:YecoUdNmo

妹友「ハイだとぉ!?妹ちゃんが私に敬語って……もしかして妹ちゃんプンプンかっ!」

妹「いや別にどうも思ってないけど」

妹友「どうも思ってないって……相思相愛の私の事嫌いになっちゃった?……」

面倒くさいのが始まった

妹「あーはいはい、好きだから安心しな」

妹友「うわああああんっ!反応が素っ気ないよおおぉぉっ!妹ちゃんに振られたあああぁぁ!」

いつも通りの顔で泣き真似は流石に無いでしょう
手で顔を覆うぐらいしても良いんじゃないかな

妹「妹友、ホームルーム始まるから席に着いた方がいいよ」

妹友「お、そだね~ んじゃーまた後でね~」

手をひらひらさせながら妹友が自分の席へ戻っていった



185: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/11(日) 23:44:51.85 ID:YecoUdNmo

──
兄友「お、兄じゃん!今日も辛気臭い顔しちゃって……ないだとっ!」

兄「まあ、いつも辛気臭い顔してないけどな」

兄友「いーや、俺には分かるね。先週末何かあっただろコノヤロー」

兄「そーかそーか、じゃああったことにしてやるよ」

実際その何かはあったけれども
妹とキスしたなんか言えないよなあ

兄友「へっへっへ、俺もそこまで詮索しないでやんよ」

兄「勝手に想像するだけならお構いなくな」

そんなに確信持てるのか?
別ににやけてるわけでもないし、やっぱりこいつの妄想か

兄友「お前の妹可愛いもんな」

なんでこいつの直感はいつも冴えてるんだ
流石に隠すのも辛くなってきた

兄友「妹……お前のその桜色の唇を俺のものにしたい……ゼ」
兄友「オニイチャン、ワタシオニイチャンニメチャクチャニサレタイワー」
兄友「妹っ!もう我慢出来ないっ!」

とりあえず平手をかましてやった
兄友がスマンスマンと頬をさする

兄「妹はお前の裏声みたいに変な声じゃないからなっ!」

兄友「キャーオニイチャンアリガトー」

もう一発平手を入れておいた
──



192: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/19(月) 01:05:50.88 ID:iumm31sho

掃除が終わり、兄を待つためと校門へ向かう
妹友は「フッ……」っといって去ってしまった
今思えば至極腹立たしい顔だったな

兄「お、妹ー待たせて悪いなー」

兄友「あんれー?妹ちゃんお久ー」

妹「あ、お久しぶりです。兄友さん」

兄友「んあー……ふへへ、無粋ですかな」

前から思ってたけど妹友に通ずるものがあるな、この人は
とりあえず首を横に振る

兄「まあ、妹も嫌じゃないらしいし、一緒に帰るか」

兄友「ちっちっち、彼女いない歴が年齢と比例の関係の俺でもそこまで鈍感じゃないからさ」

兄「妄想パラダイスやめなさい」

兄友「ばーかばーか!リア充なんか滅べ!砕け散れ!朽ちて[ピーーー]!」

捨て台詞を吐いて兄友が駆ける
通ずるものじゃなくて妹友まんまだった

兄「あいつ子供みたいな捨て台詞吐いてったな」

妹「にぎやかな人だね」

兄「悪いやつじゃないから、さ。あいつも悪意があって言ってるわけじゃないからな」

うん、と頷き、歩き始める
晩夏にしては涼し気な風が髪を撫でた



193: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/19(月) 01:06:29.38 ID:iumm31sho

掃除が終わり、兄を待つためと校門へ向かう
妹友は「フッ……」っといって去ってしまった
今思えば至極腹立たしい顔だったな

兄「お、妹ー待たせて悪いなー」

兄友「あんれー?妹ちゃんお久ー」

妹「あ、お久しぶりです。兄友さん」

兄友「んあー……ふへへ、無粋ですかな」

前から思ってたけど妹友に通ずるものがあるな、この人は
とりあえず首を横に振る

兄「まあ、妹も嫌じゃないらしいし、一緒に帰るか」

兄友「ちっちっち、彼女いない歴が年齢と比例の関係の俺でもそこまで鈍感じゃないからさ」

兄「妄想パラダイスやめなさい」

兄友「ばーかばーか!リア充なんか滅べ!砕け散れ!朽ちて死ね!」

捨て台詞を吐いて兄友が駆ける
通ずるものじゃなくて妹友まんまだった

兄「あいつ子供みたいな捨て台詞吐いてったな」

妹「にぎやかな人だね」

兄「悪いやつじゃないから、さ。あいつも悪意があって言ってるわけじゃないからな」

うん、と頷き、歩き始める
晩夏にしては涼し気な風が髪を撫でた



195: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/19(月) 01:21:06.37 ID:iumm31sho

──
──
ノックの音がする
嫌だ、外に出たくない

兄「妹、入っていいか?」

妹「う、うん……」

返事をするのが辛い
兄が起こしに来てくれてるというのに

兄「今日は、さ。学校があるから」

妹「分かってるよ……分かってるけど……」

兄「分かるよお前の気持ちは、俺も中学の頃そんなことあったしな」

兄の声は優しく、諭すようだった
だが、私は布団を被り蹲ったまま動こうとしない

妹「ごめんね……いつもいつも起こしに来てくれるのに……」

兄「まあ、俺も無理強いはしないよ」

兄の作った朝ごはんが待っているけれども、体が動かない
胸が苦しくなり、呼吸が早くなる

兄「ゆっくり、ゆっくり慣らしてけ。な?」

妹「うん、ありがとう。兄貴」



206: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/24(土) 00:19:05.99 ID:xKJ7eSH7o

兄「でも流石に起きような、今日が二学期最後なんだから。遅れたらみっともないぞ?」

妹「寒いんだよ……チクショウ……」

いきなり冷え込み過ぎだ、冬将軍さん張り切りすぎ

兄「女の子がチクショウなんて言うんじゃありません!」

妹「兄貴は寒くないの?」

呼吸をするたび喉を刺すような空気が襲う
部屋にいるというのに息が白い

兄「正直寒い!だがしかし明日から冬休みだ!ちなみに明後日はクリスマスのイブだ!」

妹「冬休みとかクリスマスでテンション上がる高校生なんて兄貴だけだから」

兄「さらに今日はクリスマスのイブのイブのイブだからな!」

そんなこと言い始めたらきりが無くなる気がする
何か楽しい事でもあるのか?今年の冬休みやらクリスマスには

妹「朝ごはん食べるから、そこどいて」

兄「少しぐらいノッてくれてもいいんじゃないか?」

妹「少しでも甘やかしたらつけ上がるでしょ?」

去年は「なんで見たことも信じたこともねえキリストの誕生日なんて祝わねえといけないんだよちくしょー」
なんて言ってたのに今年になるとこの変わり様だ
そういえば彼女居る奴なんてトナカイにバックドロップされろとも言ってたな、とりあえず理不尽だ



207: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/24(土) 00:37:41.60 ID:xKJ7eSH7o

