広告募集してません(半ギレ)
ヘッドライン

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

男「魔女?」魔女「おう」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:52:26.14 ID:wegBz3lu0

~町外れの寂れた洋館~


キンコーン


男「……」


キンコーン


男「……」

男「……」

男「……留守か?」


キンコーン


ガチャリ


魔女「……うーるせぇ」

男「お……」




引用元
男「魔女?」魔女「おう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344689545/
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:53:23.69 ID:wegBz3lu0

魔女「……あー」

男「いるじゃねぇか」

魔女「何だ、お前か」

男「俺で悪かったな」

魔女「起きて損した……」

男「パジャマかよ」

魔女「裸のほうがよかったか?」

男「お前それ、前に裸でドア開けられたときはドン引きだったからな」

魔女「あー、ねみ」




3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:54:06.85 ID:wegBz3lu0

男「ほら、プリント」

魔女「いらねーよクソ」

男「クソとかいうな」

魔女「あー? なになに……、『中間テスト期間中の時間割変更のお知らせ』?」

男「……」

魔女「……」

男「……おい」

魔女「……」

男「……おいおい」

魔女「ヒコーキできたぁ」

男「馬鹿か」




4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:54:54.31 ID:wegBz3lu0

魔女「えい」ヒョイ

男「お前なー……」


男(……2ヶ月ほど前、俺の学校に転校してきた少女)

男(小柄だけど、小動物くらいなら睨み殺せそうな最悪の目付き)

男(口も最悪)

男(真っ白な髪は、本人曰く地毛らしい)


魔女「おー……」

男「超飛ぶな、そのヒコーキ」


男(……正直、近寄りがたい)




5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:55:43.16 ID:wegBz3lu0

男(……転校してきて一週間で、学校に来なくなった)

男(それ以来、ずっと不登校)

男(……何故か俺が、学校で出たプリントやら何やらをこいつに届ける係になっていて)


男「……家、逆方向なんだけど」

魔女「何か言ったかー馬鹿男ー」

男「うるせー馬鹿」

魔女「おぉ、まだ飛ぶ」

男「……」

魔女「……」

男「……は!? まだ飛ぶの!?」

魔女「ヒッヒッヒ、すげーだろ」

男「キモい笑い方やめろ」


男(笑うと、少し可愛いかもしれない……)




6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:56:15.72 ID:wegBz3lu0

魔女「……」

男「……落ちた」

魔女「持って帰っていいよ」

男「いらねぇから」

魔女「帰れっつってんの馬鹿」

男「……お前さ」

魔女「あ?」

男「学校来ないの?」

魔女「……あー」




7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:56:43.64 ID:wegBz3lu0

男「……」

魔女「行きたいのはヤマヤマなんだけどさー」

男「何か、あるのか?」

魔女「いや、何て言うか……」

男「……」

魔女「朝眠い」

男「クズか」

魔女「うるせ」




8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:57:39.13 ID:wegBz3lu0

男「じゃ、用済んだから」

魔女「あ、ちょっと寄ってく?」

男「は?」

魔女「茶くらい出すぞ」

男「さっき帰れって言ったじゃねぇか……」

魔女「気が変わったんだよ」

男「勝手なヤツだなー……」

魔女「で、どうすんだよクソ男」

男「クソとか言うな。帰るよ」

魔女「ふぅん?」

男「帰り、遅くなると家の人間がうるさいし」

魔女「そうかよ」




9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:58:12.44 ID:wegBz3lu0

男「じゃ」

魔女「おう」

男「……」

魔女「ふぁ……、寝なおすかぁ」

男「……今度」

魔女「……あー?」

男「今度来たときに、寄らせろよ」

魔女「やーなこった」

男「なんだよ……」

魔女「ヒッヒッヒ」


ガチャ


バタン




10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:58:55.68 ID:wegBz3lu0

男「……」

男「……はぁ」

男「……」

男「……」

男「……紙ヒコーキ」


ガサ

ヒョイ


男「……」


ポトリ


男「全然飛ばねぇじゃん……」




11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/11(土) 21:59:42.61 ID:wegBz3lu0

~別の日:学校~


男「……魔女?」

友「そうそう!」

男「……何が?」

友「だーかーら! お前がちょくちょく会いに行ってる転校生!」

男「会いに行かされてる、だ。で……アイツが?」

友「魔女だって」

男「……」

友「……」

男「……馬鹿?」

友「なんでそう、口が悪いのお前は……」




19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 16:58:28.58 ID:qq7U/UqW0

男「はぁ……、魔女ねぇ……」

友「うわ、今心底馬鹿にしただろ、お前」

男「高校生にもなって、真顔で魔女はねぇよ友君……」

友「いや、噂だって! 他の組の連中が、何かそんな話しててさ」

男「……」

友「でも、確かにさー、そんな感じの雰囲気あったじゃん、あの子」

男(……過去形)

友「神秘的って言うかさ、妙な迫力あって」

男「……白髪のせいだろ」

友「あはは、すげーよな、頭真っ白」




20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 16:59:09.87 ID:qq7U/UqW0

男「……ってかさ」

友「ん?」

男「何で魔女」

友「んー……、さぁ」

男「……」

友「魔法使うんじゃない? 知らんけど」

男「変な手品とか? オマジナイでもするのか?」

友「知らねーって」

男「マハリクマハリタ?」

友「アレは魔法使いだろ」

男「魔女と違うのか」

友「いや俺は、他の連中が話してるのを聞いただけだから。詳しい話は分からないって」

男「駄目じゃねーか」




21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:00:27.79 ID:qq7U/UqW0

委員長「おはよ、なになに? 何の話?」

友「うー」

男「うぃー」

委員長「ゾンビみたいな挨拶やめて」

友「うぁぁぅぅ」

男「うぃぃいぃ」

委員長「ゾンビやめてキモい! 白目剥くな!」

友「なぁ、委員長なら知ってるんじゃない?」

委員長「え?」

友「転校生の白髪、魔女だって話」

男「……」

委員長「んー」




22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:01:30.33 ID:qq7U/UqW0

委員長「えと……、あぁ。確かにそんな噂、聞いたことあるけど」

友「ほらなー!」

男「何でお前が得意げなんだよ……」

友「で、どんな噂、どんな噂?」

委員長「いやぁ、私もよくは知らないんだけどね」

男「……」

委員長「何か、公園であの子が呪文? みたいなのを、独りでブツブツ唱えてるところを見た子がいるとか」

友「ふぅーん」

男「……」




23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:02:50.15 ID:qq7U/UqW0

委員長「あと、あの子の住んでるあたり、野良猫多かったらしいんだけどね、あの子が越してきてから、猫が全然いなくなたって」

友「どういうこと?」

委員長「あの子が野良猫を捕まえて、ヘンなギシキに使ってるんじゃないかって」

友「うげ」

男「アホくさ……」

委員長「わ、私だって、本気で信じてるわけじゃないわよぅ」

友「そうなの?」

委員長「当たり前でしょー。自分で見たわけでも、見た人に会ったわけでもないし。証拠も証人もない、噂ってよりは、ただの質悪いデマでしょ」

友「そっかぁ……」




24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:03:55.30 ID:qq7U/UqW0

委員長「ともかく! 私も話しといて何だけど、噂でクラスメイトのこと悪く言うのはやめましょう!」

友「ごもっとも」

委員長「友君、私が言ったこともあんまり周りに広めないでよね」

友「へいへい」

男「委員長もな」

委員長「う……。そ、そうね……男君も、この話聞くと何だか不機嫌になるみたいだし」

男「はっ? 俺が?」

友「お、確かに仏頂面」

男「生まれつきだっての」




25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:04:24.17 ID:qq7U/UqW0

委員長「でもいつもより、ほら、眉間のしーわー」グリグリ

男「いって、押すな馬鹿っ」

友「眉間のしわとしわを合わせてー」グリグリ

委員長「しーあーわーせー」グリグリ

男「うざっ……、や、やめろお前ら! 結構痛い!」

友「あはは!」

男「たく……」


男(……)

男(……魔女……)




26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:05:04.61 ID:qq7U/UqW0

~放課後:洋館~


キンコーン


男「……」


キンコーン


男「……」

魔女「何してんだよ、人ん家の前で」

男「うっわぁ!」ビクッ

魔女「うるせぇ変な声出すな馬鹿」

男「い、いつの間に後ろに……」

魔女「今だよ。買い物帰りだ」

男「あ……そうか……」

男(普段着だ……)




27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:05:58.47 ID:qq7U/UqW0

魔女「あー、重て」ガサガサ

男(エコバッグ……)

