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王子「見えないです!」

2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:24:24.99 ID:jePjg/Eto

魔王「ふぅ、今日もいい天気だ」

王子「見えないです!」

魔王「そりゃそんな皮袋を被ってちゃ見えないだろう」

王子「これをはずしてもらえないですか?」

魔王「えっ? なんで?」

王子「見えないので」

魔王「いやだ」

王子「でも、ここに連れてこられてもう一週間が経とうとしてるんですけど……」

魔王「そうだな。ここの生活は楽しいか?」

王子「いやいや、こんな状況じゃ無理です」

魔王「でも昨日も楽しそうにしてたじゃん?」

王子「そんなことはないです!」

魔王「そうかなぁ?」

王子「そうなんです! だからこれはずしてください」

魔王「いやだ」

王子「何故ですか?」

魔王「だって、醜いものみたくないし」

王子「醜いもの?」

魔王「お前ってすっげぇぶっさいくなんだろ?」

王子「うっ!」

魔王「だからこのままで」

王子「ひどいっ!」

魔王「がんばれ!」



引用元
王子「見えないです!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320679359/
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:35:26.99 ID:jePjg/Eto

魔王「ポチ!」

王子「だから僕はポチという名前ではないです」

魔王「そうなの?」

王子「最初から言ってるじゃないですか」

魔王「そうか。それよりポチ、餌の時間だぞ」

王子「せめてご飯の時間と言ってください!」

魔王「なんで?」

王子「なんでって、餌は嫌ですよ!」

魔王「?」

王子「そんな純真無垢な感じを出しても駄目です!」

魔王「お前、実は見えてるな?」

王子「見えないです!」

魔王「そうカッカするなって」

王子「無理です!」

魔王「さてここに用意してあるのは」

王子「無視ですか!?」

魔王「ハンバーグだ!」

王子「いただきます」

魔王「はえぇよ!」

王子「はやく食べさせてください!」ワクワク



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:38:13.10 ID:jePjg/Eto

王子「いつになったらこの皮袋をとってくれるのですか?」

魔王「さあ?」

王子「これって見た目以上に大変なんですよ!」

魔王「見た目って自分の見た目わかるのか?」

王子「わかりませんよ!」

魔王「まあ落ち着けって。それよりも皮袋以外は何も拘束とかしてないんだから自分で取ればいいじゃん」

王子「……えっ?」

魔王「もしかして気づいてなかったのか?」

王子「そ、そんなことないです! 取っていいんだったら今から取ります!」グッ

魔王「でも魔法で取れないようにしてあるから無理だぞ?」

王子「……」

魔王「がんばれ!」



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:39:49.81 ID:jePjg/Eto

王子「何故僕を攫ったのですか?」

魔王「なんとなく?」

王子「なんとなく? って何かあるでしょう?」

魔王「さあ?」

王子「さあ? って自分のことじゃないですか!」

魔王「だってなんとなくだもん。でも失敗したかなぁとは思うけどな」

王子「失敗?」

魔王「ああ。本当はかわいい幼女を攫うつもりだったし」

王子「変態ですか!?」

魔王「違う! かわいい幼女は存在するだけで癒しを与えるのだよ」

王子「やっぱり変態でした! しかも手遅れです!」

魔王「ポチは失礼なやつだな」

王子「はっ!? もしやこの皮袋もそういう趣味で」

魔王「ちがーう!」

王子「見えないからといって僕の目の前を素っ裸でうろうろしているんだ! この変態め!」

魔王「そんなことするかぁ!」

王子「寝ている時だって何かしているんだ」ブルブル

魔王「しねぇーよ! 目ぇ覚ませ、こら!」ゴツン

王子「あいたっ! 何するんですか!?」

魔王「なんとなくだ」

王子「理不尽です」

魔王「がんばれ!」

王子「あなたに言われたくないです!」



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:41:17.12 ID:jePjg/Eto

魔王「今日は大人しいな」

王子「勇者が来るのを待っているのです」

魔王「勇者かぁ」

王子「いくら魔王と言っても勇者には敵いませんよ!」

魔王「そうなのか?」

王子「当たり前でしょう! でも勇者はなかなか来ないんですよね」

魔王「そんなことないぞ? 昨日だって来てたし」

王子「えっ? どういうことですか?」

魔王「勇者がお前を取り戻そうと頑張ってたぞ」

王子「本当ですか!? それで勇者は?」

魔王「すっごく弱いから適当にあしらって帰ってもらった」

王子「うわーん」

魔王「こら、泣くな!」



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:41:57.78 ID:jePjg/Eto

魔王「そう言えばお前って何歳なんだ?」

王子「ぐすっ」

魔王「まだ泣いてるのかよ。いい加減鬱陶しいぞ」

王子「だって勇者が負けるなんて」

魔王「弱いんだから仕方ないだろ?」

王子「うえーん!」

魔王「これっ! いい年していつまで泣いてるの!?」

王子「……どうして母親口調なんですか!?」

魔王「なんとなくだ」

王子「うえーん!」

魔王「鬱陶しい」



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:42:51.50 ID:jePjg/Eto

王子「あなたは本当に魔王なんですか?」

魔王「そうだぞ」

王子「ニートとかじゃなくてですか?」

魔王「当たり前だろ。今日だって朝はやくから仕事してたんだぞ」

王子「そうなんですか? どんな仕事をしてたんですか?」

魔王「勇者を追い返してきた」

王子「うえーん」

魔王「ええい! 泣くな! それにしても勇者も失礼な奴だな」

王子「ぐすっ、どういうことですか?」

魔王「今まで結構な数の勇者が来たが、誰もインターホン鳴らして入って来ないんだぞ」プンプン

王子「そんなのあるんですか?」

魔王「当たり前だろ!」

王子「違うと思いますよ?」

魔王「お前今日は晩飯抜きな」

王子「うえーん」



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:43:30.76 ID:jePjg/Eto

魔王「それでお前何歳なんだ?」

王子「ぐすっ、18歳です」

魔王「はぁ!?」

王子「な、なんですか?」

魔王「……お前10歳とかじゃないのか?」

王子「こんなに大きい10歳がいるわけないでしょう?」

魔王「確かに180センチくらいありそうだもんな」

王子「昨日計ったら伸びてて183センチでしたよ」

魔王「いつの間に計ったんだよ……」



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:43:59.94 ID:jePjg/Eto

魔王「お前ってキャラ的には幼い感じだよな」

王子「そうですか?」テレテレ

魔王「照れるな、気色悪い」

王子「ひどいっ!」

魔王「そんなキャラなのに背は高くてそこそこ引き締まった身体とか……なおのこと気色悪いな」

王子「うえーん」



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:44:37.88 ID:jePjg/Eto

魔王「おい! ポチ!」

王子「なんですか?」

魔王「暇だから散歩に行くぞ」

王子「皮袋被っているので歩きにくいから遠慮させてもらいます」

魔王「だから面白いんじゃないか!」

王子「ひどい! 絶対に行きませんからね!」

魔王「ったく、つまんねーな」