──
兄「クリスマスに妹と過ごせるって浮かれてるな……」

兄「でも妹は相変わらずだなぁ……何でだ」

もしかして俺の他に好きな人ができた──とか?
流石にない、か。本番は無いにしろ今でもいろいろやってしまってるわけだし

兄「乙女心は分かんねえぜ……ふっ」

妹「兄貴、何がふっ……なの?」

兄「うおぅっ、別に関係ないだろ独り言だよチクショウ!」
──
兄「乙女心はわかんねえぜ……ふっ」

この兄絶対クリスマスで浮かれてるな
兄と過ごすっていっても同じ屋根の下に居たら何も変わることないだろうに
落ち着きが無くて駄目だ

妹「別に今年のクリスマスもいつもと変わらないでしょ?」

兄「妹よ、クリスマスは聖なるものだぞ」

妹「寒さに頭やられたの?去年はギャーギャー騒いでたくせに」

兄「今年は去年とは違うのだよ」



208: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/24(土) 00:53:45.34 ID:xKJ7eSH7o

時計を見るといつもの登校時刻が迫っている
兄を促し、玄関へ向かう

妹「行ってきます」

兄「よしっと、行ってきます」

朝の冷気を纏いながら歩く
手袋をしている手すら痛いほどだ
なのにバカ兄が明るい笑顔で歩く

妹「何にそんなにはしゃいでるんだよ、隣にいるのが恥ずかしいんだけど」

兄「だって今年は妹とクリスマス過ごせるじゃん」

妹「毎年、そうじゃない?」

ちっちっち、と指を振り言う

兄「言っただろう?今年はワケが違うんだ」

妹「なんで?」

兄「見なさいこの手を」

と、私とつないだ手を指さす
首を捻り、だから何?というのを示す

兄「俺には彼女がいる!!」

妹「っ!?」

いきなり大声で訳の分からない事を言い始めた

妹「ばっ!前の人こっち見てるじゃんか!バカ兄貴!」

兄「すまん流石にやってしまったと後悔してる──だからって脛ばっかり蹴るの止めてくれませんか」

顔が真っ赤に染まっていくのが分かる
気温は0度を切っているだろうに酷く暑く感じる

妹「一人で、行ってね」

と言い残して、繋いでいた手を離し駆けていく



209: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/24(土) 01:13:33.48 ID:xKJ7eSH7o

校門には、丁度来たであろう妹友がいた
妹友は私に気付くなり、酷く驚いた顔をしている

妹友「おろ?妹ちゃんお兄さんはどうしたのさ!」

妹「おいてきた」

妹友「うえええええっ!?」

朝からなぜこうも私の周りは煩いのだろうか
冬ぐらい寒さで縮こまってていいんじゃないか

妹「煩い、蹴るよ?」

妹友「んあー……二人で幸せな顔して登校してくるのを教室の窓からニヤニヤしながら見るのが日課だったのに……」

妹「最近校門で会わないなと思ったらそんなことしてたのか」

妹友「ふへへ、毎日おべんとが美味しいかったですよ~」

なんだろう、この汚された感じ
アホ通り越して変態だな

妹友「まあ、そろそろクリスマスなんだし、今日にでも仲直りしんさいな~」

妹「別に、喧嘩したつもりは、無いけど」

アホ兄貴はアホだから、仕方ないけど
恥ずかしいものは恥ずかしい、脛を蹴るぐらい許される行為じゃないか

妹友「ま、ここに居ても寒いだけだし、喧嘩したんならお兄さんを置いていきまっしょ~」

妹「さっきと言ってること違うじゃん」

妹友「人間ホッカイロだ~」

いつも通り私の言葉を無視する
それはいいが抱きつくなと言いたい
廊下にできる人ごみの目線が痛い



216: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/24(土) 22:22:39.30 ID:xKJ7eSH7o

妹友「んで、どしたんさ?」

教室に着くなり妹友が尋ねてくる
別に大したことでもないんだが

妹「阿呆兄貴が変なこと、言った」

妹友「ほうほう、その変なこととは?」

俺には彼女がいる!と阿呆みたいな顔で叫ぶ兄の顔を思い出す
顔が再び赤く火照っていくのが分かる

妹「……言いたくない」

妹友「ふへへ、惚気な感じですかい?お嬢さんっ」

妹「惚気じゃないっ!馬鹿兄貴が阿呆なことしただけっ」

妹友「いいなぁ~クリスマス一緒に過ごす人がいて~」

体をくねらせながら言う妹友
いつも同じ家に居るのだから変わらないだろう

妹「去年も一緒に居たけどね」

妹友「アホンダラ~っ!」

妹「っ!?」

教室に響くような大声で怒鳴られた
何処に怒られる要素があったんだ



217: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/24(土) 22:45:41.79 ID:xKJ7eSH7o

妹友「かーっ!妹ちゃんは乙女心がわかってないねぇーっ!」

妹「おっさんですか」

妹友「少しは考えてみなよ、去年は妹ちゃんは『お兄ちゃん嫌い死ねっ!』って言ってたんでしょ?」

言ってないけれども話の腰を折らないように口を出さないでおく
口を出さなかったら出さなかったでひどい事にはなりそうだが

妹友「それが一変!クリスマスの夜にあぁーんなことやこぉーんなことまで、できちゃうされちゃうんだよっ!」

クラスメイトは流石に慣れたのかスルーして各々の事をやっているようだ
慣れとは恐ろしいものだな

妹友「それを、『去年と変わらないでしょ……ふっ』なんて流しちゃっていいわけっ?!」

……ふっなんて言った覚えは無いけども

妹友「いんやダメだねっ!たとえお天道様が許してもこの妹ちゃんの分身たる私が許さないっ!」

妹友にしては少しは筋の通った話じゃないか
少し私もそういう意識が少なかったのかも知れない

妹友「そもそも妹ちゃんがお兄さんとえっちぃことしてくれないとオカズにしようとしてたのにできないじゃんっ!」

妹「ぶふっ」

盛大に吹き出した
流石にクラスメイトもこちらに向き驚きに目を見開いている

妹「あのさぁ……」

妹友「むふーっ」

十分に言い切ったような顔をする妹友
無性に腹立つ顔をしてるが流石にビンタ一発ぐらいはいいんじゃないのか

妹「もう時間が無いので、今日のお昼にお説教します。覚悟しといてください」

妹友「今日のオカズは決定しました~んじゃね~」



218: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/24(土) 23:39:15.60 ID:xKJ7eSH7o

