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幼馴染「おまたせ」 男「おう」

1 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:25:02 ID:4wEES6QA

男「委員会の仕事、お疲れ様」

幼「ごめんね、いつも待たせちゃって」

男「いやいやー、毎日御飯作って貰ってるんだから」

男「帰りに買い物のお供するのは当然だろ」

幼「それじゃ、買い物して帰ろうか」

男「おうよ」




2 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:25:33 ID:4wEES6QA



男「結構買ったなー」

幼「3日分だからねー」

幼「おじさんとおばさん、今度は何処に旅行?」

男「3泊4日で北海道だって」

幼「この寒い中、何故北海道?」

男「この寒さだからこそ、だってさ」

男「俺にも理解出来んよ」




3 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:26:02 ID:4wEES6QA

幼「でも夫婦仲良しだよねぇ」

男「まあなー、あの年でバカップル丸出しだぜ」

男「見せ付けられる方はたまらんがな」

幼「あはは、それは大変そうだねぇ」

男「早くあの家を出て一人暮らししたいぜ」

幼「大学に合格すれば、その夢は容易く叶うじゃん?」

男「合格すればな」




4 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:27:00 ID:4wEES6QA

幼「男なら大丈夫だよ!頭良いじゃん!」

男「でもなぁ…俺が行きたい学科、厳しいんだよなぁ」

男「就職先も限られてるしなー」

幼「でも、やるんでしょ?」

男「精一杯努力はするさー」

幼「応援してるよ!」

男「ありがとな、幼」




5 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:27:30 ID:4wEES6QA

幼「今日は星が良く見えるね」

男「そうだなー」

男「あの光を一個でも手に入れられねーかな」

幼「わっはっは!我は木星を支配するのだ!…とか?」

男「そんなんじゃなくて…」

幼「ね、寒いから早く帰ろっ」

男「…まぁ、いいか」

男「腹も減ったし、帰るか!」




6 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:28:06 ID:4wEES6QA



男「ごちそうさまでした!」

幼「はい、お粗末様でした」

男「いつ食べても幼の料理は美味いなぁ」

幼「いやぁ…猛特訓しましたしー」

男「いつでも嫁に行けるなー」

幼「えっ?」




7 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:28:37 ID:4wEES6QA

男「あー、でも料理以外は駄目だからまだまだかー」

幼「むっ」

ガスッ
男「いって!何でスネ蹴った?」

幼「デリカシーが無いからだよ!バーカ!」

男「料理以外出来ないのは本当だろ?」

男「図星突かれて、人に暴力振るうなんて最低だぞ?」




8 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:29:09 ID:4wEES6QA

幼「うるさいバーカ!バーカ!」

男「馬鹿じゃねぇよ?」

幼「もう!せっかく美味しい御飯食べて」

幼「幸せな気分だったのにっ!」

男「あー、ごめんごめん」

幼「…気持ちがこもってない!」

男「変な事言って、本当にごめんなさい」

幼「ん。今のは気持ちがこもってたから、許す!」




9 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:29:54 ID:4wEES6QA

男「コーヒーでも飲むか?」

幼「飲む!」

男「んじゃ、居間で待ってろよ」

男「コーヒー淹れながら、後片付けしちゃうから」

幼「すまないねぇ」

男「それは言わない約束でしょ」

幼「それじゃ、後はお願いね」

男「任されたー」




10 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:30:28 ID:4wEES6QA



男「はいよ、コーヒー」

幼「ありがとーう」
コクッ
幼「ほぅっ…男の淹れてくれるコーヒ-大好きー」

男「喜んでもらえてなによりです」

幼「男は料理以外の家事は完璧だよね」

男「まぁ、小さい頃からやらされてるからな」

男「でも料理だけは上手く出来ないんだよなぁ」




11 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:31:03 ID:4wEES6QA

幼「私と足して2で割ったら丁度良いよね!」

男「人は足せないし、割れないだろ」

幼「例え話だよ!」

男「でもまぁそうだよなぁ」

男「んじゃ、将来結婚すっか」

幼「!!!!」

幼「な、何でそんな悟空がチチと結婚した時みたいな感じで」

男「さらっと恥ずかしい事が言えるの?」

男「え?駄目だった?」




12 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:31:29 ID:4wEES6QA

幼「…」

ガスッ
ガタッ
男「いって!痛いんですけど!」

男「て言うか、こたつの中で暴れるなよ」

男「コーヒーこぼれたら大変だぞ?」

幼「またしてもデリカシー無し!」

男「わ、悪かったよ、変な事言って」

幼「本当に、年頃の乙女に向かって、変な事言わないように!」




13 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:31:53 ID:4wEES6QA

男「あ、今日も泊まって行くか?」

幼「そうだねー、お願いしても良いかな?」

男「んじゃあ、客間に布団出すよ」

幼「私、一度家に帰って、お風呂入って来るね」

男「あいよー」




14 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:32:28 ID:4wEES6QA



男「それじゃ電気消すぞ?」

幼「うん、お休みなさい、男」

男「おう、お休み、幼」
パチッ



スンスン
幼(ふふっ。ふかふか布団、良い匂い)