魔女「鍵どこやったっけ……」


ガチャリ


ギィ


男「……」

魔女「……なーに突っ立ってんだ、クソ男」

男「クソとか言……」

魔女「あがれよ」

男「あ……、おう……」




28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:06:37.70 ID:qq7U/UqW0

魔女「うっへぇ……」ヨタヨタ

男「持つぞ、荷物」

魔女「いいよ馬鹿」

男「いいから貸せ馬鹿」

魔女「タンポンとか入ってんだよ馬鹿」

男「あ、はい、すみません」

魔女「ここ、客間だから。ちょっと座って待ってろ」

男「おう」

魔女「重てー」ヨタヨタ

男「……」




29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:07:10.91 ID:qq7U/UqW0

~客間~


男「……」

男「……」

男(思ったより、綺麗な部屋だ……)

男(外からの見た目は、ボロ屋敷なのに……)

男「……」

男(なんか……)

男「……」ソワソワ

男(落ち着かない……)




30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:08:42.12 ID:qq7U/UqW0

男「……」チラッ

男(書棚……)

男「……」

男「……洋書?」


『Eight Sabbats for Witches』

『Journeys out of the Body』

『Pigs, Wars, and Witches』

『かもめのジョナサン』


男「……Witches」


~~

友『魔女だって』

~~


男「……」




31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:09:14.20 ID:qq7U/UqW0

ガチャリ


魔女「うわ……、律儀に座って待ってるよコイツ……」

男「お前が通したんだろうが」

魔女「何しにきたのお前……」

男「喧嘩なら買うぞこの野郎」

魔女「冗談だよ。仏頂面すんな」

男「お前も睨むな」

魔女「ヒッヒッヒ」

男「キモい笑いやめろ……」




32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:09:43.88 ID:qq7U/UqW0

コト


魔女「ほら、茶」

男「お、おう……」

魔女「……」ゴク

男「いただきます……」

魔女「……」

男「……」ゴク

魔女「……」

男「げぼっ」

魔女「ヒヒッ」

男「にっ……があぁぁ!!」

魔女「ヒッヒッヒ。おもしれー」




33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/12(日) 17:10:21.04 ID:qq7U/UqW0

男「は? 何これ? 毒?」

魔女「ちげーよクソ男。ハーブティー」

男「……お前、お茶淹れる才能なさすぎるだろ。ちょっとコンビニで麦茶買ってこいよ」

魔女「はっ倒すぞお前……。いや、慣れると美味いんだって」

男「マジかー……」チビ

魔女「家の庭で育ててるハーブでな、身体にいいのよ」

男「お前が? 自家製ハーブ栽培?」

魔女「おう」

男「意外だ……」

魔女「うーるせ」




37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:19:42.84 ID:mqarTbAw0

男「……」ゴク

魔女「……」ゴクゴク

男「にが……」

魔女「……」

男「……」ゴク

魔女「……」ゴクゴク

男「にっげぇ……」

魔女「何か」

男「お」




38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:20:23.05 ID:mqarTbAw0

魔女「聞きたいことがあるんだろ?」

男「別に」

魔女「嘘吐け」

男「何だよ」

魔女「顔に書いてある」

男「……」

魔女「隠し事は、嫌いだ」

男「……」

魔女「……」




39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:20:53.79 ID:mqarTbAw0

男「噂で……」

魔女「おう」

男「……いや、いい」

魔女「っがー! うーざーいー!!」

男「なぁ」

魔女「おう」

男「……魔女なのか、お前」

魔女「おう」




40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:21:59.85 ID:mqarTbAw0

男「……」

魔女「私は魔女だ」

男「……」

魔女「……」

男「……えぇー」

魔女「ドン引きやめろよ」

男「なんだよ、魔女って……」

魔女「言っとくけど、別に箒で空飛ぶわけじゃねぇぞ」

男「マハリクマハリタ?」

魔女「アレは魔法使いだろ」




41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:22:50.05 ID:mqarTbAw0

男「黒魔術の、儀式……?」

魔女「しねぇよクソ馬鹿」

男「猫の血を、使って――……」

魔女「使うわけねーだろバーカ」

男「……」

魔女「いや、マジお前、人のこと何だと思ってるんだよ」

男「だから、魔女なんだろ……」

魔女「あれか、お前あれか。人間の子供食ったり、悪魔召喚したりするアレだと思ってるだろ」

男「まさか」

魔女「イメージ的にさ」

男「……」




42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:23:43.74 ID:mqarTbAw0

魔女「あのな、魔女は、お前が思ってるようなもんじゃねーの」

男「……」

魔女「ほら、断罪の塔の異教徒じゃなくて、どっちかって言うとシールケ的な」

男「シールケて。どの面下げて――……」

魔女「……」ゲシッ

男「いって! 脛蹴るなこの野郎……っ!」

魔女「口の減らねぇヤツだな、まったく……」

男「お前が言うな、お前が」




43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:24:19.78 ID:mqarTbAw0

男「……」

魔女「……」


男(……魔女)

男(正直、馬鹿馬鹿しいとは思う……)


魔女「……ったく。男、お前ちょっと、立て」

男「何だよ」

魔女「お前なんかに誤解されても、馬鹿にされても何とも思わねーけども」

男「……馬鹿になんて――」

魔女「気が向いた。見せてやるよ」

男「何を」

魔女「魔女の、魔法を」

男「……」




44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:25:47.73 ID:mqarTbAw0

男(馬鹿馬鹿しいけど……)

男(でも……)


魔女「おら、立て、シャンと背筋伸ばして、真っ直ぐ」

男「わ、分かったよ……」

魔女「木をイメージしろー。お前は地面から生えてる一本の木だ、このウドの大木」

男「悪口混ぜんな……」


男(……魔女が、自分を魔女だと語ることに)

男(……それほど、違和感も感じない)

男(イタい、とか、頭おかしいとも、思わない……)

男(……とても自然に、俺は魔女が魔女だと受け入れているように、感じる)


魔女「……」ベシッ

男「って! ドツくなよおい」




45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:26:48.86 ID:mqarTbAw0

魔女「おら、もっとシャンと立て。ドツかれてよろつく木があるか馬鹿」ベシベシ

男「ちょ……、分かったからやめろって! ……たく」

魔女「そうそう、そのまま深呼吸」

男「……」スー

魔女「……木が根を張るように……」

男「……」ハー

魔女「……深く、息を……」

男「……」スー

魔女「……ん」ギュッ

男「!?」




46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:27:25.56 ID:mqarTbAw0

魔女「……んー」ギュウッ

男「何して――……」

魔女「うるせぇ。じっとしてろ」


男(魔女が……いきなり抱きついてきて……)

男(がっしりと、抱き締められて……)


魔女「力を抜け」

男「……おい」

魔女「深呼吸」

男「……」スー

魔女「……」ギュ

男「……」ハー


男(……何だこれ)




47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:28:20.61 ID:mqarTbAw0

男「……」スー

魔女「……」

男「……」ハー

男(……魔女は)

男(……不思議な匂いがする……)

魔女「リラックスし、木のように、重力に垂直に立つのは――」

男(……香水の……匂いだと思う……けど……)

魔女「グラウンディングとセンターリングという、基礎的な魔法の一種で――」

男(それだけじゃない……、花の……甘い、匂い……)




48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:29:00.55 ID:mqarTbAw0

魔女「マナ、魔力、霊力……何でもいいけど、つまり人間の持つエネルギーは、地面からもたらされ――」

男(若草の……、少し苦いような……爽やかな、匂い……)

魔女「人間の身体から、中空……世界へ還る。そのエネルギーは、また大地へ……、そして身体へ――」

男(それから……スパイス……? 複雑で、深みのある……)

魔女「循環だ。人間のエネルギーは世界の一部であり、その循環を、こうして辿ることで――……、……おい」

男(不思議な……、ずっと嗅いでいたいような……)

魔女「おい」

男「……うぇ?」




49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 13:29:34.01 ID:mqarTbAw0

魔女「……」

男「……」

魔女「……聞いてた?」

男「……」

魔女「……」

男「あー……」

魔女「……」

男「何だっけ」

魔女「……ベアハッグー」ギリギリギリ

男「いってぇぇぇやめろ馬鹿力ぁぁギブギブギブ!」




53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 20:27:03.90 ID:mqarTbAw0





男「マジいてぇ……」

魔女「ふん……、なるほどねぇ」

男「なるほどって……、何なんだよ……」

魔女「今、私は、お前を抱き締めることで」

男「……」

魔女「……照れてるんじゃねぇよ。可愛いな」ゲシッ

男「って。 照れてねえよ」

魔女「……お前を抱くことで、お前の中を流れるエネルギーを感知したわけ」

男「エネルギー……?」

魔女「魔力、精気、マナ、レイス、なんでもいいけど」




54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 20:30:48.60 ID:mqarTbAw0

男「……オカルトかよ」

魔女「おう」

男「……」

魔女「魔女だからな」

男「……それで?」

魔女「ん?」

男「ただ俺をベアハグして、それで終り、ってことはねえんだろ?」

魔女「……」ジッ

男「何だよ」

魔女「……んー」

男「……」




55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 20:33:03.51 ID:mqarTbAw0

魔女「……肩の辺りに、多少、エネルギーの澱みを感じた、かな」

男「……」


男(……野球部にいたころに)