妹「あのアホ……」

周りの目も気にしなくなってきて酷くなり過ぎだな
粛清せねばならん

──
──
四時間目の授業が終わり、いつも通り机に向かってくる妹友

妹「今年のクリスマスプレゼントですが」

妹友「個人的にはお兄さんと妹ちゃんのセッk 妹「馬鹿か黙れ」」

妹「流石にそれは言わせないからな、ちなみにそのことについてだ」

妹友「あ、あの……妹ちゃん怖いよ……」

そりゃそうだ、教室でセックスなんて言っていいのはお調子者の男子だけだ

妹「その変な発言をやめると誓わないとやらんぞ」

妹友「あの……ゴメンナサイ……」

若干目に涙を浮かべているのが分かるほど怯えている

妹「ゴメンナサイじゃない、誓え」

妹友「あの、これからは……慎みます……」

妹「よしとしよう」

これだけ脅しておけば大丈夫か
流石にすすり泣きそうだからやめておくか



221: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/25(日) 01:06:47.07 ID:mZE04NC1o

──
──
妹「んじゃ、また来年かな?じゃね、妹友」

妹友「まあ、私は妹ちゃんの家にスネークする気満々だけどね!」

妹「暇だったら何時でも来ていいよ、私も暇だし」

帰省する予定も無いし、特別出かける予定もないはず
まあ毎年そうだから、今年もそうなのだろう

妹友「ふへへ、クリスマスの夜はおじゃましないほうがいいのかなぁ?」

妹「妹友の期待してることは無いと思うぞ、兄貴ヘタレだし」

流石に高校生だしな
そこまで兄も理性を失ったサルでも無いだろう、ちゃんと考えてるはずだ

妹友「まあ私的にも高校生は高校生らしい恋愛をしてもらいたいからねっ!」

妹「妹友にしては割りと真面目な意見だな、見直した」

ふへへ、とにやけながら頭を掻いている妹友

妹友「正直なところなんかズルイから何だけどねっ!学校以外で私のことも構えー!」

妹「ん、そうだね。どうせ冬休みスネークするんでしょ?その時にまた遊ぼ」

妹友「おうよーっ!んじゃまたクリスマス後だーっ!」

別に気にしなくてもいいのに
でも流石に最近は兄貴に構い過ぎてる気がするな
だから今日浮かれてたのか

兄「寒いので手をつないでください」

妹「いきなりなんだ、浮かれやがって」

兄「丁度それ感じてたところに追撃やめて、グサッと来た」



222: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/25(日) 01:31:02.90 ID:mZE04NC1o