王子「あっ、ちょっとトイレ行ってきます」スタスタ

魔王「……本当に見えないのか?」

王子「見えないです!」スタスタ



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:45:29.63 ID:jePjg/Eto

魔王「ポチ、餌だぞ」

王子「ご飯と言ってください!」

魔王「今日はカレーだ」

王子「わぁーい!」

魔王「……お前本当に18歳か?」



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:46:50.20 ID:jePjg/Eto

ドーン
ドドーン

王子「わぁ! 花火だ」

魔王「今日は祭りだからな」

王子「すごーい!」

魔王「本当に18歳か? 8歳じゃないのか?」

王子「18歳ですよ!」

魔王「怪しいなぁ」

ドーン
ドドドーン

王子「うわぁ、すごく綺麗だなぁ」

魔王「お前やっぱり見えてるんだろ?」

王子「見えないです!」

魔王「怪しいなぁ」



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:47:51.38 ID:jePjg/Eto

魔王「楽しい餌の時間だぞ」

王子「今日のメニューはなんですか?」

魔王「グラタンだ」

王子「やったー! 僕グラタン大好き! いただきまーす」グイッ

パクパクモグモグムシャムシャゴクゴク

魔王「餌の時は皮袋を口のところだけ脱げるようにしてるが、見えないはずなのに普通に食べるよな」

王子「これって結構難しいんですよ」

魔王「本当は見えるんだろ?」

王子「見えないです!」

魔王「それにしても惜しいよな」

王子「何がですか?」

魔王「口元だけだとかなり男前っぽいのにな」

王子「うっ!」ゲホゲホ



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:49:30.43 ID:jePjg/Eto

魔王「お前って強いのか?」

王子「へっ? 急にどうしたのですか?」

魔王「いや、結構いい体してるからどうなんだろうと思ってな」

王子「えっ!?」

魔王「ん? そんなに驚いてどうしたんだ?」

王子「ぼ、僕のことをそんな目で見てたのですか!?」

魔王「はぁ!?」

王子「不潔ですー!!」

魔王「意味がわからん!」

王子「も、もしかして今も僕の体をジロジロと見てるんじゃないですか!?」イヤン

魔王「……そんなわけあるかぁ!!」

王子「はっ!ま、まさか……いや、そんなはずが……」

魔王「どうした?」

王子「……こっそり写真に撮るなんて」ウルウル

魔王「そんなもん撮るか!!」

王子「それで毎晩ニヤニヤしてるんだ! 絶対そうだ!!」

魔王「あほかぁ!」

王子「さらに、な、舐めまわしたりなんかしちゃったり……不潔ですーー!」

魔王「……うぜぇ」

王子「で、でも、僕は魔王さんを信じてますから!」

魔王「おっ?」

王子「魔王さんは幼女にしか興味がないって信じてますよ!」

魔王「……マジうぜぇ」



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:50:48.50 ID:jePjg/Eto

魔王「暇だ」

王子「それでは何かゲームでもしますか?」

魔王「ゲームだと?」

王子「はい、僕たちの国で流行ってたのですが、ポーカーなんてどうですか?」

魔王「ポーカーか。最近やってなかったし暇潰しにはいいか」

王子「決まりですね。とりあえずクローズド・ポーカーのファイブカード・ドローでいいですよね。まず僕がディーラーをやりますね。」サッサッサッ

魔王「……」

王子「賭けるものがないので、とりあえずお試しということでいいですよね」サッサッ

魔王「……」

王子「ベッディングがないというのも新鮮ですね。あ~、微妙な手だなぁ」サッサッ

魔王「……」サッサッサッ

王子「さて、ベッディング・インターバルがないのでフォルドはありえないですから純粋な勝負になりますね」

魔王「……」

王子「僕はトリプルセブンズでした」パサッ

魔王「フォー・オブ・ア・カインドだ」パサッ

王子「うわー、すごいですねー。僕の負けですね」

魔王「……お前、やっぱり見えてるだろ?」

王子「見えないです!」



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:51:53.01 ID:jePjg/Eto

魔王「暇だ」

王子「それなら」

魔王「ポーカーはもうやらんぞ」

王子「えー!? どうしてですか?」

魔王「お前とやるとツマラン。というかちょっと熟れてる感じがムカつく」

王子「えー、ひどいです!」

魔王「他に何かないのか?」

王子「ん~、それではWiiでもしますか?」

魔王「……却下」

王子「えー!? どうしてですか? あれ楽しいですよ!」

魔王「そもそもWiiなんてないぞ」

王子「ありますよ? 僕昨日もしてましたし」

魔王「そうか……お前やっぱり」

王子「見えないです!」



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:53:34.74 ID:jePjg/Eto

魔王「おい、ポチ!」

王子「なんですか?」

魔王「今日でお前がここに来て一ヶ月が経つな」

王子「そうですね」

魔王「そんなお前にプレゼントだ」

王子「これは……チョーカーですか? いいのですか?」

魔王「ああ」

王子「ありがとうございます!」

魔王「さっそくつけてみるといい」

王子「はい! んしょっと。どうですか?」

魔王「うむ、似合うぞ」

王子「えへへへ」

魔王「それじゃ、それにこれをつけて」カチャッ

王子「これって……リードですか?」

魔王「そうだ。それじゃあ散歩に行くとするか」

王子「ちょっとまってくださ、いたたっ! そんなに強く引っ張らないでくださいよ!」

魔王「ほら、さっさと歩け」グイッ

王子「あっ……いたっ……あん……そ、そんなに強くしないで……ください」

魔王「……気色悪い」

王子「ひどい!」



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 00:55:21.38 ID:jePjg/Eto

魔王「お前酒は飲めるのか?」

王子「当たり前じゃないですか」

魔王「でも未成年だろ?」

王子「あっ! で、でもちょっとくらいならいいじゃないですか」

魔王「……そうか。まあ飲み相手がいないから、お前も飲め」

王子「わぁーい!」

魔王「よし、飲め!」グイ

王子「がぼっ……ちょっ……待って……」ゴクゴク

魔王「ほぉ~ら、ポチの好きな酒だぞ~」グイグイ

王子「ちょっ……がぼっ……やめてく……」ゴクゴク

~一時間後~

王子「あいつら好き勝手言い過ぎなんだよなぁ」グチグチ

魔王「……」

王子「宰相のやつはすっげぇ媚びてきて鬱陶しいし」グチグチ

魔王「……」

王子「魔王さんもそう思うだろ? それにしても」グチグチ

魔王「愚痴っぽくなった上に絡み酒とは思わなかった」

王子「ちゃんと聞いてる? 僕のことは」グチグチ

魔王「……失敗した」



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:09:57.36 ID:jePjg/Eto

魔王「ポチ!」

王子「どうかしましたか?」

魔王「映画を見るぞ!」

王子「映画ですか!? 恋愛ものですか?」

魔王「どうしてそこでラブストーリーなんだ?」

王子「男と女の人生が交差する時、危機的状況においてお互いの存在を意識し合って、そして濃厚なラブシーンへと突入するんです!」フフンッ

魔王「……知らんがな」

王子「それでどんなやつなんですか!?」

魔王「ホラーだ!」ドン

王子「おやすみなさい」

魔王「おいっ!」



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:12:33.30 ID:jePjg/Eto

王子「魔王さん、やめましょうよ」ビクビク

魔王「いいや、絶対やめない」ピッ

王子「あうっ! 始めちゃった」ドキドキ

ドロドロドロ
しむらー、うしろー!