男(……壊した肩の怪我は)

男(……もうすっかり、治っている)


男「……肩は、別に悪くねぇよ」

魔女「あ。そ」

男「……」

魔女「それから」




56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 20:35:27.00 ID:mqarTbAw0

男「……」

魔女「それから、下腹部」

男「……」

魔女「全身に流れていたエネルギーが、一部だけ、流れていない」

男「……な」

魔女「ま、具体的には、ペニスだな」

男「……」

魔女「お前さぁ」




57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 20:37:06.85 ID:mqarTbAw0

男「……」

魔女「勃たねぇだろ」

男「……」

魔女「……」

男「……なんで」

魔女「ヒッヒッヒ」

男「……」

魔女「分かるさ」

男「……」

魔女「魔女だからな」

男「……」




60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 20:40:58.36 ID:mqarTbAw0

~おまけ~


ウイッカ (Wicca) は、20世紀に興ったペイガニズム(キリスト教以前の古い多神教)の復興運動の一種で、

欧州古代の多神教的信仰、特に女神崇拝を復活させたとされる。

主に英語圏でみられるが、日本にも存在する。

ウイッカを信仰する者をウイッカン (Wiccan) と呼ぶ。

日本では、魔女の宗教としてのウイッチクラフトおよびウイッカの訳語として「魔女宗」という言葉も使われている。


(Wikipedia『ウィッカ』http://ja.wikipedia.org/wiki/ウィッカ)




61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/13(月) 20:42:03.89 ID:mqarTbAw0

~おまけ2~


十八世紀、迫害の時代の終焉とともに、不信の時代が到来しました。

当時、正しいクラフトの記憶は薄れ、残されたのはお決まりの馬鹿げた魔女像だけでした。


今世紀になって初めて、魔女が「魔女」のホウキを捨て、

悪のイメージに対抗できるようになったのです。


(中略)


魔女とは見えないものに形を与える「創造者」であり、

そうすることによって魔術に満ちた生活を送る賢者(ワイズ)となるのです。



(スターホーク『聖魔女術 …スパイラル・ダンス…』)




64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:18:59.18 ID:4vpUEH2w0

魔女「ヒッヒッヒ、そーかそーか」

男「……」

魔女「無愛想で硬派決め込んで、女に興味ねーですー、なんて面して」

男「……」

魔女「要はDの前にEが来るアレってオチかよ、そーかそーか」

男「……」

魔女「硬派って、カタいのは性格だけ、ってか、こりゃ傑さ――……」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……あー」




65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:20:21.55 ID:4vpUEH2w0

男「……」

魔女「……あー、うん。思春期はホルモンバランスが乱れやすいからな」

男「……」

魔女「身体が変調をきたすことも、頻繁にあるらしい」

男「……」

魔女「特に男性機能は、ホルモンの影響を受けやすくて……」

男「……」

魔女「うん、だから、まあ」

男「……」

魔女「ドンマイっ」

男「うるせーちくしょー!」




66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:21:14.53 ID:4vpUEH2w0

男「何なの!? マジでお前何!? 馬鹿か!?」

魔女「魔女だが」

男「そうじゃねぇよ馬鹿!」

魔女「声でけぇよ」

男「いや、普通さ、あるだろ、デリカシーとか、思いやりみたいなもんが」

魔女「あぁ」

男「あぁ、じゃないですよ! お前な、気付いても黙っておく優しさを――」

魔女「泣くなよ」

男「泣いてねぇぇ!」




67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:22:12.24 ID:4vpUEH2w0

男「はぁ……、やだもうこいつ……」

魔女「……っていうか」

男「あ?」

魔女「何で分かったんだー、とか、ねぇのかよ、少しは」

男「あぁ? そういう魔法だったんだろ?」

魔女「……いや、魔法とか言われたら普通」

男「お前が普通とか言うな馬鹿」

魔女「うるせぇヤクタタズ」

男「うぅぅぅ」

魔女「……ヒヒ」




68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:23:40.59 ID:4vpUEH2w0

男「……ちなみに」

魔女「おう」

男「治す方法とかって、魔術的には」

魔女「まぁ……、魔術的に言えば、病院行け」

男「魔術関係ねー……」ガタリ

魔女「ん」

男「……帰る」

魔女「そうかい」

男「……海よりも深く心が折れた」

魔女「海よりも深く折れるって、中々詩的だな」

男「うるせー馬鹿ー……」トボトボ




69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:25:13.60 ID:4vpUEH2w0

魔女「またな」

男「もうこねぇよ……」

魔女「ヒッヒッヒ」


ガチャ


バタン


男「……はぁ」

男「……」トボトボ


男(感じるのは……)

男(苛立ち……だけじゃなくて)

男(羞恥、……それから、情けなさ……)




70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:26:53.96 ID:4vpUEH2w0

男(……魔女に抱き締められたときの)

男(不思議な匂いと、不思議な感覚……)

男(……いや、それと)


男「……はぁ」


男(興奮も、していて……)

男(けれど……俺の……)


野良猫「ニャー」

男「……あ」

猫「……」

男「ニャー」

猫「ニャー」

男「……いるじゃん、野良猫……」オイデオイデ

猫「ニャー」




71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:27:58.82 ID:4vpUEH2w0

~翌日:学校~


男「……」

男「……はぁ」


男(魔女は、悪気はなかっただろう)

男(俺を侮辱するつもりも……)

男(ただちょっと、意地が悪いだけで)


友「おーっす」

男「……」


男(……分かっていても、心が晴れないあたり)

男(器の小さい男だとは、自分でも思う……)


友「男ー? おはー」

男「あぁ?」

友「怖い」




72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:29:12.25 ID:4vpUEH2w0

友「おいおいおい、機嫌悪ぃな、いつにも増して」

男「別にー……」

友「いや、もう、殺気で犬に吠えられるレベルだぞ」

男「猫になら、引っ掻かれたけどな」

友「あはは、猫にも警戒されてやんの。どれどれ?」

男「ん」

友「うわ、いたそー」

委員長「おはよー、二人ともー」




73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:30:23.11 ID:4vpUEH2w0

友「委員長、はよーっす」

男「……おう」

委員長「……」

友「……」

委員長「どしたの? 親を馬鹿にされたマフィアみたいな顔してるけど」

男「別に」

委員長「沢尻?」

友「猫に引っ掻かれたんだとさー」

委員長「へぇー」




74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:31:22.41 ID:4vpUEH2w0

男「それは関係ねぇよ」

友「あ、そうなの?」

委員長「じゃ、どうしたのよぅ」

男「だから、別に、って。いつも通りだよ」

友「それはない」

委員長「それはない」

男(……、そんなに顔に出るのか、俺……)

委員長「ふふん、なら、当てちゃってもいいかしらー?」

友「お、分かるの?」

男「分かるわけねぇだろ。魔女じゃあるまいし」




75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:32:05.30 ID:4vpUEH2w0

委員長「……ん?」

友「ん?」

男「……え」

委員長「ん? 魔女?」

友「魔女? って……転校生?」

男「え……」

委員長「……男君、ひょっとして」

男「……」

委員長「あの子と、何かあった?」

男「……あ、いや」

委員長「ケンカとか」

男「……!」




76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/15(水) 00:33:25.89 ID:4vpUEH2w0

友「……」

委員長「……」

男「な、違……」

友「……ビンゴっすね、委員長」

委員長「ピタリ賞っすね」

男「違う、おい、お前ら……」

友「男ー、今度ババ抜きやろうぜ。何か賭けて」

委員長「私も混ぜてー。男君になら絶対負けない自信あるわ」

男「あーもう! あーもううるせー!」




83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:15:15.71 ID:3qrc5A0+0

男「……ってか、ケンカってほどでもねぇよ」

友「じゃあ何だよもう、焦らすなよ」

男「説明しづらいんだよ、色々と」

友「……色々って」

男「……色々」

友「……エロエロ?」

委員長「えええエロ!?」ガターン

男「うるせぇ馬鹿」

委員長「ちょちょちょちょっとどういうことですかねぇ!?」ガタタガタン

男「机揺らすな馬鹿」




84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:16:21.51 ID:3qrc5A0+0

~放課後:学校~


男「……さて」

男「……」

男(……どうしよう)

男(……行くべきか)

男(……魔女の館に)

男「……」

男(……ぶっちゃけ、気まずい)