──
──
兄「と、言う訳で来ましたクリスマスイブ!」

妹「クリスマスイヴ」

兄「発音なんてどうでもいいんだっ!ってことで今日と明日の個人的やりたい表どーん」

日程表って何をするつもりだこの兄は

兄「クリスマスまで頑張って貯めたバイト代を使っちまおうってことでこんな事になりました」

妹「いや、誰のために」

兄「言わせんなよ恥ずかしい」

表を見るかぎり買い物とかイルミネーションを見に行くとか乙女チックな事を書いている
これを兄一人で作ったのならいろいろと疑うぞ

妹「あの、さ。情報は何処から仕入れたのさ」

兄「ふっ……今時のインターネッツは便利よ……」

妹「いいんだけど、さ。私あまりお金持ってないから遠くに行けないよ?」

兄「今バイト代がウン十万ほど溜まってるから気にするな」

思えば初秋にゲームを買って以来兄が新しいものを買ったってのも聞いてなかったな

妹「でも、こんなにいっぱい行くなら、結構掛かるよ?申し訳ないんだけど」

兄「クリスマスプレゼントってことで割りきってください、それよりも早く行かないと時間が足りなくなりそうなんです」

妹「あ、うん。分かった」

若干押され気味になって家を出る
兄へのクリスマスプレゼントも考えてなかった
いつもあげてるわけじゃないけど、お返しぐらいはしたい
何がいいんだろ



223: ◆oWvZ7JfuwU:2011/12/25(日) 01:32:40.61 ID:mZE04NC1o

──
──
兄「と、言う訳で来ましたクリスマスイブ!」

妹「クリスマスイヴ」

兄「発音なんてどうでもいいんだっ!ってことで今日と明日の個人的やりたい表どーん」

やりたい表って何をするつもりだこの兄は

兄「クリスマスまで頑張って貯めたバイト代を使っちまおうってことでこんな事になりました」

妹「いや、誰のために」

兄「言わせんなよ恥ずかしい」

表を見るかぎり買い物とかイルミネーションを見に行くとか乙女チックな事を書いている
これを兄一人で作ったのならいろいろと疑うぞ

妹「あの、さ。情報は何処から仕入れたのさ」

兄「ふっ……今時のインターネッツは便利よ……」

妹「それなら、いいんだけど。私あまりお金持ってないから遠くに行けないよ?」

兄「今バイト代がウン十万ほど溜まってるから気にするな」

思えば初秋にゲームを買って以来兄が新しいものを買ったってのも聞いてなかったな

妹「でも、こんなにいっぱい行くなら、結構掛かるよ?申し訳ないんだけど」

兄「クリスマスプレゼントってことで割りきってください、それよりも早く行かないと時間が足りなくなりそうなんです」

妹「あ、うん。分かった」

若干押され気味になって家を出る
兄へのクリスマスプレゼントも考えてなかった
いつもあげてるわけじゃないけど、お返しぐらいはしたい
何がいいんだろ

修正



244: ◆oWvZ7JfuwU:2012/01/30(月) 01:51:37.88 ID:ffrXnWudo

妹「寒い」

ほら、と言って兄が手を差し出す

妹「恥ずかしいんだけど……まあ、今日はいいや。はい」

こちらもそれに答えるように手を重ねる
手袋をしてない乾燥した手に、兄の少しの温もりを感じる

兄「妹の手も冷たいな、とりあえず商店街行ってみるか」

妹「みるかって何?予定あったんじゃないの?」

兄「俺が予定通りに動くと思う?」

夏休みの課題を終了日ギリギリで初めて終わらずに学校を休んでた時の兄が居る
そういえばそんな人だったな

兄「寒いから手袋欲しい」

妹「それなら私も、かな」

繋いでない放り投げた片手が痛々しく赤く染まっている
その手を息で温めながら歩く

兄「妹、配置変更だ。片手だけ異様に冷たい」

妹「ん?分かった」

はい、と手を差し出す
そんなことをしながら商店街へ向かう

商店街に近づくに連れ街が様々なイルミネーションに輝いていく



246: ◆oWvZ7JfuwU:2012/01/30(月) 02:20:22.06 ID:ffrXnWudo

商店街に着き、兄とちょっとした服屋に入る
外の寒さと一変し、苦しいほどの機械的な暖かさに包まれる

兄「待ってろ、この俺がイケイケの前衛的な手袋買ってやる」

妹「前衛的じゃないのなら、まあ許す」

駆けてく兄に、届かないだろうと思いながら呟く
外に居るサンタもどきを眺める
兄と仲良くなってなかったら兄もそうなってたのかな、と考える

兄「おーい妹ちゃーん」

妹「ん?あ、なに?」

ずいぶん待たされて居たな
前衛的なのでも探していたのだろうか

兄「ホットココアとホット兄どっちがいい?」

妹「前者以外いらない」

まあな、といい缶のココアを渡してくる
冷たい手には火傷しそうなほど温かかった
遅かったのはこれを買ってたからか

妹「ありがと、兄貴」

兄「さすがだろ?」

妹「そろそろ行かないと、本当に時間なくなる」

兄「そうだった。あ、そういえばこれ」

と、小さい袋から灰色の雪結晶の柄をした手袋をだした
前衛的と言うよりむしろ守ってる気がする



247: ◆oWvZ7JfuwU:2012/01/30(月) 02:37:21.59 ID:ffrXnWudo

妹「兄貴にしては、随分マシ」

兄「もうタグは切ってもらってるからな、変えれないぞ」

手に嵌め、いこ、と兄を促す
兄も手に同じように嵌めているところだった
可愛らしい雪結晶の柄の手袋を

妹「ねえ、それって」

兄「バレたか……お察しの通りおそろいペアルックです」

そんなベタなカップルみたいなことなんかするのか

妹「外したいんだけど」

兄「クリスマスぐらいしてくれても……」

と、悲しそうな顔をする
周りもカップルだけだから目立たないとは思うけど

妹「寒いから、仕方ない。返せないなら、お金が勿体ない」

兄「そうか、ならそれでいいや」

じゃいくか、と兄が私の手を取り、引いて行く
手袋の所為で、兄の手がさっきよりも暖かい

兄の顔が紅くなっているのは暖かさなのか、やはり恥ずかしさなのか



248: ◆oWvZ7JfuwU:2012/01/30(月) 03:01:21.05 ID:ffrXnWudo

──
──
電車で2駅ほど行った所で、偶数の乗客が大量に降りる
それに連れられるようにして降りると、全国的に有名なテーマパークの付近へと着く

兄「人多すぎだろチクショウ」

妹「まあもうお昼前だし、仕方ないんじゃない?」

目的地に向かいながら、他愛もない会話をする
その声も周りのその他の声にすぐかき消される

──
──
何年ぶりに来ただろうか
家族で来たことは覚えているが、兄とふたりだけで来たのは始めてだ

兄「懐かしいな、ここ」

妹「そう、だね……着ぐるみの人が怖かったのは、覚えてる」

兄「俺の後ろに隠れて泣いてたもんな」

そうだったろうか、相当小さい時だったから曖昧だ

妹「そんなこと、もういい」

兄「とりあえずジェットコースター制覇か」

妹「一人で?」

兄「嫌なら他の行くか?」

髪が乱れてるところをあまり見られたくないんだけど
今日ぐらいは付き合ってあげるか

妹「いや、いこ。制覇しに」

兄「そうこなくっちゃ!」



249: ◆oWvZ7JfuwU:2012/01/30(月) 03:13:26.92 ID:ffrXnWudo

兄「己の三半規管の弱さに絶望した」

妹「次は、どうするの?」

兄「悔しいけどギブアップ」

1つしかしてないのに気分が悪くなった、ということで断念

妹「情けないね」

兄「グサッと来たわ」

妹「お昼ごはんを食べてなかったことが、幸い」

兄「食べに行くか?俺は食べれるか分からなけど」

顔色の優れない兄を引き連れパーク内の飲食店へ行く
この時間も時期もあってか、かなり混雑しているな

兄「人多いな、さすがに」

妹「まあ、そうだね」

数十分して、ようやく昼食をとることができた
食べれるか分からないと言ってた兄もちゃっかり頼んでたところ見ると
流石に気分も治ったんだろうな



256: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/04(土) 22:30:47.17 ID:5fuwD2Cfo

兄「なんとも言えないわ。普通だな」

妹「ごちそうさまでした」

兄「妹の作ったご飯のほうが美味しい」

妹「何回も言ったら言葉に価値がなくなるよ」

冷たく返す
嬉しくないわけじゃないけど、やっぱり言われると恥ずかしい

兄「だって本当のことだし」

妹「心に閉まっておいて」

適当に相槌を打った兄が、次何するかなーと園内の地図を広げている
地図を見るその顔は無邪気な子供みたいだった
まるで昔の────

兄「妹ー!聞いてるかー?もう移動するぞー」

妹「んえ?あ、うん」

思い出に浸ってる内に決めたようだった兄が私を呼ぶ
さっき乗ったのと違い、穏やかそうな物を選んだらしい
これなら大丈夫だろと兄が呟く

妹「制覇、諦めたの?」

兄「汚い話になるが吐瀉物に塗れた遊園地なんて見たくないだろ?」

妹「まあ、ね」



257: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/04(土) 22:55:23.09 ID:5fuwD2Cfo

着いた先で列に並ぶ
長蛇を目で辿ると先には建物がある
が、悪い悲鳴しか聞こえない気がする

兄「私は怖いものは大丈夫です」

妹「……狙った?」

私がホラー系の番組を見ないことを知っての所業か
列は黒々しい建物に飲み込まれている

兄「ナニヲデスカネー」

妹「帰ってもいいんだよ?私は」

兄「いやごめんなさい、俺がついてるから大丈夫だって」

軽い口調で詐欺師っぽいことを言っている
そういうのはチャラチャラしたヤンキーだけでいい

妹「やだなぁ……あー……」

兄「そんなに嫌なのか?所詮作り物だぞ?」

妹「でも怖がらせようと……してる」

兄「まあそういうもんだしなあ」

わからないのかこの気持ちを
要するに嫌なものは嫌、だ

兄「まあ、もうそろそろだし諦めて腹を括った方がいいんじゃない?」

呑気な兄め



258: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/04(土) 23:16:10.66 ID:5fuwD2Cfo

係員「お二人様ですね、どうぞ」

兄「どもー」

妹「……」

そもそもこの時期にお化け屋敷なんてやる遊園地あるのか
夏にやればいいのにこんな物

兄「おー暗いなー流石に」

妹「目瞑ってるから分からない」

兄「いやまだまだ怖くないって。昼だからな一応」

兄の腕にしがみつきふらふらと歩く
若干半目を開けるとやっぱり暗い

兄「うおおおおおおっ?!」

妹「きゃああああぁぁっ!!」

兄「まだなんにも出てませんがね」

妹「ちょっとぉ……バカ兄貴」

片腕を離し兄の背中を殴る
力が入らない故に握りかけた拳が跳ね返される



259: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/04(土) 23:29:30.76 ID:5fuwD2Cfo

兄「割と大丈夫だからさ、ちゃんと目開けろって」

妹「……嫌だ」

兄「俺だけダッシュで出てってもいいんだけどねぇ」

妹「絶対逃げないなら……開けてあげる」

ほいほい、といい頭をポンポンと撫でる
信じていいのか分からないがとりあえず目を開ける

兄「そんなに怖くはないな」

妹「ん……ま、まだ何も出てないなら……分からない」

兄「そこ見とけ、怖いの出るから」

何で見とかないといけないんだろうか
いやだから他のところを見せるべきじゃないのか

妹「きゃあっ!」

兄の言った通りの場所を見てたら本当に出てきた
──わりとトゥーン系のお化けが

兄「怖くないんだな、それがまた」

妹「……かわいい」

兄「まあ急に出てきて驚かすタイプのお化け屋敷だろうね」

ガタッと物音がしたと思ったら何かがいきなり出てきた
暗い中から出てきたものはまたも可愛らしいお化けだった
兄の言うようにそんなに怖くないかも知れない



260: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/04(土) 23:52:03.37 ID:5fuwD2Cfo