王子「ひゃぅっ!」ビクッ

魔王「……」

王子「ひぃぃ」ドキッ

魔王「……」

王子「ひゃぁー」ビクビク

魔王「……」

王子「……」ドキドキ

魔王「……お前、見えてるだろ?」

王子「うひゃぁ!」ビクッ

魔王「うおっ!?」ビクッ

王子「ままままま魔王さん! お、おど、おど、おどろかさないでくださいよぅ!」ウルウル

魔王「こっちが驚いたわ!!」

王子「それと見えないです!」

くーるー、きっとくるー

王子「うひょー! い、いいいいい井戸の中から女の人がーーーー」ギュッ

魔王「……見えてるじゃん」

王子「み、見えないですぅ」ウルウル

魔王「それとのびるから服を掴むな」

王子「無理ですぅ」ヒィ



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:16:33.86 ID:jePjg/Eto

魔王「ポチは好きな人とかいないのか?」

王子「ん~、考えたことなかったですね」

魔王「ガキだな」フッ

王子「ひどい! そういう魔王さんはどうなんですか?」

魔王「……秘密だ」

王子「え~、教えてくださいよ」

魔王「うるさい!」

王子「ひどい!」



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:18:49.19 ID:jePjg/Eto

王子「魔王さんって友達いないんですか?」

魔王「は、はぁ?」

王子「いないんですね」ニヤリ

魔王「そそそそそんなことないぞ!」アタフタ

王子「図星ですね?」ニヤニヤ

魔王「ま、魔王に友達なんて必要ない!」

王子「あっ! 開き直った!」

魔王「……お前こそ友達いないんじゃないか?」

王子「はぁ!? 意味わかんねぇし! 頭おかしいんじゃねぇの?」

魔王「……」

王子「……」

魔王「口調変わりすぎだろ」

王子「すみません」

魔王「なんにせよ友達がいないってことだな」ニヤニヤ

王子「お、王子に友達なんていらないんです!」

魔王「うわっ! 開き直りやがった」

王子「べ、別に開き直ってません!」

魔王「強がっちゃって……友達いないのに」ニヤニヤ

王子「むきー! その顔やめてください!」

魔王「……見えるのか?」

王子「見えないけど、なんとなくです!」



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:21:13.25 ID:jePjg/Eto

魔王「お前が欲しがってたゲームを買ってきてやったぞ!」

王子「本当ですか!?」

魔王「ああ。これだろ?」

王子「そうです、これ前から欲しかったんですよ」

魔王「好きなだけやるといい」

王子「ありがとうございます」

~三時間後~

王子「魔王さん!」

魔王「どうした?」

王子「あのゲーム、中身がエロゲじゃないですか!」

魔王「面白かったか?」

王子「やってませんよ!」

魔王「だが時間的にどうなんだ?」

王子「そ、それはショックで固まってたんです!」

魔王「そうだったのか……そういえばあのエロゲって妹モノだったよな」

王子「違いますよ、姉モノですよ」

魔王「やったんだな」

王子「やってないです! タイトルでわかったんです!」

魔王「ちゃんと片付けはしておいたか?」

王子「そんなことしてないです!」

魔王「……お前画面見えるのか?」

王子「見えないです!」

魔王「茶髪の娘がかわいいよな?」

王子「僕は黒髪の娘の方が」

魔王「やってるし、見えてるな?」

王子「やったけど、見えないです!」



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:24:02.27 ID:jePjg/Eto

王子「魔王さんってどんな顔してるんですか?」

魔王「いきなりどうした?」

王子「いえ、見えないので、どういう人なのかなぁと思っただけなんですけどね」

魔王「別にどうでもいいだろ」

王子「え~、ちょっと気になります!」

魔王「気にするな」

王子「ちょっとくらいいいじゃないですか」

魔王「だめだ」

王子「……そうか、魔王さんも醜い顔をし」

魔王「黙れ」ゴツン

王子「あいたっ!」



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:26:34.67 ID:jePjg/Eto

ピンポーン

王子「この音はなんですか?」

魔王「インターホンの音だ」

王子「ほ、本当にあったんですね」

魔王「このインターホンは勇者にしか見えないんだがな」

王子「それじゃあ勇者が僕を助けに来たんですね!」

魔王「……行ってくるか」スタスタ

王子「どこに行くんですか?」

魔王「勇者のおもてなしだ」

王子「いってらっしゃ~い」



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:29:41.11 ID:jePjg/Eto

勇者「あなたが魔王ですね?」

魔王「……」

勇者「沈黙は肯定と見なさせてもらいますね。それで我が国の王子はここにいますね?」

魔王「いない」

勇者「嘘ですね。次に王子は無事ですね?」

魔王「……ああ」

勇者「それはよかったです。それではお返し頂けますね?」

魔王「いやだ」

勇者「ん~困りましたね。それでは力ずくで奪い返すしかありませんね」

魔王「……」

勇者「あなたにも私の力がどれ程かわかりますよね? あのインターホンはある程度強くなくては押すことはできないし、見ることもできないですよね?」

魔王「そうだな」

勇者「つまり私は今までの勇者とは桁違いの強さということもお分かりですね?」

魔王「……」

勇者「それでは、素直に引き渡してください」

魔王「断る」

勇者「……」

魔王「……」



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:33:30.58 ID:jePjg/Eto

王子「魔王さん、大丈夫かな?」

王子「……どうして僕は魔王さんの心配をしてるのかな?」

王子「……」

王子「今回来た勇者はどんな人なのかな?」

王子「魔王さん……」

王子「もしかして僕は魔王さんのことが?」

王子「……」

王子「駄目だ! そんなこと絶対に……」

王子「それに僕は魔王さんに大きな嘘をついているし……」

王子「……」

王子「でも……魔王さん、死なないで」



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:37:36.58 ID:jePjg/Eto

ガチャッ

王子「まお……うさん?」

勇者「私は勇者ですよ。あなたは王子ですね?」

王子「えっ?」

勇者「そのような皮袋までつけられて可哀相に」

王子「……」

勇者「それでは国に帰りましょう」

王子「魔王さん、何をしてるのですか?」

勇者「魔王は私が倒しましたよ」

王子「魔王さん……バレバレです」

勇者「な、何を言ってるのですか?」

王子「魔王さん!」

勇者「ちっ! おもしろくねぇな。なんでこんな簡単にバレるかなぁ」

王子「やっぱり魔王さんですよね?」

勇者じゃなくて魔王「そうだ。なんでわかった? 実は見えてるんだろ?」

王子「見えないです!」



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:42:27.44 ID:jePjg/Eto

王子「勇者はどうなったのですか?」

魔王「今回も適当にあしらって帰ってもらった」

王子「……魔王さん、怪我してるんじゃないですか?」

魔王「してねぇよ」

王子「嘘ですね。体中傷だらけで骨折もしています。それに……左腕がないです」

魔王「やっぱり見えるんじゃねぇかよ」

王子「見えないです!」

魔王「じゃあなんでわかるんだよ!」

王子「魔王さんのことだからです」

魔王「お前……流石は飼い主に従順なポチだな」

王子「そうですね。ポチはご主人様が大好きなんですよ」

魔王「……」

王子「でもポチは隠し事をしているんです」

魔王「それはなんだ?」

王子「……」

魔王「ちっ! 言う気がないんだったら初めからそういうことを言うんじゃねぇよ!」

王子「ごめ……ごめん……ごめんなさい」ヒック

魔王「……泣いてるのか?」

王子「本当のことを言えば魔王さんは私のことを嫌いになっちゃいます。だから言えないんです」グスッ

魔王「………………お前は」

ドーン

王子「この音はなんですか!?」

魔王「ちっ! あの野郎!」



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:43:30.25 ID:jePjg/Eto

王子「魔王さんが行ってしまいました」

王子「もしかして今回の勇者はすごく強いのかな」

王子「でも魔王さんは強いから負けるはずがないのに」

王子「でも、もしかしたら……」



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:45:54.36 ID:jePjg/Eto

勇者「そろそろ観念してはどうですか?」

魔王「うっせぇよ!」

勇者「片腕を失い、さらに片足まで失ったというのに、口先だけはまだまだ元気のようですね」

魔王「ちっ!」

勇者「しかしそろそろ終わりにしましょう」

ピカッ

魔王「……あ~あ、これが魔王の最期かよ。やってらんねぇ」

ドォォーン



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:48:47.38 ID:jePjg/Eto

勇者「魔王が弱かったのか、私が強すぎたのか。どちらでもいいですね。魔王さん、おやすみなさい」

パラパラ

勇者「? どういうことですか? あなたは一体」

魔王「……ん? 死んでない? って、お前!!」

王子「あっ、大丈夫でしたか?」

魔王「なんでこんなとこにいるんだよ!?」

王子「ちょっと心配になって来てみたらやられそうだったので、つい助けてしまいました」

魔王「ついって……お前、背中が!」

王子「あの勇者は強いですね」

魔王「そうじゃねぇよ! 背中が焼け爛れてるじゃねぇかよ!」

王子「魔王さんの怪我に比べればどうということはないですよ」

魔王「……やっぱり見えるんじゃねぇかよ」

王子「見えないです!」



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:51:17.07 ID:jePjg/Eto

勇者「皮袋を被っているので確認させてもらいますが、あなたは王子ですか?」

王子「そうです」

勇者「探す手間が省けてよかったです。それでは私と一緒に城まで帰ってくれますね?」

王子「嫌です」

勇者「……どういうことですか?」

王子「城に戻り王に伝えてもらいたいことがあります」

勇者「どういった内容でしょうか?」

王子「一ヵ月後に結婚相手とともに戻ります。そう伝えておいてください」

勇者「……畏まりました」

王子「お願いします」



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:55:36.63 ID:jePjg/Eto

ピカー

王子「……」

魔王「ポチは治癒魔法が使えたのか」

王子「はい」

魔王「……」

王子「……」

魔王「ポチに結婚相手とかいたんだな」

王子「正確には僕が今この世で最も愛しているというだけで、結婚が決まってるわけではないですけど」

魔王「つまり好きな奴がいるってことか?」

王子「はい」

魔王「そうか」

王子「あのっ! 僕は」

魔王「さっきの衝撃で皮袋が破れそうだな」

王子「魔王さん!」

魔王「もう素手でも破くことができるから、さっさと城に帰りな」

王子「魔王さん、僕の話を聞いてください!」

魔王「……」



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 21:59:46.08 ID:jePjg/Eto

王子「僕は魔王さんを騙していました」

魔王「……」

王子「実は、僕は……」

魔王「……」

王子「本当は20歳なんです!」

魔王「………………はっ?」

王子「それを偽って僕は18歳だなんて……ごめんなさい!」

魔王「あははははははは! お前バカだろ!」

王子「えっ?」

魔王「そんなこと初めから知ってたっての。お前がいきなり18歳って言いだした時は驚いたぞ」

王子「知ってたのですか?」

魔王「おう」

王子「はずかしーーーーー!」



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/08(火) 22:03:45.15 ID:jePjg/Eto