幼(すっかり私専用になっちゃってるな、この布団)

幼(…)




15 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:32:57 ID:4wEES6QA



コンコン
幼「男ー、朝だよ-?」

男「!」

幼「男ー、起きてるー?」

男「お、起きてる!起きてるから!」

幼「朝御飯出来てるよー」

幼「下で待ってるから、早く降りてきてね」

男「おう!」




16 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:33:37 ID:4wEES6QA

男「やっべー、久々に二度寝したぜー」

幼「私が居て、良かったよね?」

男「本当にありがとうございます」
ペコッ

幼「素直にお礼言われると、照れるね、えへへ」

男「そ、そんな反応されると、こっちも照れるが?」

男・幼「…」

幼「と、取り敢えず朝御飯食べよう!」

男「おう!」




17 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:34:11 ID:4wEES6QA

男「しかしアレだよな」

幼「ん?」

男「おじさんが単身赴任で島根に行って」

男「おばさんがちょいちょい島根に行く様になって」

男「幼がウチに泊まる事が多くなって」

男「朝も夜もウチで飯食う事が多くなって」

男「何かもう同棲してるみたいだよな」

幼「…」




18 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:34:35 ID:4wEES6QA

男「ん?どうした?」

幼「何でも無い。断じて何でも無い!」

男「…俺、また何か変な事言ったか?」

幼「何でも無いっ!早く御飯食べて学校行こう!」

男「お、おうよ」




19 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:35:08 ID:4wEES6QA



男「あぁ…今日も寒いなぁ」

幼「そう?今日は割と暖かいんじゃない?」

男「いやいや、寒いだろう」

幼「そんな寒がりで東京行って生活出来るの?」

男「そんな事は行ってみないと解らん!」

幼「向こうは氷点下になったりするんだよ?」

幼「雪が降ったりもするし」




20 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:35:46 ID:4wEES6QA

男「まぁ、行ったら行ったで、慣れるだろ」

幼「…そうだね、慣れるんだろうね」

男「その前に合格しないとな」

幼「男なら絶対大丈夫だよ!」

男「精一杯頑張ってみるさ」

幼「男が合格したら、ウチの高校からは」

幼「初めての合格者になるんだってよ?」

男「別に学校の為に勉強してる訳じゃないけどな」




21 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:36:20 ID:4wEES6QA

幼「そりゃそうだけどさー」

幼「やっぱ、島の誇りだと思うよー?」

男「合格すればな?」

幼「私も精一杯応援するからね!」

幼「私は受験勉強とは無縁だからね!」

男「幼は地元の専門学校だもんなー」

幼「あ、でも…応援って言っても何すれば良いかな?」




22 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:36:45 ID:4wEES6QA

幼「お百度参りとか?」

男「別にそんな事しなくて良いよ」

男「普段通りで良いさ」

幼「普段通り?」

男「美味しい御飯作って、傍で笑っててくれればそれで」

幼「それなら出来る!任せて!」

男「おう、任せた」




23 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:37:32 ID:4wEES6QA




幼「男、合格おめでとう」

男「あぁ、やっと肩の荷が下りたぜ」

幼「でも手応えあったんでしょ?」

男「死ぬ気で頑張ったからなー」

幼「幼馴染として、私も鼻が高いよ!」




24 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:38:09 ID:4wEES6QA

男「あー、それでな」

幼「ん?何?」

男「東京に行く前に、幼に話したい事がある」

幼「え、何?何?もしかしてエッチな事?」

男「む、ごまかそうとしてるな?」

幼「えへへ、バレましたかー」

男「真面目な話しなんだよ」

幼「…」




25 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:38:40 ID:4wEES6QA

男「幼稚園の頃の約束、覚えてるか?」

幼「…覚えてないよ」

男「なら、ちょっと昔話から始まるんだけどさ」

幼「その話し、10秒で終わる?」

男「10秒では終わらないな」

幼「なら今は聞きたくありません!」

男「でも、俺は今、聞いて欲しいんだよ」

幼「…」




26 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:39:15 ID:4wEES6QA

男「幼稚園の頃さ」

男「天文台で一緒に星を見ただろ?」

幼「この島は星が良く見えるからね」

男「カノープスの事、覚えてるか?」

幼「…」

男「シリウスの事は?」

幼「…冬の大三角って綺麗だよねぇ」