兄「あんまり教えないほうが良かったかも知れない」

妹「……なんで」

兄「きゃーとか可愛かったから」

繋ぎ直した兄の手を反対の手で抓る

兄「いてえって」

妹「恥ずかしい……やめて」

兄「かわいいねえ」

力を強める
兄の声量が強くなった所で離してあげる

兄「すみません」

妹「あんまり外で言わないで」

兄「分かりましたゴメンナサイ」

外からの光が漏れてきて周りが少しだけ明るくなっている
怖いの嫌いを克服できたかも知れない

兄「なんか暴力を振るわれてばかりいるきがする」

妹「自業自得……だね」

兄「だって……言わないほうがいいか」



261: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/05(日) 00:07:23.62 ID:AjwSNnXHo

──
──
兄「もう周り薄暗いな」

妹「パレード……するの?」

兄「予定だとするっぽいな」

人の集まりが疎らなところを見るともうそろそろ先の話か
すぐに混雑し始めるだろうけど

兄「妹は見たいか?パレード」

妹「んー……どっちでもいいかな」

兄「そっか、じゃあ見ねえや」

妹「……あっさりだね」

やっぱ見たいのか、と聞かれるけど首を横に振る

兄「じゃあ他のカップル共がいなくなることだし定番行きますか」

妹「定番?」

兄「下手したら占領できるかもな」

占領はできないと思うけど
何処に行く気なんだろ



262: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/05(日) 00:33:09.85 ID:AjwSNnXHo

──
──
兄「いい感じに暗いな」

妹「人も少ないね」

目の前には華やかな色をした観覧車
遠くの方から賑やかな声が聞こえる

兄「さて乗りますか」

妹「すぐ乗れそうだね」

思った通り2・3組待ったら私たちの番になった
係員に誘導されてゴンドラに乗り込む

兄と対面に座り、外を見降ろす
園内いっぱいの光が集まる人を照らす

兄「まだ1/8も行ってないのに結構高いんだな」

妹「そうだね……綺麗」

兄「だな。あー……そっち行くわ」

そう言い、こちら側に座ろうと立つ
私の確認も取らずに座る兄は少し緊張してるようだった

妹「ん……外、綺麗だね」

つられてこっちも緊張してしまい、同じ事を言ってしまう



263: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/05(日) 00:48:09.53 ID:AjwSNnXHo

兄「あの、さ」

妹「さっきまでの……調子じゃない」

兄「割りと真面目な話なんだけど」

そう、と返す
兄が何時になく真剣な顔をしている

兄「いつも好き好き言ってるけどさ、今日何度も言うなって言われたじゃん?」

妹「まあ……アレは──」

兄「だけど、やっぱり妹が好きなのは変わらないんだよ。
  一時は少し離れてたかも知れないけど、何時も一緒にいた大事な妹だよ」

妹「……うん」

隣で私に諭すように兄が言う
腕に感じる兄の体温が暖かい

兄「だけど、今はちょっと違う気がする」

妹「ん?」

兄「妹じゃなくて、一人の女の子として大事なんだ
  臭いかも知れないけど、一生守ってやりたいって思ってる」

妹「臭いね」

兄「まあいいんだよ。で、これだけは言いたいんだ」

兄が深呼吸をする
丁度観覧車が頂上に届きそうな時



264: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/05(日) 01:06:38.91 ID:AjwSNnXHo

兄「俺の妹で、ありがとう。」

それを聞いた直後、兄の顔が目の前に写った
私の唇に兄の体温が伝わる

妹「んっ……」

ほんの数秒のことだったが、何もかもが脳裏に焼き付いた
窓から伝わる外の冷気さえ痛いほど刻み込まれた

兄が私の隣に座り直し、暫く。
兄との時間より短く感じた降下は名残惜しいが終わってしまった

まだ終わっていないパレードが騒がしい
フワフワした頭で兄について行く

兄「さってと、土産でも買って帰るか!」

妹「う……うん」

兄「危なっかしいから早く元に戻れよ」

妹「……うるさい」

こんなんにしたのは兄の所為だというのに
一人だけサラっとしてズルい



265: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/05(日) 01:17:22.33 ID:AjwSNnXHo

──
兄「今日は疲れたな」

妹「うん……」

兄「まだ引きずってんのかー?」

こっちは甘ったるい空気を引きずらないようにしてるのにな
まだまだ妹は子どもか

バカ親父がバカでなかったら妹とも一緒になれなかったおかげだし
それなら親父がバカでも多少は良かったな

兄「そろそろ降りるからな、しっかりしろよ?」

妹「……分かってるって」

目的地で降り、家への道を行く
妹の暖かい手を取り、街灯に照らされ歩くそれは心地よかった

──



266: ◆oWvZ7JfuwU:2012/02/05(日) 01:30:59.14 ID:AjwSNnXHo

妹「ただいま」

兄「ただいまー」

玄関を開けると電灯の柔らかい光に包まれる
靴を脱いでリビングへ向かうと母と父の柔らかい笑顔にまた包まれる

父「おお、二人ともおかえり」

母「兄くん、妹ちゃんおかえりー」

兄「突然だけどお土産だー!」

兄が袋に入ったお菓子をテーブルに置く
おおお、と歓声をあげ拍手する両親
この家族は本当に仲がいいよ

こんな両親じゃなかったら、兄とも一緒にいれなかったのかな
何もかも、全部両親のおかげ

母「ご飯出来てるから、食べるわよね?」

兄「そういやお腹減ってたな」

妹「うん、私も」

ありがと、お父さん、お母さん
そして

妹「今日はありがと、楽しかったよ。お兄ちゃん!」



300: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 00:29:30.89 ID:NRUzvJPjo

──

妹友「んふー!擬似妹ちゃんに囲まれいい気分!」

妹ちゃんを監視し始めてから1時間と15分経ったけど未だに動き無し……か
もどかしい、実にもどかしい。少しでもいいからイチャイチャしてるのを見たいというに
クローゼットも案外苦しいんだぞっ

『妹「妹友は……来ないのかな?
   アレほど構ってくれって言ってたのに……」』

妹友「ウヘヘ、もうここで見てるんですよ、奥さん」

うむー……もしやこれは私が来るかも知れない事を考えての行動か?
で、なければ妹ちゃんの愛しのお兄さんが欲求不満で爆発してしまう……
そうであるなら、答えは一つ

──本文
── ごめんね、今年はおばあちゃんの家に帰るから来年の4日までは会えないよー(T_T)

よし、送信っと

──この一通のメールが
   妹ちゃんを女にするということを
   私はまだ、知る由もなかった──

なんてことになっちゃったり……
ふへ、ふへへへへ……じゅるり



301: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 00:51:46.92 ID:NRUzvJPjo

妹ちゃんがメール読んでるぞ……
携帯を弄ってるのかな?返信を打っているのか、或いはお兄さんにお誘いのメールを書いているのか……
普通の友達としては前者が良いけど、私は断然後者だな!はやくイチャコラしてくれ!