魔王「さて話も終わったし、あとはお前の好きにしろ」

王子「えっ?」

魔王「だから、城に戻るなり好きにしろってことだ」

王子「わかりました」スタスタ

魔王「……」

王子「好きにさせてもらいます」

パサッ

魔王「皮袋を……」

王子「魔王さん、僕と一緒に城へ来てください」

魔王「えっ?」

王子「そして僕と結婚してください」

魔王「そ、そんなことできるはずが……」

王子「……」クルッ

魔王「あっ……」

王子「僕のお嫁さんになってください、麗しき魔王様」ニコッ

魔王「…………バカ」



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:05:13.23 ID:umsBRQBoo

魔王「いつから私が女って気づいてたんだ?」

王子「最初からですよ?」

魔王「マジで?」

王子「マジです。声色を魔法で変えていたんですよね?」

魔王「うわっ! 本当にバレバレだ」

王子「魔王さんは演技が下手なんですよ」

魔王「そう言いながら本当は見えてたんだろ?」

王子「見えないです!」



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:11:07.64 ID:umsBRQBoo

王子「聞きたいことがあるんですが、いいですか?」

魔王「なんだ?」

王子「どうして僕を攫ったのですか?」

魔王「なんとなくだ。って言いたいところだけど、本当は違うんだ」

王子「それじゃあ一体何故ですか?」

魔王「それはだな……その……ほら、あれだよ」

王子「?」

魔王「だからあれだよ!あれ!」

王子「どれですか?」

魔王「あの~その~え~っと……」

王子「?」

魔王「ほ、惚れてたんだよ!」カァー

王子「えっ?」

魔王「昔一度会ったことがあって、それで自分のものにしたかったんだよ!」

王子「えっ?」

魔王「その顔やめれ!」

王子「えっ?」ニヤニヤ

魔王「それもやめろぉ!!!」ムキー



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:13:45.09 ID:umsBRQBoo

王子「どうして僕に皮袋を被せてたのですか?」

魔王「ほ…の……に…………」ボソボソ

王子「なんて言いました?」

魔王「ほ、他のヤツラに見せたくなかっただけだ!」

王子「……」キョトン

魔王「……」カァー

王子「独占欲の強い人ですね」ニヤッ

魔王「●※□#▲~~~!!」アタフタ

王子「あはは」

魔王「……くすっ」



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:17:00.83 ID:umsBRQBoo

魔王「それにしても男前だよなぁ」

王子「そ、そんなこと言わないでくださいよ!」

魔王「別に減るもんじゃないからいいじゃねぇか」

王子「……魔王さんも綺麗ですよ」

魔王「お、おまっ!」

王子「驚いた顔も可愛いですよ」

魔王「お前なぁ」

王子「別に減るもんじゃないからいいですよね?」

魔王「……ここに来た頃の可愛さはどこに行ったんだ?」

王子「魔王さんの影響ですよ」ニコッ



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:20:45.47 ID:umsBRQBoo

王子「魔王さん、準備はいいですか?」

魔王「ああ、いつでもいいぞ」

王子「それじゃあ行きましょうか」

魔王「あ~緊張してきた」

王子「がんばってくださいね」

魔王「お前は人事だからいいよなぁ」

王子「それでも自分の親に婚約者を会わせるっていうのも緊張するんですよ?」

魔王「お前って緊張するとかそういうのとは無縁っぽいよな」

王子「それってしっかりしてるって意味ですか?」

魔王「いや、馬鹿っぽいってことだ」

王子「ひどい!」



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:24:28.92 ID:umsBRQBoo

王子「ただいま」

王「おかえり」

王妃「おかえりなさい」

王子「この人が僕の婚約者です」

魔王「お、おじゃまします」

王「いらっしゃい」

王妃「あらあら、綺麗な人ね」

王子「既にご存知だと思いますが、この人は魔王さんです」

王「王妃の方が綺麗だな」

王妃「あなたったら」

王子「何を言ってるんですか!? 魔王さんの方が綺麗ですよ!」

王「なんだとぉ!? 王妃だ!」

王子「魔王さんです!」

王妃「あらあら」

魔王「……この一家は本当に王族か?」



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:27:33.00 ID:umsBRQBoo

魔王「あれが王なのか?」

王子「そうですよ。威厳の欠片もないんですよ」

魔王「いい王だと思うぞ」

王子「ありがとうございます」

魔王「別に礼を言う必要もないだろ」

王子「そんなことないですよ」

魔王「そうか……そう言えば話は変わるが、お前今日誕生日らしいな」

王子「あれっ? 知ってたんですか?」

魔王「さっき王妃様から聞いた。というか何故黙ってた!? 言ってくれたらプレゼントの一つや二つ用意できたというのに」

王子「プレゼントなんて必要ないですよ。ここに来てくれただけで嬉しいですから」

魔王「き、気色悪い!」

王子「ひどい!」



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:31:34.39 ID:umsBRQBoo

魔王「でも何かプレゼントしたいな」

王子「もういいですってば」

魔王「ん~、そうだ! おい、ちょっとこっち来い」

王子「なんですか?」

魔王「いいものをやるからちょっと目を瞑れ」

王子「一体何をくれるんですか?」

魔王「……」

チュッ

王子「!?」

魔王「……」

王子「い、今のは?」

魔王「プ、プレゼントだ」カァー

王子「……」

魔王「……」

王子「……」フラッ

バタッ

魔王「あっ!!」



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:34:01.85 ID:umsBRQBoo

王子「ん……ううん……はっ!?」ガバッ

魔王「おっ? 起きたか?」

王子「え~と? 何してたんでしたっけ?」

魔王「忘れたのか?」

王子「……覚えてます」

魔王「よかったぁ」ニコッ

王子「あっ」ドキッ

魔王「折角のプレゼントを忘れられちゃ困るっての」

王子「そ、そうですね。ありがとうございます」ドキドキ

魔王「気にすんなって」

王子「いえ、本当にありがとうございます」

魔王「あははは。しつこい奴だなぁ」



54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:38:14.14 ID:umsBRQBoo

王子「そう言えば魔王としての仕事は大丈夫なのですか?」

魔王「ん? ああ、あれね。それは大丈夫だ。何かあれば携帯に連絡するよう言ってあるしな。あとパソコンは持ってきたから、スカイプで会議に参加したり、色々できるからな」

王子「そんなのでいいのですか?」

魔王「いいんだよ。基本的なことは秘書に任せてるし、副魔王もちゃんと動いてくれてるからな。というか元々私にはそんなに仕事を回してくれなかったからな」

王子「へぇ、そうなんですか」

魔王「そっ。だから今回のこの話もみんな自分のことの様に喜んでくれたよ」

王子「慕われてるんですね」

魔王「そういう器じゃないんだがな。まあ嬉しかったかな」

王子「ふふ」

魔王「なんだよ、気持ち悪いな」

王子「ひどい!」

魔王「うるさい」

王子「うえ~ん」

魔王「……本当に21歳になったのか?」



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:42:33.53 ID:umsBRQBoo

あはは
やだー

魔王「ん? なんだか騒がしいな。ん? あそこにいるのは……」

王子「そんなことないですよ」

メイド「王子様ってば! う・そ・つ・き」ツンツン

あはは
うふふ

魔王「……なんだ、ポチとメイドか」

うふふ
おほほ

魔王「……」

王子「あっ! 魔王さん!」

魔王「……」ゴゴゴ

王子「ま、魔王さん?」

メイド「……そ、それでは私は仕事がありますので、失礼します」スタコラサッサ

魔王「……」ゴゴゴ

王子「えーっと……」

魔王「……うわきものー!」パーンチ

王子「ぶへらっ!」

魔王「うったえてやるーー!」ダダッ

王子「えーーー!?」



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:47:41.81 ID:umsBRQBoo

王子「ちょっと待ってください!」ダダッ

魔王「うるさいっ! こっち来るな!」ダダッ

王子「まてーーー!」ダダダッ

魔王「くっ!」ダダッ

王子「このーーー!」ダダダッ

魔王「……うふふ、つかまえてごらん!」タタッ

王子「!? ……まてまてーーー!」ダダダダダダダダッ

魔王「はやっ!」ダダッ

ガシッ!