委員長「男君」

男「お」




85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:17:26.63 ID:3qrc5A0+0

委員長「今日も、あの子の家行く?」

男「……あー」

委員長「……」ジー

男「……やましいことは何もねぇぞ」

委員長「そ、そっか。うん、そりゃそうよね」

男「クソ真面目なやつだなぁ……」

委員長「ほっといて。……それより」

男「ん」




86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:19:49.34 ID:3qrc5A0+0

委員長「行きたくないなら、私から先生に断ろうか? プリント届けるの」

男「……どうした?」

委員長「腰重そう」

男「……あー」

委員長「……男君、意外と根は優しいし、断りづらいのかなって」

男「意外とか言うな馬鹿……」

委員長「馬鹿って言わないでよぅ。……それに」

男「ん」

委員長「今日、なんか落ち込んでたみたいだから、男君」

男「……」

委員長「……あの子に、何か、嫌なことされたんじゃないか、って、思って」

男「……」




87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:21:17.57 ID:3qrc5A0+0

委員長「『あんな噂』もあるからさ、ちょっと危ない子なんじゃないか、心配で……」

男「……」

委員長「ねぇ、何なら私も付いて行って――……」

男「委員長、部活あるだろ。陸上部」

委員長「でも……」

男「心配ねぇよ。あいつは……」

委員長「……」

男「変なヤツだし、口も性格も頭も悪いけど、嫌なヤツでも、悪いヤツでもないよ」

委員長「……」

男「あんまり怖がってやるなって」

委員長「……うん」




88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:22:12.28 ID:3qrc5A0+0

男「まぁ、ありがとな、委員長」

委員長「へ?」

男「心配してくれて」

委員長「え、あぁ、いや、お礼言われるほどでも……」

男「……さて」


男(……委員長に、心配するなと言ってしまった手前)

男(行かざるを得なくなったな……)


男「んじゃ、また明日な」

委員長「うん……、男君!」

男「ん」

委員長「な、仲直り……」

男「……」

委員長「できるといいね!」

男「……おう」




89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:22:57.80 ID:3qrc5A0+0

~洋館~


キンコーン


男「……」


男(……来たはいいが)

男(……出ねぇ)


キンコーン


男「……」


男(寝てるのか……)

男(軽口とはいえ、『もう来ない』とまで言ってしまったからな……)

男(アイツも、腹立てて――……)


『男かー?』

男「……魔女?」




90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:23:43.16 ID:3qrc5A0+0

『おーう』

男「魔女か? お前、どこだ? 声しかしねぇぞ」

『おう、ちょっと、来い。こっち来い』

男「こっちで分かるか馬鹿」

『玄関のー、右手ぐるっと周って来いー馬鹿ー』

男「……こっちか」


ガサ

ガサ




91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:24:29.98 ID:3qrc5A0+0

~洋館:庭~


男「魔女……」

魔女「おう、いいところに来た」

男「何してんだ、お前」

魔女「ハーブの収穫。お前も手伝え」

男「……収穫」

魔女「ひよこ豆とハーブで、マフィン作るんだよ」

男「……マフィン」

魔女「おら、軍手貸すから」

男「……何かもう、お前のイメージ不安定すぎて辛いわ……」

魔女「おう、よく分かんねーけど、喧嘩なら買うぞ」




92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:25:34.97 ID:3qrc5A0+0

男「……で、どのハーブ摘むんだ?」

魔女「適当ー」

男「おい……」

魔女「お前のセンスで」

男「ハーブなんて、どれがどれだか分からねぇぞ俺」

魔女「いいよ。お前が摘んだ後で私が選ぶから」

男「意味あるのか、それ……」

魔女「この籠半分くらいまでお願いしまーす」

男「……ったく、お前は」


男(……気を病んでたこっちが)

男(……馬鹿みたいだ)




93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:27:02.96 ID:3qrc5A0+0





男(……確かに、いわゆる魔女といえば)

男(薬草にも精通しているイメージもあるけど……)

男(ハーブも、その一種なのだろうか……)


男「魔女ー、これはー?」

魔女「んー……、血行促進に効くやつだな。オッケー」

男「へぇ……」

魔女「……ぐぁ、腰いて」

男「魔女、これは?」

魔女「ゲロ止まらなくなるやつ。ダウト」

男「毒じゃん……」

魔女「解毒になるんだよ」

男「へぇ……」




94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 00:28:30.65 ID:3qrc5A0+0

男(さすが魔女……)

男(詳しいな……)


男「魔女、こっちは?」

魔女「集中力が上がるけど、気分が沈んで死にたくなるやつ。ダウト」

男「……、……これは」

魔女「小人さんとお喋りできるやつ。ダウト」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」


男(警察……)

魔女「冗談だぞ」




98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:32:19.25 ID:3qrc5A0+0






男「んー……」

男(この葉は、食用か……?)


魔女「男ー、そんなもんでいいぞー」

男「……あ、もういいのか?」

魔女「採りすぎたくらいだ。……うぁ、腰いて……」

男「髪、土だらけだぞ馬鹿」

魔女「土いじってりゃ当たり前だろ、馬鹿男」

男「……この葉っぱは、食えるやつか?」

魔女「ダウト」




99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:34:24.87 ID:3qrc5A0+0

~洋館:キッチン~


魔女「……こっちが、食べられるハーブ」

男「ん」

魔女「細かく千切って、このボウルに入れて」

男「はい」

魔女「お前でも、それくらいならできるだろ」

男「馬鹿にしすぎだろ、さすがに」

魔女「よろしくー」

男「おう」

魔女「……」

男「……」ブチブチ

魔女「……」

男「……」ブチブチ




100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:35:09.05 ID:3qrc5A0+0

魔女「……」

男「……」ブチブチ

魔女「……」

男「……」ブチブチ




101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:35:46.89 ID:3qrc5A0+0

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……男ー」

男「おー」ブチブチ

魔女「……この間のさー」

男「……おー」




102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:36:18.98 ID:3qrc5A0+0

魔女「……あれさー」

男「……」

魔女「……無神経だったかー、私」

男「……」ブチブチ

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……ちょっとな」ブチブチ

魔女「……そっかー」

男「……」

魔女「……」

男「……」




103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:37:22.61 ID:3qrc5A0+0

魔女「……」

男「……」

魔女「……ごめんなー」

男「……ん」

魔女「……」

男「……別に」ブチブチ

魔女「……」

男「……俺こそ」ブチブチ

魔女「……男ー」

男「……おう」

魔女「指切ったぁぁー」

男「……は? うぉ、血っ、うわっ!」




104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:39:14.18 ID:3qrc5A0+0

魔女「くっそ痛いー……」

男「何でマフィンで指切るんだよ! 馬鹿か!」

魔女「ついでにベーコン切って、入れようかしたら……」

男「喋りながらやってるからだボケ魔女! 絆創膏ねぇのかこの家!」

魔女「……うわ、超ザックリいってる……、エグ……」ボタボタ

男「いいから! おい、血! 血ぃこぼれてる!」

魔女「男ー」

男「あぁ!?」

魔女「舐めるか」

男「は……、はぁ?」




105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:40:08.17 ID:3qrc5A0+0

魔女「魔女の血は」

男「……」

魔女「好いリンゴ酒の味がするんだぜー」

男「嘘吐け」

魔女「……そう、思うか?」

男「……」

魔女「ほら」

男「……おい」

魔女「……」

男「……」




106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:41:11.48 ID:3qrc5A0+0

魔女「口、開けて」

男「……」

魔女「……目閉じて」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「吸って」

男「……」

魔女「……」

男「……」




107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/16(木) 22:41:48.78 ID:3qrc5A0+0

魔女「……」

男「……」チュウ

魔女「……」

男「……」

男「……げ」

魔女「…………ヒヒッ」

男「ぅげ……、ぇ、ペッ……!」

魔女「ヒッヒッヒ、ばーかばーか」

男「てめ……っ! マジで飲んじまったじゃねぇか馬鹿魔女!」

魔女「ヒッヒ、あー、超指いてぇ」




116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/17(金) 23:38:23.37 ID:SFOaY7Xy0





魔女「……ん、あとは焼くだけ」

男「どれくらいかかる?」

魔女「三十分くらいか」

男「……んー」

魔女「……」

男「……」

魔女「……帰るか?」

男「……おう」




117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/17(金) 23:38:58.15 ID:SFOaY7Xy0

魔女「何げに、いい時間になってたなー」

男「さすがに、親にドヤされる」

魔女「おー、外真っ暗」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……じゃ」

男「……」

魔女「お疲れ」

男「……あー」




118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/17(金) 23:40:51.12 ID:SFOaY7Xy0

男「……そうだ」

魔女「ん?」

男「プリント」

魔女「……んん?」

男「……数学の。持ってきたから」ガサゴソ

魔女「……」

男「ほら、これ」

魔女「……」

男「……魔女?」

魔女「……」




119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/17(金) 23:41:51.71 ID:SFOaY7Xy0