──本文
── そっか、残念 じゃあまた来年遊ぼ 良いお年を

チクショウ、前者だったか……
ここは追い打ちしておいたほうが確立高いな……

──本文
── おうよ! 私が居ないことをいいコトにお兄さんとあ~んなことやこ~んなことしないでね!
── それじゃあまた来年会いましょう! フハハッ、サラバだ今年の妹ちゃんよ!
── ウンタラニューヤー\(^o^)/
── 追伸 「しないでね」っていうのは「してね」っていうフリだよ

我ながらさり気なく混ぜたかな……フッ
これで妹ちゃんとお兄さんの淫猥な絡みを見られると思ったらおかしくて笑いが止まらないよ
高笑いしたらバレるだろうけどね……フフン

妹友「はやくー、はやくしろー」

さっきからなんで首傾げながら携帯見てるんだろ
私は早く濃厚で妖艶な体と体を重ねあった男と女の色香を感じたいというのに
……おお、部屋出てったってことは呼びに行くのかな

妹友「何でだろ、こっちが緊張してきたじゃん」

数十分後には汗を滲ませる何時もと違う妹ちゃんを見ると思うと……濡れるっ!
1時間半近くクローゼットに潜んでいた甲斐があった……よっしゃっ
妹ちゃんに秘密にしてくれているお母様には感謝感謝



302: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 01:05:13.14 ID:NRUzvJPjo

…………んあれ?

帰ってきたと思ったらなんでいきなりベット捲ったりしてるんだ?
もしかして戦争に向けて体制を整えてるのか!

妹友「あれ?ちょっと、こっち来ないでって……バレちゃうって!」

勢い良く開け放たれたクローゼットの戸
獲物に食いつかんとばかりに目を見開き私に肉薄する妹ちゃん
首根っこを引っ掴まれクローゼットの中から引き摺り出される私
申し訳なさそうに手で顔を覆っているお母様

なんでバレたのでしょうか、神様
私に不備など在ったでありましょうか、神様
私の貪欲さが悪かったのでしょうか
とりあえず、プリーズヘルプミー

妹「妹友ちゃん……なんでこんな所に居るの?」

妹友「黙秘します」

妹「そう、じゃあ出禁とどっちがいい?」

妹友「お兄さんとのイチャイチャを見たかっただけです」

妹「素直でよろしい」

うう、何でこんな目に……



303: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 01:27:45.69 ID:NRUzvJPjo

──

なんでこいつはこんなに阿呆なんだ……
それを承諾したお母さんもどうかと思うけど

母「あ、あの~。ごめんね、妹友ちゃん」

妹友「あは、あはははは……全然大丈夫っすよ~」

妹「大丈夫じゃなくしてあげよっか?」

妹友「え、遠慮しとくよ~。でもさ、なんで分かったのさ?」

なんでこんな行動に出たのかの方が知りたいのだが
と、考えればメールの発言も容易に理解できる
追伸がなければイチャイチャしてたかもね、残念だね

という旨を何処かの馬鹿にも分かるよう丁寧に1から0.01刻みで10まで教えてやると
酷く落胆した顔をして頭をブンブンと振っている

妹「まあ、お母さんに協力を頼んだのが妹友の敗因だね」

母「うう、ごめんなさいね?妹友ちゃん」

妹「お母さんは演技ができないからね」

妹友「うう、お母様~」

ごめんなさいね、と言いながら嘘泣きの妹友の頭を撫でている母
母は本当に泣いてると思っているのだろうが、この茶番は何時まで続くのだろうか?



304: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 01:59:44.68 ID:NRUzvJPjo

暫く経ち、(嘘)泣き疲れたといい泣き止んだ妹友に
お兄さんとお揃いの何かを買ってラブラブデートしろだの
お兄さんとなんか素敵なシチュエーションでキスしろだの
お兄さんが性的な意味で困ってしまうぐらい密着しろだの

妹友「したこと無いんだろうから、この際だからしちゃおーよー」

と言われ、別にしたことない訳でもない
とも言えず吃っていると、ふと家電話が鳴った
母が出れないから代わりに出て、と言うので電話の方へ向かう

妹「はい、もしもし」

??「おお、妹ちゃんか?大人っぽい声になったなあ!」

妹「あ、あの……何方ですか?」

??「あ、そうだったな。名乗るのを忘れていたよ、兄の父さんだよ」

妹「おに……あ、兄貴の、お父さんですか?」

兄父「そうそう、久しぶりにそっちに連絡入れようと思ってな」

妹「は、はあ……兄貴呼びましょうか?それとも私のお母さん?」

兄父「あー、兄を頼む。ちょっと話があるんだ」

妹「分かりました。じゃあ、呼んできます」

兄父「おう、ありがとうな」

……兄に話って、なんだろう?



305: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 02:19:08.83 ID:NRUzvJPjo

──

兄「代わったぞ、久しぶり」

兄父「おう、何年ぶりだろうな?」

兄「声だけなら5年ぶりぐらいじゃないか?小学校卒業の時に」

靄がかかったようにしか覚えていないが
その時は父さんと言うより、陽気なおっさん程度にしか感じてなかったが

兄父「いやー、おっさんになったな。お前も」

兄「何をほざいてる、青春真っ盛りだぞ?ウハウハだぞ?」

兄父「俺の血を受け継いでいてウハウハとか笑い事だがな」

兄「そうだな、笑い事だったな」

自分のできる限りの勝ち誇った声で見下すように言う

兄父「お前……まさか」

ふふん、と口角をあげる
このおっさんが青春を虚しく過ごしていたと考えると優越感が込み上がってくる

兄父「最近は絵が可愛いからって言って2次元には逃げるなよ……」

兄「はあ?」

兄父「おろろん?違うのか?じゃあ何なんだよ」

兄「居るんだよ、大切な人が」

兄父「うわあ……こいつすっげえくせえ……」



306: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 02:41:27.30 ID:NRUzvJPjo

すげえ腹立つんだがこのおっさん……
自分が楽しい青春を送れなかった事を実の息子にぶち撒けるか

兄「うるっせえな、別にいいだろ。彼女って言う方が恥ずかしいんだよ」

兄父「はっはっは、まあいいよ。じゃあ今度ちゃんと彼女として紹介しろよな?」

兄「紹介も何も 兄父「今度そっち行くから、その時にでも」

兄父「どんな子になったんだろうな? お前の大切な人。それじゃあ、また」

兄「おい、言いたいこと言っただけかよ」

……切りやがったな
別に今更紹介も何も、妹だし
どんな反応をするのだろうか

兄「取り敢えず、母さんと父さんに来る事を言っておくか」

でも、今この時期にここに来る意味なんて有るのか?
大概の事は父さんを通して俺に伝わるし
何か重要なこと……か?