王子「はぁはぁ……捕まえましたよ」

魔王「ふ~んだっ!」ツーン

王子「やれやれ……僕が追いかけるのは魔王さんだけですよ」ギュッ

魔王「む~、それはずるいぞ」ギュゥ

王子「勝手に勘違いした罰です」

魔王「これが罰ならもっと勘違いしないとな」

王子「勘違いしてなくても抱きしめますから」

魔王「約束だぞっ!」

王子「はいっ」



57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:50:33.80 ID:umsBRQBoo

王妃「まおーちゃん」

魔王「お、王妃様。こんにちは」

王妃「あらあら、そんなに畏まることはないわよ」

魔王「しかし」

王妃「それにまおーちゃんは魔王様なんだから私よりも偉い立場でしょ。だから気にしなくていいわよ」

魔王「はぁ」

王妃「それじゃ、またね」

魔王「はっ?」

スタスタ

魔王「な、なんだったんだ?」



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:53:27.79 ID:umsBRQBoo

王「おー、まおーちゃんじゃん。やっほー」

魔王「こ、こんにちは」

王「おうおう、何畏まっちゃってんだよ~」

魔王「いえ、別に畏まってるというわけでは」

王「まおーちゃんは魔王様なんだから儂と対等な立場にいるんだろ? だから気にすんなよ。ってか、儂が気にしたくないんだよな~」

魔王「そ、そうですか」

王「わかればよろしい。それじゃあ、またな」

魔王「えっ?」

スタスタ

魔王「この夫婦は一体……」



59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 21:57:49.24 ID:umsBRQBoo

魔王「あと数日だな」

王子「そうですね、楽しみですね」

魔王「別にやらなくていいと思うんだがな」

王子「そうですか? 僕はやってみたかったんですよね」

魔王「でも色々と面倒だな」

王子「そんなことないですよ! 楽しいじゃないですか!」

魔王「なんだか、お前の方が女らしいぞ」

王子「そんなことないですよ! 悔しいじゃないですか!」

魔王「語呂を合わせるな。それにしても何がいいのかねぇ、結婚式なんて」

王子「楽しみです!」ルンルン

魔王「気色悪い」

王子「ひどい!」



60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 22:02:31.10 ID:umsBRQBoo

王子「やっと籍が入れられましたね」

魔王「そうだな」

王子「それにしても誰も反対しなかったですね」

魔王「しかも、私がお前を攫ったのはかけおちってことになってたしな」

王子「あれには僕も驚きました」

魔王「さらに、かけおちのところに何人もの勇者を送り込んですまなかったとか謝られたし」

王子「謝る必要はないんですけどね」

魔王「本当はこっちが謝らないといけないのにな」

王子「まあ、いいんじゃないですか」

魔王「そうか?」

王子「はい」

魔王「しかしこれからが大変だぞ」

王子「そうですね、色々と問題は残ってますからね」

魔王「いやそうじゃなくて、駄目亭主なら即離婚だからな!」

王子「そういうことですか。善処します」ギュッ

魔王「がんばれ」ギュゥ

王子「あはは。任せてください」

魔王「ふふっ」



61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 22:04:54.11 ID:umsBRQBoo

ぴるぴる~♪

王子「魔王さん、携帯が鳴ってますよ」

魔王「おう、ちょっと取ってくれ」

王子「はい、どうぞ」

魔王「さんきゅ。Hello……お前か……どうした?……なんだって!?……なっ!?……わかった、すぐ行く!」ピッ

王子「魔王さん? どうかしたんですか?」

魔王「秘書からの連絡だったんだが、今魔王城が攻められてるとのことだ。しかも相手はかなりの強敵のようだ」

王子「えっ!? どうして今になって!?」

魔王「わからん。とにかく私は今すぐ魔王城に戻る。多分結婚式の日までに戻って来られないと思う。すまん」

王子「待ってください!」

魔王「わがままだということは重々承知しているが、私は何があってもあそこに戻らなきゃいけない。本当にすまない」

王子「そうじゃなくて、僕も一緒に行きますよ」

魔王「はっ? 何を言ってるんだ!?」

王子「だって、僕達はもう夫婦ですよ? 夫婦は一緒にいなきゃいけないですから」

魔王「そうは言っても……はぁ~、どうせ説得なんかできないんだろうな」

王子「当然です」

魔王「ほんと、お前って変なところで頑固だよな」

王子「変なところじゃないですよ。魔王さんのことに関してだけですよ」ニコッ

魔王「くさっ! 気色悪いっ!」

王子「ひどい!」

魔王「それじゃさっさと行くぞ」

王子「はい!」



62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 22:07:33.14 ID:umsBRQBoo

ドゴーン
キャー

魔王「こ、これは」

王子「ひどいです!」

秘書「魔王様!」

魔王「秘書か! これはどういうことだ!?」

秘書「実は勇者が攻めてきまして……」

魔王「なっ!?」

王子「それはどういうことですか!?」

秘書「王子様!? どうしてこちらへ!?」

王子「そんなことはどうでもいいんです。勇者が攻めて来たというのは本当ですか?」

秘書「は、はい」

魔王「被害状況は?」

秘書「全員魔王様の部屋へ避難させてあります。現在の被害としては数十名の怪我人のみです」

魔王「そうか」ザッ

秘書「魔王様! どちらへ!?」

魔王「悪い子の教育」

王子「待ってください! 僕も行きます!」

魔王「お前は来るな!」

王子「どうしてですか!?」

魔王「勇者はお前たちの仲間だろう? だから来るな。それよりも怪我人の手当てをしておいてくれ」

王子「そ、そんな。でも魔王さんじゃあの勇者には」

魔王「関係ない! 私の大事な者達が怪我をさせられてるんだ。私が行かなくてどうする」

王子「それなら僕も」

魔王「ポチは大人しくご主人様の帰りを待っておけ」

王子「……わかりました。無事帰ってきてくださいね」

魔王「怪我人を頼んだぞ」ダダッ



63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/09(水) 22:10:01.31 ID:umsBRQBoo

魔王「勇者!」

勇者「やっと来てくれましたね」

魔王「貴様ここで何をしている!?」

勇者「何って貴女を待っていたのですよ」

魔王「何故だ!? 何故こんなことをして」

勇者「それは私が貴女を許せないからです」

魔王「どういうことだ?」

勇者「貴女は私の大事なものを奪いました」

魔王「大事なもの?」

勇者「貴女のせいであの人は穢れてしまいました」

魔王「貴様、もしや」

勇者「貴女のせいです! だから私は貴女をこの世から抹殺しなければなりません」

魔王「待て! 私は」

勇者「うるさい! 勝手に喋らないでください」

魔王「私の話を聞いてくれ!」

勇者「どうして私の言うとおりにできないのですか? もういいです、死んでください」

ドン

魔王「くっ! 私の話を聞けと言っているだろう!」

勇者「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!」

ドドドドドド



67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:12:43.64 ID:EuwSFDswo

ぴかー

王子「これでもう大丈夫です。他に怪我をされた方はいらっしゃらないですか?」

秘書「はい、これで全員です。ありがとうございます」

王子「いえ」

スッ

秘書「王子様? どちらへ行かれるのですか?」

王子「魔王さんのところへ」

秘書「し、しかし! 貴方は」

王子「僕は魔王さんの夫です。妻を守るのは夫の務めです」

秘書「王子様……」

王子「それでは行ってきます」

秘書「……お気をつけて」



68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:13:54.70 ID:EuwSFDswo

魔王「くっ!」

勇者「死ね!死ね!死ね!死ね!死ねぇ!!」

ドゴーン

パラパラ

魔王「はぁはぁ……ムカつくくらい強いな」

勇者「しぶといなぁ。これだから黴菌は嫌いだよ」

魔王「勇者! 貴様がやってることは間違ってる! 貴様は」

勇者「うるさい!」

ザシュ

魔王「ぐぅ!」

勇者「もう魔力も残ってないんでしょ? だから……さっさと死ね」

ズバッ!



69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:17:03.96 ID:EuwSFDswo

魔王「!!」

王子「くぅっ! 痛いなぁ」

魔王「ポチ! ど、どうしてここへ!?」

王子「ふぅ。何度も言いいますけど夫婦だからですよ」ニコッ

魔王「そ、そんなことは今はどうだっていいじゃないか!」

王子「そんなことってひどいです! どうでもよくないです! 僕は貴女がいないと辛いんですよ。わかってください」

魔王「ポチ……くさい!」

王子「ひどい!」



70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:20:01.18 ID:EuwSFDswo

勇者「な、なぜ助けた!?」

王子「勇者……何故って、僕の妻を傷つけないでほしいです」

勇者「つ、妻? ……お前は……お前は……」

王子「勇者?」

勇者「お前は偽者だ! 王子の名をかたる偽者だ!!偽者には死あるのみ!」

ドン

王子「なっ!? 何を考えて!?」

ドゴーン!

パラパラ

勇者「はぁはぁ……やった! やったぞ! 偽者を倒したぞ!」

王子「……簡単に殺してもらいたくないですね。貴女がその気でしたら……僕も本気を出しましょう」



71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:22:38.27 ID:EuwSFDswo

魔王「つ、強い。まさかこれほどまでとは……」

ドドーン

王子「勇者の力とはその程度ですか!?」

パッ

勇者「ぐぐっ」

ドドドドン

勇者「がぁ!!」

パラパラ

王子「もうこれで終わりですね」

魔王「余裕じゃん」



72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:26:16.25 ID:EuwSFDswo

バーン

勇者「はぁはぁ、まだです」

王子「勇者、もう止めましょう。このまま続けても貴女が傷つくだけです。それに僕だって女性を傷つけたくはありません」

勇者「……あなたが本物の王子だということは戦ってわかりました」

王子「勇者……」

勇者「あなたはあの女に操られてるだけです、私が救ってみせます」

王子「何を言っているんですか!? 僕は操られてなどいないです!」

勇者「私ではあなたには敵いません。だから……」

王子「っ!! 魔王さん! 逃げてください!!」

魔王「えっ? 何を言って」

ズブッ!