男「……おい?」

魔女「……お前さぁ」

男「何だよ」

魔女「……何しに来たんだっけ?」

男「……」

魔女「……」

男「これ、届けるため」

魔女「……へぇ」

男「……」

魔女「そう」

男「……」

魔女「……数学ねーぇ」ヒョイ




120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/17(金) 23:42:40.79 ID:SFOaY7Xy0

男「……あ」

魔女「……」ビリッ

男「おい……っ」

魔女「すべてを切り裂く!」ビリー

男「なっ……、おいこら! 何してんだ馬鹿!」

魔女「……つまんね」

男「は……」

魔女「つまんねぇし、お前もう来なくていいわ」

男「はぁ!?」




121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/17(金) 23:43:21.41 ID:SFOaY7Xy0

魔女「頼まれたからとか、用事があるからとか」

男「……」

魔女「いちいち、そんな理由つけて来るくらいなら」

男「……」

魔女「クソつまんねぇから、来なくていい」

男「……魔女」

魔女「……次来るときは」

男「……」

魔女「ただの客として来い」

男「……」

魔女「私に会うためだけに、来い」




122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/17(金) 23:44:19.67 ID:SFOaY7Xy0

男「……」

魔女「アンダスタン?」

男「あぁ……」

魔女「……」

男「分かったよ」

魔女「ヒッヒッヒ、素直でよろしい」

男「面倒くせぇヤツ……」

魔女「うるせ」

男「じゃ、またな」

魔女「おう」




124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/08/17(金) 23:52:55.75 ID:Q3hmAcNKo



魔女と男の身長差はどれくらい?




136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:42:52.71 ID:JzQabQ4B0

今日はここまでです

>>124
25~30cmくらいの差です

○男
180cmくらい。元野球部でガッチリ体型

○魔女
150cmよりちょっとある。お肉薄め(婉曲表現)

○委員長
165cmくらい。陸上部でスプリンター体型

○友
170cmくらい。中肉中背


以上、各々のシルエットイメージ




126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/08/18(土) 01:14:26.79 ID:Vp5WKbEeo

惚れてますやんこれ




127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:29:50.38 ID:JzQabQ4B0

~別の日:某大学病院~


女医「……でぇ、ここの数値が、この値より低いとぉ」

男「……」

女医「男性機能が問題が生じるんですけどぉ……、ほら、正常値の範囲内」

男(……なんで)

女医「あと、こっちと……こっちも、問題ないみたいですねぇ」

男「……」

女医「ふふ、とっても健康で、イイ身体ですよぉ」ポンポン

男「はぁ……」

男(なんで女のセンセイなんだ……)




128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:30:46.54 ID:JzQabQ4B0

女医「――とまぁ、おちんちんの方は問題ないみたいですのでぇ」

男(おちんちん……)

女医「あとは、神経系の検査が必要かも……」

男「検査……」

女医「CTスキャンで脳を撮って、調べるの」

男「……」

女医「あとはぁ、心因的なものも考えられますねぇ」

男「……」

女医「結構多いんですよぉ、あなたくらい若い子でも。今の子はストレスに晒されてるからぁ」

男「はぁ……」

女医「心当たりは、ありませんかぁ?」

男「……いえ」




129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:33:38.13 ID:JzQabQ4B0

女医「……」

男「……特には……」

女医「うぅん、そうですかぁ……」

男「……」

女医「心因的な不能でも、お薬で改善する場合があるんですけどぉ」

男「……」

女医「ひとまず、もっとよく検査が必要でしょうねぇ」

男「……」

女医「……あと」

男「……」

女医「話を聞くときは、ちゃんと人の目を見て、ね?」

男「……え」

女医「ふふっ、意外とシャイなのかなぁ?」

男「あー……」




130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:34:18.55 ID:JzQabQ4B0





兄「……」

男「兄さん」

兄「ん……あぁ、終わったかい?」

男「はい。……お待たせしました」

兄「はは、そんなかしこまらなくても。……検査も全部終了?」

男「えぇ」

兄「それじゃ、帰ろうか」

男「はい」




131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:34:44.94 ID:JzQabQ4B0

~車(兄の)~


兄「……」

男「……」

兄「……お医者さんは、何だって?」

男「……もう少し、検査が必要だと」

兄「そうか」

男「……」

兄「びっくりしたよ、お前から話があったときは」

男「すみません、心配かけて。……こうして、手間もかけちゃって」

兄「いいんだ、気にするな」

男「……」




132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:35:32.46 ID:JzQabQ4B0

兄「……それに」

男「……」

兄「もう少し早く相談してくれても、よかったんだぞ」

男「……すみません。ちょっと……言い辛くて」

兄「はは、そうだよな。ごめん」

男「いえ」

兄「……」

男「母さんにも……心配かけるんじゃないかと……」

兄「すごく心配してたぞ、男のこと。……父さんも」

男「あぁ……」




133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:36:31.62 ID:JzQabQ4B0

兄「ただ、お前自身の身体のことだ」

男「……」

兄「心配かけるとか、変に気を回すことはないさ……」

男「はい……」

兄「……」

男「……」

兄「……それに、心配かけたくないって話なら」

男「……」

兄「……最近、学校の帰りが遅いみたいじゃないか」

男「あ」

兄「母さん、心配してたけどな」

男「いや、えーっと……。ごめんなさい」




134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:37:05.46 ID:JzQabQ4B0

兄「何か、あるのか?」

男「いえ……、ただ友人と、遊んでるだけで」

兄「……悪い付き合いじゃないよな、まさか」

男「そういうのじゃ、ないですよ。普通の――……」

兄「……」

男「……あ、いえ、ちょっと、普通じゃないかもしれませんけど」

兄「……なるほど」

男「……」

兄「彼女か」

男「うぇ!?」

兄「はっは、そうか、なるほどなるほど。お前もついに……」

男「ちが……っ、違いますよ! ちょっと、兄さん!?」

兄「母さんには、俺からちゃんと、心配いらないって説明するから」

男「やめて!」




135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/19(日) 14:37:49.53 ID:JzQabQ4B0

~別の日:洋館~


魔女「ふぅん……」

男「……」

魔女「女医ねぇ……」

男「そこかよ、食いつくポイント」

魔女「……ま、何だ。気長にがんばれ」

男「他人事だな」

魔女「実際そうだしな」

男「……」

魔女「……」

男「……」ゴク

魔女「……」ゴクゴク

男「お茶まっずぅぅ!!」

魔女「な……っ、うるせぇクソインポ!」

男「いやお前、ひっどいこれ! まっずい! 苦いとかじゃなくて、お前……不っ味い! すごい!」

魔女「よーし分かった! そんなに死にたきゃガチの毒で茶ぁ淹れてやるから、それ飲んで死ね!」




144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 22:53:44.26 ID:2EaUAdLx0

男「……」

魔女「はぁ……」

男「……」

魔女「ぁー……」

男「……」

魔女「ねみ……」

男「魔女ー」

魔女「ん……」

男「前も聞いたかもしれねぇけど……」

魔女「おう」

男「……」




145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 22:54:59.98 ID:2EaUAdLx0

男「……身体の不調? ってか、問題を……」

魔女「あるぞー」

男「……え」

魔女「ゲンキになる魔法」

男「……なぁ」

魔女「あとで見せてやるよ」

男「……本当に」

魔女「私のパンツ」

男「……」

魔女「ヒッヒッヒ」

男「はぁ……」




146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 22:56:21.34 ID:2EaUAdLx0

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「お茶、おかわりいるか?」

男「……くれ」

魔女「ん」トプトプ

男「……」

魔女「……ん」

男「……」ゴク

魔女「……」

男「……まじぃ」

魔女「男ー」




147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 22:57:58.79 ID:2EaUAdLx0

男「……おう」

魔女「魔法ってのはな」

男「……」

魔女「お前が考えているようなもんじゃねーんだぞ」

男「……」

魔女「……魔法ってのは、要は、物の見方を変える方法だ」

男「……」

魔女「ダイアン・フォーチュン曰く、『魔法とは、思うがままに意識を変革する技術』だ」

男「……誰?」

魔女「魔女」

男「……」




148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 22:58:57.74 ID:2EaUAdLx0

魔女「意識が変われば」

男「……」

魔女「見えなかったものが、見えるようになる」

男「……」

魔女「感じられなかったものが、感じられるようになる」

男「……」

魔女「ないはずのものが、あるんだって、分かる」

男「……」

魔女「今、この部屋の中にある空気。何もないように見える空間でも」

男「……」

魔女「細菌学者なら、無数のウィルスや黴に満ちていると識っている」

男「……」




149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 23:00:30.48 ID:2EaUAdLx0