27 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:39:39 ID:4wEES6QA

男「その時、流れ星を見ながら」

男「約束した事は覚えてるか?」

幼「…男ちゃんは」

幼「星の事を研究する学者さんになるんだよね」

男「やっぱり、覚えてたんだな」

幼「忘れる訳ないでしょ、ずっと覚えてたよ」

男「だったら、やっぱり今、言わせてくれ」

幼「…」




28 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:40:19 ID:4wEES6QA

男「俺、色々ちゃんとする!」

男「だから、帰って来たら…」

男「俺と付き合って下さい!」

幼「そ、そんなの…今は答えられません!」

男「…俺の事、嫌いか?」

幼「そ、そんな事を気にしてる場合じゃないでしょ!」




29 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:40:59 ID:4wEES6QA

幼「男は、やりたい仕事があるんでしょ?」

幼「その為に東京の大学に行くんでしょ?」

男「そ、そうだけど…」

幼「なら、一生懸命勉強して!」

幼「夢を叶えて来てよ!」

男「…」




30 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:41:24 ID:4wEES6QA

幼「に、日本でも一番の最高学府に通うんだからさ!」

幼「恋とかそんな事に、うつつを抜かす暇はないよね!」

男「そんなつもりは一切ねーよ」

幼「私、この島で待ってるから」

幼「男がなりたい自分になって、帰って来るのを!」

幼「あの星を見ながら、待ってるから!」

男「幼…」




31 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:41:49 ID:4wEES6QA

幼「だから、頑張って来て!」

幼「さっきの返事は…帰って来た時にするから!」

幼「だから、今の私が言うべきなのは」

幼「付き合うとかそんな言葉じゃなくて」

幼「行ってらっしゃい…だよ、男」

男「解った…」




32 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:42:15 ID:4wEES6QA




4年後

男「おまたせ」

幼「うん」




33 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:42:43 ID:4wEES6QA

幼「おかえりなさい、男」

幼「本当に、随分待たされたよ」

幼「4年間、一度も里帰りしないってどう言う事よ」

男「それは…必死に勉強してたんだよ」

幼「わ、私もね!頑張ってたんだよ?」

幼「料理以外の家事もちゃんと出来る様になったよ!」

男「うん」

幼「だから…だからね…」




34 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:43:11 ID:4wEES6QA

男「幼、ちょっと聞いてくれ」

男「俺は約束通り、この島に帰ってきた」

男「就職もちゃんと希望してた天文台に決まった」

男「俺、色々ちゃんとした」

幼「うん、頑張ったよね」

男「だから幼さん」

男「俺と…結婚して下さいっ」

幼「…うん…うん!」




35 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:43:32 ID:4wEES6QA

男「幼…」
ぎゅっ

幼「男、ここ空港だよ?皆が見てるよ…」

男「…構わないから、少しだけ、こうさせてくれ」

幼「うん」
ぎゅうっ

幼「これからはずっと一緒だよ?」

男「あぁ、約束する、ずっと一緒だ」




36 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:43:58 ID:4wEES6QA

男「幼…」
ぎゅっ

幼「男、ここ空港だよ?皆が見てるよ…」

男「…構わないから、少しだけ、こうさせてくれ」

幼「うん」
ぎゅうっ

幼「これからはずっと一緒だよ?」

男「あぁ、約束する、ずっと一緒だ」




37 : ◆L0dG93FE2w 2013/01/19(土) 08:44:20 ID:4wEES6QA

男「星の光みたいに」

男「ずっと昔から、ずっと先の未来まで」

男「俺はずっとお前の傍に居る」

幼「うん」

男「大好きだ、幼」

幼「うんっ!私もだよ、男っ!」


ちゅっ



おわり




39 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/01/19(土) 08:56:32 ID:H2NbLmqQ






引用元
幼馴染「おまたせ」 男「おう」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1358551502/
[ 2013/01/19 09:20 ] 幼馴染SS | TB(0) | CM(3)
名無しさん
もはやここまで王道なのも絶滅危惧種だなw
良かったぜい
2013年01月19日 11時18分
名無しさん
展開はベタだけど幼馴染SSって
こんな感じが良いと思う
2013年01月19日 14時01分
ssメグリ
素晴らしいです

テンプレっぽいのは最近少ないですし・・・
2013年02月03日 17時24分
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