73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:30:18.33 ID:EuwSFDswo

魔王「えっ? か、影が伸びて……」ガフッ

勇者「これであの女は死ぬ。うふふふふふふふふふふふふ」ウフフ

王子「魔王さん!」ダダッ

魔王「ポ、ポチ、影が伸びて私の……ゴフッ」

王子「喋っては駄目です。すぐに回復を」

ぴかー

勇者「うふふ、無駄です。その攻撃は魔法では回復できないですよ。うふふふふふ」

魔王「ポチ、私は……」

王子「すぐ回復しますから! 大丈夫ですから! だから、喋らないでください!」

ぴかかー

魔王「だ、大丈夫だ。お前を残して死にはしない。だから待っていろ」

王子「魔王さん?」

魔王「待っていて……く……」ガクッ

王子「ま……おう……さん?」



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:35:30.98 ID:EuwSFDswo

王子「ほら、回復してきたでしょ! ねっ?」

ぴかー

王子「傷口も塞がってきました。これでもう大丈夫です」

ぴかー

王子「顔色もよくなってきましたね」

ぴかー

王子「元気になってきましたから、そろそろ僕たちの城に帰りましょう」

ぴかー

勇者「うふふ……ひゃひゃひゃひゃひゃ! これで、これで王子が帰ってくる!!」

バタン

秘書「魔王様!」

王子「秘書さん」

秘書「王子様、魔王様は無事ですか?」

王子「はい」

秘書「それはよかった……で……す?」

王子「ほら、怪我も治りましたよ」

秘書「王子様?」

王子「どうしたのですか?」

秘書「そ、その、魔王様はもう」

王子「どうしたのですか? 傷なら僕の魔法で治しましたよ」

秘書「でも、その胸の傷は……」ウルウル

王子「どうしたのですか? なんの話ですか?」

秘書「魔王様はもう……し、死んでます!」ポロポロ

王子「何を言ってるのですか? 魔王さんと僕は今から城に帰るんですよ」

秘書「王子様! ……うう……魔王様の胸の傷を見てください!」ポロポロ

王子「言ってることがよくわかりません」

秘書「……ぐすっ……ま、魔王様の胸の傷です!」ポロポロ

王子「何もないじゃないですか。何も」

秘書「大きな穴が開いてるじゃないですかぁ!!!」ダー

王子「見えないです! 僕にはそんなの……見えないです!!!」



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:39:54.36 ID:EuwSFDswo

勇者「王子! もう大丈夫ですよ! 一緒に帰りましょう」

王子「嫌です。僕は魔王さんと帰りますから」

勇者「何を言ってるんですか? その女はもう死にましたよ」

王子「死んでないですよ。そこで元気にしてるじゃないですか」

勇者「……もういいです。あなたももう終わりです。あの女のせいでおかしくなってしまいました」

王子「……」

勇者「あなたはもう手遅れです! 以前のあなたはもういないのです!」

王子「……うるさい」

勇者「えっ? だ、誰に向かってその口をきいてるのですか? 私は勇者です! 誰も私には敵わないのです!」

王子「以前の僕がいないというのでしたら、僕は……私はかわってやる」

勇者「何を言っているのですか? あなたはもういらないのですよ!」

ザシュ!

王子「……」

勇者「うふふふふふふ! 切られてどう思いました? 怖いですか? 怖いですよね」

ザシュッ!ズバッ!

勇者「うふふふふふふ! でも安心してください。あの女のところに送ってあげますよ。うふふふふふふ」

王子「……目障りだ」

ザン!

勇者「うぐっ! な、な……」

王子「お前うるさい。さっさと消えろ」

ザシュ! グチャッ! ベチャッ!