魔女「そして、それらの生命の動きを感じることだってできるはずだ」

男「……」

魔女「物理学者なら、空間に満ち溢れたニュートリノの宇宙的な孤独を感じることができる」

男「……」

魔女「詩人なら、塵や埃にも隕石を――地球に降ってきて、燃え尽き、空気に溶けた名もなき星の輝きを――」

男「……」

魔女「感じることができる」

男「……」

魔女「魔女なら」

男「……」

魔女「エネルギーを感じる。人間、自然、星、宇宙……、全ての根源にあるエネルギーを」

男「……壮大な話だな」




150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 23:01:56.38 ID:2EaUAdLx0

魔女「そうでもねーよ」

男「……」

魔女「もっとミクロな……極小サイズの話さ」

男「……」

魔女「たとえば、お前のペニスとか」

男「やかましいわ、極小サイズとか言うな」

魔女「ヒッヒッヒ」

男「……」

魔女「……私から知覚では、お前のソレは」

男「……」

魔女「本来あるべきエネルギーが流れていない、乱れている」

男「……」

魔女「だからゲンキがない」




151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 23:03:11.09 ID:2EaUAdLx0

男「……」

魔女「……ただ、何でエネルギーが流れないのか――、って話になると」

男「……」

魔女「知らねーよ、ってなるわけだ」

男「……そうか」

魔女「たとえば病気が原因で、クスリ飲んで、それで病気が治って、……ソレも治ったとして」

男「……」

魔女「私が言えるのは、エネルギーが正しく流れ出した。だからゲンキになった」

男「……」

魔女「……意味ねーだろ」

男「……そうかもな」




152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 23:04:25.03 ID:2EaUAdLx0

魔女「だろ。これが魔法ってやつだ。期待はずれだろ?」

男「……」

魔女「ついでに、魔女じゃないお前には魔法が使えない」

男「……あぁ」

魔女「……以上、終わり。ご聴講ありがとなデカブツ」

男「……」

魔女「……あー、だる……」

男「……お前さ」

魔女「あぁ?」

男「『治す方法はない』って」

魔女「……」

男「何で言わないんだよ」

魔女「……ぁー」




153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 23:05:40.46 ID:2EaUAdLx0

男「……魔女」

魔女「……」

男「本当は、何かあるんじゃないのか?」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……頼むよ」

魔女「……あるよ」

男「……え」

魔女「治す方法。運がよければ……、って程度だけどな」

男「……本当か!」

魔女「おう」




154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 23:06:30.96 ID:2EaUAdLx0

男「頼む、俺に教え――……」

魔女「……いや、いーんだけどさぁ」

男「……」

魔女「……私はいいんだけど」

男「……何だよ」

魔女「お前、絶対イヤがるだろうから」

男「何で」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……大丈夫」

魔女「……」




155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/20(月) 23:08:14.16 ID:2EaUAdLx0

男「どんなことがあっても、イヤに思ったりしない」

魔女「……ふん」

男「……お前のことだって、イヤになったりしねぇよ」

魔女「……」ゲシッ

男「って! 何で蹴るんだよ馬鹿!」

魔女「……ったく。仕方ねぇなこのフニャチン……」

男「魔女……」

魔女「明日、学校休みだろ。土曜日って」

男「おう」

魔女「……ウチに来い」

男「……おう」

魔女「泊まりで」

男「泊まり?」

魔女「儀式を行う」

男「……泊ま……え、泊まり?」




158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/08/20(月) 23:30:42.92 ID:k62kd0PIO

大人の階段を…




160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/08/20(月) 23:37:51.51 ID:WTBNnE0xo

ウフフ




161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/08/20(月) 23:46:40.52 ID:qHfDuZDXo

遂にか




162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) 2012/08/21(火) 07:55:45.56 ID:/uFvMtvMo

すごくエロい予感




163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/21(火) 22:44:03.01 ID:FYVOFdny0





~男の部屋~


男「……」

男「……」

男「…………」


男(魔女……)


~~

魔女『……私はいいんだけど』

魔女『お前、絶対イヤがるだろうから』

~~


男「……」

男「……」


男(俺はアイツを……)

男(困らせているだろうか……)




164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/21(火) 22:45:28.33 ID:FYVOFdny0

男(……アイツの言葉の真意は、分からないけど)

男(アイツは、俺の頼みを聞き入れてくれた……)

男「……」

男「…………でも」

男(俺が……、俺の不能を治したいのは……)


~~

兄『もう少し早く相談してくれても、よかったんだぞ』

兄『すごく心配してたぞ、男のこと。……父さんも』

~~


男(……兄さんや、母さんに)

男(心配をかけたくないから……)


男「……」

男「……」




165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/21(火) 22:47:08.23 ID:FYVOFdny0

男(……自分勝手な理由で)

男(アイツを……)

男(魔女を……)


男「……はぁ」



男(俺はアイツを……)

男(困らせてしまっただろうか……)


男「……治ったところで、使うアテもねーのにな……」

兄「……何のアテだって?」

男「ぎゃ」

兄「ご飯できたよ」

男「の……、ノックぐらいしてください……」

兄「ははは、ごめんごめん」




166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/21(火) 22:48:19.65 ID:FYVOFdny0

兄「早く降りてきてな。今日はゴーヤチャンプルーだって」

男「はい。……あ、兄さん……」

兄「ん?」

男「あの、えっと……ちょっと、お願いが……」

兄「珍しいね、どうしたんだ?」

男「あの……あ、明日なんですけど……」

兄「明日?」

男「明日ちょっと……、出かけてきても、いいですか……その、ええと……泊まりがけで」

兄「泊まり……」

男「あ、友人の……ところに。……翌朝には、すぐ帰りますから」

兄「泊まり……、友人……ふふ、そうかそうか」

男「……」




167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/21(火) 22:50:32.86 ID:FYVOFdny0

兄「でも、駄目だぞ、男」

男「……あ、分かり……ま……」

兄「……『翌朝すぐ帰る』なんて、冷たいこと言ってちゃ駄目だ」

男「へ」

兄「いいかい? 一緒に夜明けを迎えるだろ? その余韻をだね……こう、日が高く昇るまでね、味あわないと」

男「へ?」

兄「夜の情熱とはまた違う、日差しの中で女の子をこう……、その……、ほら! っていうのも、男の甲斐性ってもので……」

男「いや、あの、兄さん……?」

兄「……うん、何にせよ、だ」

男「兄さん?」

兄「ゆっくり楽しんできなさい」ポンポン

男「……えっと、あの」

兄「母さんには、俺からちゃんと、全部説明しておくから」

男「やめて!」




168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/21(火) 22:51:15.96 ID:FYVOFdny0

~翌日・日中:町外れの寂れた洋館~


キンコーン


男「……」


キンコーン


男「……」

男「……」


キンコーン


ガチャリ


魔女「……ぅー」

男「……お」

魔女「……あ?」




169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/21(火) 22:52:46.65 ID:FYVOFdny0