307: ◆oWvZ7JfuwU:2012/04/22(日) 03:05:54.07 ID:NRUzvJPjo

──
──

兄「──ってことだ、気まぐれに帰ってくるにしてもいきなり過ぎるよな」

母「あの人に会うのは何年ぶりかしらねえ?」

父「そうだなあ、兄の前で言うのは憚られるが、来た時以来顔を見てないから十数年か」

兄「あのおっさんは任せっきりなのか」

父「まあまあ、そんなの言ってやるな。それにしてもアイツは仕事が早い」

仕事が早いのなら入学式とかにも来てくれよとは思うけど
父さんが言うなら早いのだろう
そもそも俺は何でこの家に預けられたんだ?

兄「おっさんに預けた理由聞いたら、話してくれるかな?」

父「ふむ、まだ兄父からは聞いてないのか。まあ、大した理由でも無いし、教えてくれるだろう」

兄「大した理由でも無いのに俺を預かる父さんも父さんだな」

父「はっはっは、そうだなあ。まあいいじゃないか、お前は今幸せなんだろう?」

人一人育てるのを苦にも思わない様子で笑う
なあ?と母さんにも同意を求める父さん

母「ふふっ、私はむしろ嬉しいわよ? それに、妹ちゃんも嬉しいだろうし」

妹友ちゃんと遊んでいるらしい妹の方へ笑顔を向ける母
二人の様子を見て推測すると、不幸が起こってというわけでも無いらしい



330: ◆oWvZ7JfuwU:2012/06/16(土) 23:20:42.25 ID:Ivq8bVoOo

──
──

妹「兄貴、おじさんは、なんて言ってた?」

兄「お? ああ、なんか今度帰るからお前を紹介しろって」

妹「……おじさんって阿呆だったっけ……」

兄「いや、彼女として」

顔が一気に紅潮した。気がする。
まだ冬だというのに、頭がくらくらする程の暑さだ

兄「顔真っ赤な妹ちゃんかわいいー」

妹「……なんで言ったの」

兄「いや、俺は彼女が居るって言っただけだ」

なんでそれだけで今付き合っているってことが分かるんだ
絶対に兄が余計なことを言ったに違いない

兄「おっさんも彼女を紹介しろって、多分お前だとは分かってないんじゃない?」

妹「……煩い」

兄の手の甲を軽くつねった
兄が、なんでっ!と涙目になる

妹「かわいいーって、馬鹿にしたから」

兄「拗ねてる妹ちゃんもかわいいー」

妹「もうやだ……」

ゴメンゴメンと謝ってくるが、少しは反省してもらわないといけない
こういう性格の人は放っておくのが一番だと、どこかの誰かさんで学んだ
その誰かは無視すらも快感を覚える変人だが