勇者「う……ぐが……」

王子「……勇者というのは心臓をつぶされてもなお生きているものなのか。すごいな」

勇者「あ……あなた……は……だれ……です……か……」フラッ

ドサッ

王子「私が誰かだと? 私は………………」



76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:41:47.12 ID:EuwSFDswo

王子「魔王だ」



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:45:19.01 ID:EuwSFDswo

秘書「魔王様! また王様から連絡がありましたよ」

王子「またか。いい加減忘れてくれりゃいいのに」

秘書「そういう訳にはいかないでしょう」

王子「はぁ。とにかくあとは頼むわ」

秘書「また私にあの二人の相手をしろと仰るのですか? 王様と王妃様は次から次へと好き勝手に喋るから会話にならないんですよ。あれってかなり疲れるんですよ?」

王子「ははは。がんばれ!」

秘書「ひどい!」



78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:49:15.27 ID:EuwSFDswo

秘書「魔王様? 電気もつけずに何をしてるんですか?」

王子「べっつにぃ」

ポカッ

秘書「いたっ! どうして叩くのですか?」

王子「おいおい、私は叩いてないぞ? それにこれだけ暗かったら私がやったかどうかなんてわからないだろ?」

秘書「それでもこんなことをするのは魔王様しかいないじゃないですか!」

王子「人聞きの悪いこと言うなよ」

秘書「それよりもはやく電気をつけてくださいよ。全然見えないじゃないですか」

王子「私もどこにスイッチがあるかわからないんだよなぁ」

秘書「スイッチの前で嬉しそうに竹刀を振り回してたら、説得力の欠片もありませんよ!」

王子「……お前、実は見えてるだろ?」

秘書「見えないです!」



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:53:15.58 ID:EuwSFDswo

王子「副魔王、あの件はどうなった?」

副魔王「あん? あの件?」

王子「先週メールした件についてだ」

副魔王「あ~あれな。あれは……うん、あれだ」

王子「……メールを確認していないな?」

副魔王「いや、そんなメールは届いてないぞ?」

王子「……秘書」

秘書「はい、副魔王さんのノートパソコンをお持ちしました」

副魔王「あっ!」

王子「ふむ……このメールだな」

副魔王「……み、見えないな」スタコラサッサ

秘書「あっ! 逃げた!」



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 20:57:51.07 ID:EuwSFDswo

副魔王「ふふふ~ん♪」ジュワッ

秘書「……副魔王様?」

副魔王「うぉっ!? な、なんだ、秘書か」

秘書「驚きすぎですよ。それよりも何をなさっているのですか?」

副魔王「ああ、昼飯を作ってるんだよ」

秘書「昼食ですか? それなら先ほど私が作ったものをお持ちしたはずですが……」

副魔王「えっと……そうなのか? それは気づかなかったな」アハハ

秘書「……ここに食べかけがあるのですが?」

副魔王「……」

秘書「……」

副魔王「……これは食べ物じゃねぇだろ」

秘書「えっ?」

副魔王「……」

秘書「……」

副魔王「……ちょっと食べてみ?」スッ

秘書「? 一体なんだというのですか?」パクッ

副魔王「どうだ?」

秘書「……………………うえっ、まずっ!」

副魔王「だろっ? 食えたもんじゃないだろ?」

秘書「ううぅ」シクシク



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 21:02:50.71 ID:EuwSFDswo

秘書「ふふふ~ん♪」ジョッワァッ

王子「……秘書?」

秘書「きゃっ!? あっ、魔王様でしたか」

王子「驚きすぎだろ。それより何をしてるんだ?」

秘書「昼食を作っているんですよ」

王子「ほぉ。私の分はあるのか?」

秘書「はい。あと少しでできますので、少々お待ちください」

王子「おう」

副魔王「……何してんだ?」

王子「副魔王か。秘書が昼飯作ってくれてるんだ。お前も食ってけよ」

副魔王「……いや、遠慮するわ」

秘書「できましたよ。あら、副魔王様もご一緒されますか?」

副魔王「俺の分とかないだろうから、遠慮するわ」

秘書「大丈夫です。ちょっと作りすぎてしまったので」

副魔王「……そ、そんな量には見えないな!」スタコラサッサ

秘書「あっ! 逃げた!!」

王子「なんで逃げたんだ?」パクッ

秘書「副魔王様はすぐ逃げるんですから」プンプン

王子「……」

秘書「あっ、魔王様。お味のほうはいかがですか?」

王子「………………うぷっ」オエッ

秘書「……」

王子「そ、そうだ! ちょっと用事があるんだった!」スタコラサッサ

秘書「あっ! 魔王様まで! ……2人とも失礼です! 私だってあれから練習したんですからね! パクッモグモグ ……………………うえっ、まずっ!」



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 21:14:49.72 ID:EuwSFDswo

がさごそ

秘書「魔王様? 何をしていらっしゃるのですか?」

王子「ここに面白いものがあってな。それを見てるんだよ」

秘書「面白いものですか?」

王子「ああ、これを見てみろ?」

秘書「これは!?」

王子「お前が子供のころにおねしょして怒られている写真だ」

秘書「なっ!?」

王子「写真の裏には、寝る前に水分を取り過ぎないように気をつけます。って書いてあるな。日付まで書いてあるし」

秘書「な、なんのことかよくわかりませんね」

王子「だが誓いを立てたにもかかわらず、一ヶ月後にまたやっちゃってるな。この写真にも同じように裏には反省文が書いてあるし」

秘書「そんなものありますか? よくわからないですね」

王子「これだこれ。目の前にあるだろ?」ニヤニヤ

秘書「見えないです!」



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 21:17:26.58 ID:EuwSFDswo

王子「秘書!」

秘書「はい?」

王子「今日はお前の誕生日らしいな。だからこれをやろう」

秘書「これは……サングラスですか? いいのですか!?」

王子「ああ。普段メガネかけているだろ? だから度入りにしてやったぞ」

秘書「ありがとうございます!」

王子「早速かけてみろよ」

秘書「はい!……って、何も見えないんですけど」

王子「そりゃそうだ。お前のメガネをマジックで黒く塗っただけだからな」ニヤニヤ

秘書「ひどいっ! って、その顔はムカつきます!」ムー