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……何しにきたの」

男「……えぇー……」

魔女「冗談だ」

男「……」

魔女「……にしても、来るの早すぎだろ……。ふぁ……」ノビー

男「何時来いとも、言ってなかっただろ」

魔女「儀式っていったら夜だろ、お前……」

男「知らんけど……」




176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:03:31.39 ID:GLGFYm8W0

魔女「……ま、あがれー」ヨタヨタ

男「パジャマはだけてんぞ」

魔女「寝てた……」ヨタヨタ

男「夜更かししたんだろ」

魔女「夜型なんだよ……」

男「……」

魔女「……」

男「……眠そうだ」

魔女「寝すぎてねみぃ。……っと、男」

男「おう」

魔女「折角だから、お前も手伝え」

男「ん?」

魔女「儀式の準備」




177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:03:57.26 ID:GLGFYm8W0

~洋館:庭の物置~


魔女「……あったかー?」

男「ねぇよ……、どこだよ蝋燭って……」ガサゴソ

魔女「その辺だって。その木の籠どかして――」

男「……、っと……これか?」ゴソゴソ

魔女「ん、それそれ。それから、杯と、釜と……、あとは短剣(アサミィ)」

男「短剣……? って、これ……?」

魔女「おう、それだそれ! バッチリじゃん!」

男「……でも、これ……」ボロボロ

魔女「……ぁー、錆びて……」

男「……使えるか?」

魔女「……あー」

男「……」

魔女「……台所の、包丁使うか」

男「おい」




178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:05:30.18 ID:GLGFYm8W0





~洋館:台所~


魔女「包丁あったー」

男「いいのかよ、そんな適当で」

魔女「うるせ、いいんだよ。この包丁で、指切ったこともあるし」

男「……」

魔女「術者の血を吸った道具は、術者と霊的に深い絆を帯びる」

男「……へぇ」

魔女「……はず」

男「……」

魔女「あっ、塩もいる! いっぱいいる!」

男「……いきいきしてきたなー」




179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:07:45.74 ID:GLGFYm8W0





~洋館:居間~


魔女「……」

男「……」

魔女「……そうそう」

男「……こうか?」モソモソ

魔女「……もっと、ちゃんと……奥まで入れろ」

男「……これ以上、入らねぇだろ」

魔女「……」

男「壊れるぞ」

魔女「……大丈夫だから」

男「……」

魔女「……さっさとしろよ」

男「おう……」モソモソ


ビリリッ


魔女「あぁーっ! また小袋破きやがった! このクソ不器用ゴリラ!」

男「な……!? 俺はこーわーれーる、って言ったぞクソ魔女! これ以上ハーブ詰め込めるワケねぇだろ、こんな袋!」

魔女「加減しろ加減! 呪符作りくらい、サルでももっと上手くやるわ!」




180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:08:20.39 ID:GLGFYm8W0

男「……」モソモソ

魔女「……」モソモソ

男「……こうか?」

魔女「オッケー」

男「……」モソモソ

魔女「……法の呪符は、あと5つくらいかな」

男「おーう」モソモソ

魔女「……」

男「……」モソモソ

魔女「……男ー」モソモソ

男「おーう」

魔女「夕飯、何がいいー」

男「……あー」

魔女「……」モソモソ

男「肉」




181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:09:02.54 ID:GLGFYm8W0

~夕方:ダイニング~


男「……ふぅん」モグモグ

魔女「……で、このペンタグラムの星。それぞれの頂点が……」

男「……」モグモグ

魔女「愛、知性、知識、法、力。こう……時計回りに対応する。これが『真珠のペンタグラム』」

男「……美味いな、肉野菜炒め」

魔女「炒めるだけだろこんなの。誰が作っても一緒だろ」

男「……いや、でも、なんか」

魔女「……」

男「美味い」

魔女「そうかよ」

男「……」モグモグ




182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:09:56.45 ID:GLGFYm8W0

魔女「……」モグ

男「……肉、よけてる?」

魔女「肉食えない」

男「ありゃ」

魔女「お前はちゃんと食っとけ」

男「……」

魔女「食事が終わったら、はじめるぞ」

男「……おう」

魔女「人生最後の食事、よく味わえよ」

男「縁起でもねーこと言うな……」

魔女「ヒッヒ」

男「ちなみに……、その儀式って、名前とかあるのか?」

魔女「『寝室の儀式』」




183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:10:58.02 ID:GLGFYm8W0

~夜:寝室~


男「うわ……」


男(……寝室というには)

男(あまりに広すぎる部屋……)

男(だだっ広く、いっそ殺風景で……)

男(薄暗く……、壁際に並んだ蝋燭だけが……)

男(部屋を照らしている……)

男(……鍋、ホウキ、お守り――呪符、包丁、釜、鳥の羽……)

男(よく分からないものたちが、一見、不規則に、無秩序に……投げられている)


魔女「んーっ、久しぶりだなぁ、こういうのー」

男「……」

魔女「よーし、がんばるぞー」ヌギヌギ

男「待て待て待て待って」




184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:11:43.87 ID:GLGFYm8W0

魔女「あ?」

男「何脱いでんだお前!」

魔女「……あぁ、空衣」

男「……すかいくらっど?」

魔女「スカイクラッド。……魔法の正装だ」

男「全裸だが」

魔女「まぁ、脱がなくてもできるけど……、この『寝室の儀式』は、脱いだほうがいいな」

男「……マジか」

魔女「お前もはよ脱げー」ヌギヌギ

男「マジかー……」

魔女「俺たちゃ裸がユニフォーム~」




185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:12:12.96 ID:GLGFYm8W0





男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……よし」

男「……」

魔女「まずは塩水で、全身を清め……」

男「……」

魔女「……」バシャッ

男「ぶ……っ! つめて……っしょっぺぇ! 馬鹿かお前、いきなり顔にかけるやつが――……」

魔女「……ったく、もーっとリラックスしろよデカブツー……」

男「……」

魔女「恥ずかしいとか、不安だとか、緊張するとか……、内向きの感情は、全部忘れろ」

男「……」




186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/23(木) 01:13:12.99 ID:GLGFYm8W0

魔女「魔法はな、本当は楽しいものなんだよ」

男「……おう」

魔女「……私さぁ」

男「おう」

魔女「お前が笑ってるとこ、見たことねーんだけど」

男「……そんなことねぇだろ」

魔女「……ほらー」グニー

男「……いって、ツネんな」

魔女「笑ってみろってー」ムニー

男「……ヒッヒッヒ」

魔女「キモい笑い方やめろー」

男「お前の真似だよ」

魔女「んなことねぇだろボケ」グニニ

男「いって……、痛い痛い! ……ははっ」




192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/08/24(金) 21:25:57.01 ID:8/DRhkBuo

ニタァ




194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:26:19.17 ID:9FODIaX/0

魔女「そうそう、そうやって笑っとけ」

男「……」ニコッ

魔女「…………ぶふっ」

男「……」ニコニコ

魔女「……っく、ククク……っははは! あははは!」

男「笑いすぎだろお前この野郎!」

魔女「ひぃ……だって、はは……男、笑うと全然顔ちげー」

男「……ていうか、普通にも笑えるんじゃねーか、お前」

魔女「ヒッヒ」

男「ヒッヒヒ」

魔女「ヒッヒッヒ」




195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:27:17.11 ID:9FODIaX/0

魔女「さーて、次は四隅に香を焚いて――……」

男「……」

魔女「ちょっと待ってろなー」

男「おう」


男(……魔女は)

魔女「……祝福あれ、東の霊。芳しき薫風よ、清冽の気流よ。不浄なるものを去らしめ、我等が肺を清いもので満たせ」

男(……いつもより)

魔女「かくあるべし」


男(……楽しそうで)

魔女「……祝福あれ、南の霊。暖かな炉の火よ、情熱の燠火よ。不正と悪を焼き払い、我等が心臓を熱いもので満たせ」

男(……それはまるで)

魔女「かくあるべし」




196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:28:26.83 ID:9FODIaX/0

男(……遊び、はしゃぐ少女のようで)

魔女「……祝福あれ、西の霊。子宮を満たす羊水よ、恵みの雨よ。魂と肉の渇きを癒し、我等が血を優しいもので満たせ」

男(……儀式という言葉の持つ)

魔女「かくあるべし」


男(……怪しい、いかがわしいイメージとは)

魔女「……祝福あれ、北の霊。生命を育む土壌よ、女神の肉たる大地よ。全ての敵、仇なすものを放逐し、我等が骨を力強いもので満たせ」

男(……随分違って)

魔女「……かくあるべし」


魔女「寝室は閉ざされた。儀式は開かれた」

男(……俺は、正直……)

魔女「……男、来い」

男(……魔女に)

魔女「……おとこー?」

男(……目を、奪われて――……)




197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:29:44.87 ID:9FODIaX/0

魔女「……」

男「……」

魔女「……おらっ!」ベシーン!

男「っあい……っってえぇぇ!!」

魔女「フルチンでボーっとしてんじゃないよお前、馬鹿もチンコも丸出しか」

男「いったぁ……、おま……、いきなり鳩尾に張り手するやつがあるか……」

魔女「ヒヒ、手の痕真っ赤ー」

男「ヒリヒリする……」

魔女「これからが本番だぞ。ほれ」

男「塩……?」

魔女「……お前も、参加するんだよ」

男「……」




198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:31:08.44 ID:9FODIaX/0

魔女「いいか、私の後に続いて――……」

男「……なぁ」

魔女「おう」

男「……匂いが」

魔女「あんまり吸うなよ」

男「……」

魔女「香の匂いだ。一気に吸うと、具合悪くなるぞ」

男「……分かった」

魔女「……私の後ろについて歩くんだ」

男「おう」

魔女「歩きながら、塩を零すから、お前も同じように塩を撒く」

男「おう」




199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:32:16.37 ID:9FODIaX/0

魔女「私が呪文を言うから、お前も続けて、同じ言葉を言う」

男「分かった」

魔女「それから……、一番大切なこと」

男「……?」

魔女「完全な愛と完全な信頼」

男「……」

魔女「パーフェクト、ラーブ」

男「……」

魔女「パーフェクト、トラースト」

男「……」

魔女「それが魔法の真髄だ」

男「……」




200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:32:16.37 ID:9FODIaX/0

魔女「私が呪文を言うから、お前も続けて、同じ言葉を言う」

男「分かった」

魔女「それから……、一番大切なこと」

男「……?」

魔女「完全な愛と完全な信頼」

男「……」

魔女「パーフェクト、ラーブ」

男「……」

魔女「パーフェクト、トラースト」

男「……」

魔女「それが魔法の真髄だ」

男「……」




201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:36:09.56 ID:9FODIaX/0

魔女「お前は、私を愛せるか?」

男「……」

魔女「どうなんだ」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……愛せるって言っとけ。先に進まねぇ」