兄「ねーねー、構ってよー。ほらほらー大好きなお兄ちゃんだよー?」

妹「…………ウザッ……」

兄「ええっ! ごめんって、いや本当にごめん」

予想以上に反応した
ウザイはちょっと言い過ぎたかも知れない

兄「あの、本当にごめん。またウザイとか思うかも知れんがマジで可愛かったから、な?」

妹「私も、言い過ぎた。ごめん」

兄「マジか? 許されていいんだな?」

妹「うん、だから私も、ごめん」

兄「いやいや、俺は意外とゾクゾクしたけど」

ダメージを受けるどころか回復していた
もうダメだこの人

兄「なんでそんなに露骨に嫌そうな顔するんだよー」

妹「心配してたのに、損した」

兄「なんだかんだ言って心配してくれる妹ちゃん優しいー」

今私が心配してるのは頭の方だけど

妹「もう、いい。バイバイ、晩御飯の手伝いしてくる」

兄「ごめんって!」

いやああああと良く分からない悲鳴をあげてるけど放置
別に変な意味のバイバイじゃ無いのに
誰の所為でこんなのになったんだ
ちょっと前はもう少し大人しかったのに



331: ◆oWvZ7JfuwU:2012/06/16(土) 23:21:13.11 ID:Ivq8bVoOo

──
──

兄「おっさんは一向に来ないな」

妹「年越しちゃったのにね」

父「何処に居るのかは知らんが、もうそろそろ着いてもいい頃なのになあ」

兄「そもそもここを忘れてるってことはないのか?」

父「それも、考え得る」

方向音痴なのに遠くに行ってるってそれは大丈夫なのだろうか
少しだけ心配だな

妹「おじさんは、携帯持ってるの?」

父「多分持ってないだろうなあ」

兄「あーもー、なんか心配かけてすみません。家のアホ親父が」

母「まあまあ、ゆっくり待ちましょうよ」

ピンポーン

兄「親父かな? ちょっと俺見てくるわ」

妹「うん、行ってらっしゃい」

来客の対応をしに、兄が玄関へ向かう

兄「なんか変なおっさんが来てんだが、父さん来てくれよ」

??「来てやってるじゃねえか」

兄「お前じゃねえよ!」

??「そんなキツく言わなくても……」

兄「大の大人がシュンてすんなよ、気持悪い」

玄関の方では、兄があーだこーだ言い争っている
兄に呼ばれた父さんが、やれやれと玄関へ向かう

父「おお、久しぶりだな兄父」

??「お、うぃっす。なんかお前老けたな?」

父「はっはっは、顔は変わったのに性格は全く変わってないな」

兄「マジでこのおっさんが俺のマジな方の父さんなのか?」

父「ん? まあそうだな、こう見るとよく似てるなあ」

微かに聞こえる声から察するに、来たのは兄のお父さんらしい
いざ彼女として紹介されると考えると、少し恥ずかしい

兄父「まあさ、玄関で立ち話も何だし、上がってくれよ」

兄「お前のセリフじゃねえだろおっさん」

父「まあまあ、兄父の言う通り中でゆっくり話そう」

兄「父さんはもうちょっと怒ってもいいと思うんだ」

兄父「そんなこと言ったらお前この家に居ないぞ? いいのか?」

兄「怒らないでいいですね」

父「そうかそうか、じゃあ怒らない方針で行こうか」

談笑しながら兄と父さん、
そして笑った顔が兄によく似てる一人のおじさんがリビングに来た

兄父「やーやー、こんにちは」

兄「礼儀知らずかよお前」



332: ◆oWvZ7JfuwU:2012/06/16(土) 23:21:44.35 ID:Ivq8bVoOo

母「あらあら、お久しぶりですね」

妹「ねえ母さん、あの人が?」

兄父「そうです、この人がここにいる兄の『父』でございます」

電話で話した時も思ったけど、雰囲気も兄と似ている
一番うざくなった時の兄だけど

兄「お前に聞いてんじゃねえだろ、アホか?」

兄父「なんだとう? アホから生まれたお前もアホじゃねえのか!」

兄「うっせえ! アホに育てられてねえからアホじゃねえよ!」

母「まあまあ、兄父さんはコーヒーでよろしいですか? 紅茶ですかね?」

兄父「んー、まあコーヒー貰うよ」

母「はい、じゃあ少々待っててくださいね」

兄「で、いきなり本題に入るけど、なんで今の時期帰って来た」

兄父「え? お前に言ったら怒られる気がするんだが」

兄に言って怒られる気がする理由ってなんだろう

兄「言えよ、怒らないから。多分」

兄父「それ絶対に起こるパターンじゃんかよ」

兄「知らん、早く吐け」

兄父「仕方ねえなあ、耳かっぽじってよく聞けよ?」

啖呵を切るつもりなのかな、兄父おじさんは

兄父「あ、そんなことよりもさ、結婚はいつにするよ?」

兄「は、はあ?」

兄父「え? だって彼女居るんでしょ? 有無を言わさず結婚させるからな」

兄「いや、そんなことより理由を早く」

兄父「妹ちゃんは何時がいい? 学校卒業したらでいいかな」

妹「何で、私に聞くの?」

兄父「だって彼女って妹ちゃんでしょ? え?違うの?」

いきなり結婚とか言われても、分からないし恥ずかしいしで頭が混乱する
それよりも何で兄父が私と兄が付き合ってるってこと知ってるの

妹「…………やっぱり、兄貴言ってたんじゃん」

兄「いや、言ってない! 神に誓って言ってない! 断言するぞ!」

兄父「あんれぇ? 妹ちゃんと毎日ラブラブチュッチュしてるって言ってたのは誰かなあ?」

馬鹿兄がやっぱり余計なこと言ってたのか
こっちが恥ずかしがるのも知らずに、しかもチュッチュとか……

妹「……兄貴、死ぬのと死にかけるの、どっちがいい?」

兄「いやいやいや! 俺マジで言ってねえって! ふざけんなよおっさん!」

妹「煩い。言い訳は、見苦しい」

兄父「自業自得だよ、兄君」

兄「自業じゃねえよ! 痛いから抓るなって!」

兄父「いやあ、若いカップルをおちょくるのは楽しいなあ!」

兄「おっさんそろそろいい加減にしろよ、俺の腕が真っ赤なんだぞ……あの、本当にいい加減に」

兄が涙目でおじさんに訴える
少しやりすぎた気がしないでもない



333: ◆oWvZ7JfuwU:2012/06/16(土) 23:22:15.17 ID:Ivq8bVoOo

兄父「いやさ、彼女できたんなら顔見せが普通じゃん? で、やっぱり妹ちゃん?」

兄「まあ、そうだけど。な?」

妹「……うん」

兄父「なんかすごい羨ましいんだけど、シチュエーションとか」

兄「お前がそうさせたんだろ、アホか」

兄父「お前は俺に感謝すべきだと思うんだが、なあ妹ちゃん?」

暫く考えて、うんと頷く
まあ、おじさんが兄を預けなかったら多分兄と会わなかっただろうし
兄と一緒の学校に行こうと思わないから、学校でも会うことは無かっただろうし

兄「腹立つけどまあ妹と会えたのはおっさんのお陰だな。どーもどーも」

兄父「あ、こいつすっげえ腹立つんだけど」

兄「その前に何で妹が彼女だって分かったんだよ」

兄父「だってさ、血が繋がってなくて一つ屋根の下に居たらそうなるじゃん? アニメとか見てたら」

兄「アニメの見すぎだろ。そうは上手く行かねえよ」

兄父「上手く行ってるじゃねえかよ。なんだ自慢か?」

兄「じゃあ自慢するわ」

自慢して欲しくないんだけど
でも、実際のところどうなんだろう
そんな家ってあるのかな

兄父「羨ましいからやめろ。でさ、何時にするよ結婚式」

兄「流石にまだ早いだろ。金だって必要だろ、働き出してから考えるよ」

兄父「何お前、すごい真面目に見えるんだけど」

兄「お前の遺伝子を持ってるとは思えないな」

兄父「そうだな、まあ少しは俺にも頼ってくれよ、今まで放っておいて申し訳ないと思ってるから」

兄「おっさんにも申し訳ないって感情があるんだな。なら早く父さんに謝れよ」

兄父「ごめん俺」

兄「分かってて言ってるな?」

兄父「スマンな父、お前に押し付けて」

父「まあ、気にすることは無いよ。私も楽しかったしな」

兄父「母さんもゴメンな? あんな鼻タレ坊主の時から預けてしまって」

母「私もお父さんと同じですから、大丈夫ですよ」

兄「おっさんの用事はもう終わったのか? いやそれは無いよな流石に」

兄父「じゃあ俺は流石なんだな」

本当にそれだけが目的だったのか
やっぱり掴めない人だな

兄「なにもないのかよ……あ、俺を預けた理由ってのはあるのか? 無さそうだけど」

兄父「お前、それは流石にあるからな? なんか面白そうってだけで人一人預けるような馬鹿じゃねえ」

兄「理由があって安心したわ。で、なんでだよ」

兄父「長くなるからなあ……お前が酒飲める歳になったら、呑みながら幾らでも話してやるよ」

兄「酒の勢いが無いと話せないとか、どんだけ長いんだよ」

父「そうそう、今日は夜どうするのかな? ホテルでも手配しようか?」

兄父「抜かりはない、既に手配してあるから安心しろ」

父「そうか、なら良かったよ」



334: ◆oWvZ7JfuwU:2012/06/16(土) 23:23:09.69 ID:Ivq8bVoOo

兄父「そうだそうだ、妹ちゃん、結婚を前提にお付き合いしてるんならさ」

いきなり結婚とか言わないでほしい
ちょっとビックリする

兄父「ほら、新婚みたいに『ダーリン』とかで呼んでやれよ。ヒューヒュー!」

兄「妹、このおっさんの言うことは無視していいからな。無視だ無視」

ま、まあ将来的には呼ぶことになるんだろうから
今から練習しててもいいかもしれない

妹「ダ、ダー……」

兄「無駄に努力するなよ! なんでそんなとこで従順かな!」

兄父「いや、妹ちゃんの努力を無駄にしちゃいけないよ、兄君」

兄「ふざけんな! 絶対に俺が被害者になるんだって!」

妹「ダ、ダー……ダァ……うぅぅ……クソ兄貴!!!」



335: ◆oWvZ7JfuwU:2012/06/16(土) 23:23:53.67 ID:Ivq8bVoOo

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいま した!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです (正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、 これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じていま す。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸 れたのか、それは人それぞれだと思います。 少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちに なってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にあり がとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお 願いします! ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!



336:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/16(土) 23:53:59.56 ID:+O94NTopo

おつ



339:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/17(日) 01:09:02.73 ID:gEHaFie8o


完結してほっとした



引用元
妹「お、おに……おにい……うぅぅ……クソ兄貴!!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315491145/
[ 2012/06/18 22:00 ] 兄弟姉妹SS | TB(0) | CM(0)
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