王子「ん? お前見えてるな?」

秘書「見えないです!」



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府):2011/11/10(木) 21:21:24.95 ID:EuwSFDswo

秘書「魔王様! 魔王様!!」

副魔王「あれ? 秘書ちゃん? こんなところで何してんの?」

秘書「副魔王様ですか。魔王様を探してるんですよ」

副魔王「あいつならあそこに行ってるよ」

秘書「はぁ、またですか」

副魔王「こらこら、秘書ちゃんがそんなんじゃ駄目だろ。あいつだって頑張ってるんだから」

秘書「わかってますよ! それでも仕事が残ってるんですよ!」

副魔王「少しくらいいいじゃないか。全部があいつの仕事ってわけじゃないんだから」

秘書「それでは副魔王様がこの書類の山を片付けてくださいね?」

副魔王「……」

秘書「この書類の山です」ニコッ

副魔王「そ、そんなもの見えないぞ」スタコラサッサ

秘書「あっ! 逃げるなんて卑怯です!!」



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府):2011/11/11(金) 20:58:03.15 ID:Uh06WUP6o

王子「……」

王子「……」

王子「あれから二年も経ったのか」

王子「長かったような短かったような」

王子「……」

王子「秘書の料理の腕は一向によくならないな」

王子「副魔王がすぐに逃げるのだって変わらないし」

王子「……」

王子「いつになったらあの約束を果たしてくれるのかな?」

王子「……」

王子「魔王さん……私は…………僕はもう……疲れました」

王子「やっぱり僕は貴女がいないとどうにも駄目なようです」

王子「……」グスッ

王子「そ、そうだ! 今日はね、夢を見たんですよ」

王子「夢の中ではね、僕はあの頃みたいに皮袋を被ったままなんですよ」

王子「でもその皮袋を魔王さんが取ってくれるんですよ!」

王子「それで魔王さんが僕に、見えるか? って聞いてくるんですよ」

王子「あれはすっごく嬉しかったです」

王子「……」

王子「だから今日は皮袋を持ってきたんですよ!」アハハ



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府):2011/11/11(金) 21:02:43.38 ID:Uh06WUP6o

スポッ

王子「こうやって被ってたら魔王さんがとってくれるんですよね?」

王子「……」

王子「……」

王子「僕は何をしているのでしょうね? 馬鹿ですね。あはは」

王子「……ぐすっ……一体いつになったら目を覚ますのですか?」

王子「……」グスッ

スッ

王子「えっ!?」

魔王「……見えるか?」

王子「……」ポカーン

魔王「……」

王子「……」ポカーン

魔王「あ、あれ?」

王子「……う、うえ~ん!」ダー

魔王「お、おいっ! 泣きすぎだろ!!」

王子「びえばいでず!」

魔王「はっ?」

王子「みえないでず! 涙でまおうざんがびえばいでずぅ」ダー

魔王「……あははははははは!」

王子「なんでわらっでるんでずがぁ!? ……ひぐっ……ぐすっ……」

魔王「遅くなって悪かったな。あの怪我を治すのに手間取っちまってな」

王子「……」

魔王「ポチ? 俯いてどうした?」ノゾキコミー

チュッ

魔王「なっ!? ななななな!? なんばしょっとね!?」

王子「おかえりなさい」ニコッ

魔王「……ただいま」フッ

ギュッ



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府):2011/11/11(金) 21:06:19.00 ID:Uh06WUP6o

魔王「ポチ! これおかしくないか?」

王子「綺麗ですよ」

魔王「むっ!? なんだか返事が軽くないか?」

王子「気のせいですよ」

魔王「本当か? こんなヒラヒラのを着るのは初めてだからなぁ」

王子「僕には美しい魔王さんにとても似合っているようにしか見えないですね」

魔王「そうか?」テレテレ

王子「はい」ニコッ

魔王「ポ、ポチも似合ってるぞ」

王子「そうですか?」テレテレ

魔王「照れるな、気色悪い」

王子「ひどいっ!」

魔王「ふふっ、冗談だ。とても格好いいぞ」

メイド「そろそろお時間です」

魔王「よし! ポチ、行くぞ!」

王子「はい!」



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府):2011/11/11(金) 21:12:11.22 ID:Uh06WUP6o

リンゴーン
リンゴーン

秘書「遂にこの時が来ましたねっ!」キャッキャッ

副魔王「そんなに嬉しいもんか?」

秘書「当たり前じゃないですか! あの二人がやっと結婚式を挙げられたんですよ!!」

副魔王「別に籍は前から入れてたじゃねぇかよ」

秘書「ああやってドレスを着たりするのがいいんですよ! ほら、二人とも幸せそうにしてるじゃないですか! それに魔王様、とても綺麗です!」ウルウル

副魔王「よくわからんもんだな」

秘書「そんなんだから副魔王様は結婚できないんですよ」ボソッ

副魔王「……」ヒクッ

秘書「ふふっ、引きつったお顔も凛々しいですわ」

副魔王「……」ヒョィ

秘書「ああ! メガネは駄目です! 返してください!」

副魔王「ははは。それは看板だぞ。俺はこっちだ」

秘書「ちょっと! 本当に見えないんですから返してくださいよ!」

副魔王「……俺の為にドレスを着てくれるって誓うなら返してやる」

秘書「えっ? それって…………はい、よろこんで!」

副魔王「どこを見て言ってるんだ? それは案山子だぞ。っていうか、なんでこんなところに案山子があるんだ!?」

秘書「えっ!? こんなにも逞しく凛々しいお方は副魔王様以外にいらっしゃるはずがないというのに……」ナデナデ

副魔王「案山子をそんな眼差しで見つめるな! 優しく撫でるな! お前、見えててわざとやってるだろっ!!!」

秘書「見えないです!」

おわり



97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/11(金) 23:13:31.36 ID:+6fy2B5SO

よかった!



99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県):2011/11/12(土) 02:21:10.06 ID:WMynchTFo

魔王かわいいよ魔王!乙



引用元
王子「見えないです!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320679359/
[ 2012/10/11 12:00 ] 魔王勇者SS | TB(0) | CM(0)
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