男「……愛せる」

魔女「私を信じるか?」

男「信じる」

魔女「ん、それでいい」

男「……」

魔女「笑って」

男「……あはは」




202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:37:03.10 ID:9FODIaX/0

魔女「……こっちへ」

男「……、なぁ、魔女ー」

魔女「ん」

男「……別に、無理に言ったんじゃないぞー」

魔女「そうだな」

男「……なぁ」

魔女「愛してる」

男「……」

魔女「私も。お前を信じてるよ」

男「……」

魔女「さぁ。部屋の中心から」

男「……あぁ」




203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:38:10.92 ID:9FODIaX/0

魔女「原初の夜よ、始まりの夜よ」

男「原初の……夜?」

魔女「……考えなくていい。間違っててもいい、聞こえたままに」

男「……原始の夜、はじめの夜よ」

魔女「太陽孕まぬ処女の女神よ」

男「太陽払わぬ処女の女神よ」

魔女「その力は未だ見ぬ愛、この寝室に降り立て」

男「その力は……愛、この寝室に降り立て」

魔女「夜明けの――……いてっ」

男「あ、ごめ……カカト蹴った」

魔女「ひひ、バーカ」

男「……あはは」




204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:38:46.21 ID:9FODIaX/0





男(魔女のうなじを見下ろしながら……)

男(その後ろに続いて、ゆっくりと歩く……)


サラ… サラ…


男(大きな杯に入れた塩を、線を描くように撒きながら……)


ゴツッ


男(……時折、小さな魔女と、歩幅がずれて)

男(二人の身体がぶつかる……)


クス クス…


男(それが何故か、おかしくて……)

男(二人して含み笑いを漏らす……)




205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:39:51.45 ID:9FODIaX/0

魔女「血を流し、収穫される神聖な穀物」

男「雄鹿の角の狩猟の神」


男(呪文のリズムが狂って……)

男(俺と、魔女の声が重なると……)

男(無意味で、だけど不思議と心地良い重奏になる……)


男(そして、触れてもいないのに……)

男(……魔女の心臓の鼓動を感じる)


男(……魔女の息遣いを感じる)


男(……魔女の匂いを感じる)


男(……魔女の体温を感じる)


男(……塩の跡は)

男(……いつしか複雑な魔方陣になって……)

男(……俺は……)




206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:40:58.10 ID:9FODIaX/0

産まれ来る星、死の暗黒

東風の支配者、ダンスの王

あなたは母なる海にして航海者

くべられた薪にして燃盛る炎

豊穣は約束された枯渇

花と刺は光り輝く

車輪は回る

夢は満ちる

グラスを満たす辛口の飲み物のように

女神の愛と力はベッドに満ちる

アaaaラディア、ヌuuuuイト、ウラaaaaニアaaaaaaa

アaaaaaaaフロディiiiiiiiiテeeeeee、イiiiiシスuuuuuu、マaaaaaaaリアaaaaaンネeeeeeee

そして(女神の秘されたる名)aaaaaaaaa――――




207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:41:43.89 ID:9FODIaX/0





男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……眠いか」

男「……」コクン

魔女「……さぁ、ベッドへ」

男「……」ヨロ

魔女「……ゆっくり」

男「……」コク




208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:42:44.37 ID:9FODIaX/0

魔女「……聞こえるか?」

男「……」コク

魔女「話せる?」

男「……ぁ」

魔女「……これ、何本だ?」

男「……二、本」

魔女「……何本?」

男「……三本」

魔女「……これは」

男「……沈む」

魔女「……」

男「……ベッドの、下に」




209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:44:00.85 ID:9FODIaX/0

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……落ち……」

魔女「……大丈夫」

男「……」

魔女「……怖くない」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……あぁ」




210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/27(月) 23:44:59.15 ID:9FODIaX/0

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」




214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) 2012/08/28(火) 00:27:33.02 ID:mHX5naXdo

治ったか確認する時が楽しみです




219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:25:53.34 ID:gCL4MKYF0



~夢~


男「……」






220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:26:24.67 ID:gCL4MKYF0



~夢より深い夢~


男「……」






221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:27:10.95 ID:gCL4MKYF0



~意識の限界~


男「……」






222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:27:52.87 ID:gCL4MKYF0


~?????~


男「……」

男「……」

男「……」

男「……」

男「……」ハッ

男「……」

男「……は?」

牛頭「――起きたか」

男「牛?」

馬頭「おはようさん」

男「……馬?」




223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:28:23.77 ID:gCL4MKYF0

男「……」

牛頭「……」

馬頭「……」

男「……」

牛頭「……」

馬頭「……」

男「……はっ?」

馬頭「置いてけぼりでごめんなー」

牛頭「――今は時間がない。此方へ」

男「……はぁ。え、は? ちょっと――……」




224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:29:23.77 ID:gCL4MKYF0





男「……なぁ、おい……! ちょっと、あんたら……!」

牛頭「――ここだ」

馬頭「ついたねー」

男「何が――……」


グツ グツ


男(なんだ、これ……)

男(……池? いや、プール……、違う……)


グツ グツグツ


男(鍋……、いや、釜だ……)

男(湖のような、巨大な……大釜)


グツ グツ


男「煮えてる……」




225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:30:11.56 ID:gCL4MKYF0

グツグツ

グツグツ


男「……何だこれ」

牛頭「――これなるは、真実の大釜」

馬頭「世界の真の姿」

牛頭「宇宙のエネルギーの坩堝」

馬頭「女神の胎内」

牛頭「森羅万象の溶け合ったスープ」

馬頭「分かる?」

男「……分からん」

馬頭「……いいよ、それで」

牛頭「――世界は」




226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:30:47.41 ID:gCL4MKYF0

男「……」

牛頭「――この宇宙のあらゆるものは」

男「……」

馬頭「一皮剥けば、エネルギーの塊だ」

男「……」

牛頭「星も太陽も、人も草木も、虫も石ころも」

男「……」

馬頭「みな同じエネルギーから成り立ってるんよ」

男「……」

牛頭「――そしてこの大釜こそ」

男「……」

馬頭「宇宙をエネルギーとして捉える視覚(ヴィジョン)の世界」




227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:31:23.10 ID:gCL4MKYF0

男「……ここは」

牛頭「――ここは、どこでもない世界」

馬頭「アカシックレコードの外側の宇宙」

牛頭「お前の意識と」

馬頭「真実を結ぶ抜け道」

男「あんたらは……」

牛頭「――質問に付き合っている時間はない」

馬頭「魔女ちゃん待ってるよー」

男「魔女……!?」

馬頭「この中でー」

男「え……」


グツ グツグツ


男(……すっげぇ煮えてるんだけど……)




228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:31:52.10 ID:gCL4MKYF0

男「……」


グツグツ


男「……」


グツグツ グツ


男「……」

馬頭「……じゃ、いってらっしゃ――」

男「待て待て待って、押すな馬鹿! 熱い! 馬鹿!」

馬頭「あはは、馬に馬鹿って」

牛頭「――急くがよい」

男「あぁ!?」

牛頭「――アレが来る……」

男「……アレ?」

馬頭「空、見てみ」




229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:32:28.78 ID:gCL4MKYF0

男「……な」

牛頭「……」

馬頭「……」

男「な……」

馬頭「……何に見える?」

男「…………ブラックホール」

馬頭「こっちに来るね」

男「……アレは」

牛頭「――あれなるは、お前自身の暗黒」

男「は?」

馬頭「お前が無意識の中に抱える闇」

牛頭「お前自身から漏れ出し、こちら側を侵そうとしている」

男(……俺の)

男(……闇……)




230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:33:33.14 ID:gCL4MKYF0

牛頭「――いずれお前も、自らの闇と向き合い」

馬頭「戦う日がくるはず」

男「……アレと?」

牛頭「――だが、今は」

馬頭「ここでマゴマゴしてると、飲み込まれちゃうからねー」

男「……何それ、やばい?」

牛頭「めっちゃやばい」

馬頭「めっちゃやばい」

男「……えぇー」

牛頭「――だから、さっさと」ドンッ

馬頭「いってらっしゃいー!」ドンッ

男「……――え」


ヨロッ


男「あ――……」


ドボン


男「……ゴボ……ッ」




231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:34:47.61 ID:gCL4MKYF0

~真実の大釜~


ゴボ

ゴボゴボ…


男(熱……! 苦……し……っ!)

男(全身が……!)

男(煮える……!)


男「……」ゴポッ


男(……身体の中から)

男(……焼け、爛れ……)


白髪の少女「……ふぇ?」


男(……あれは……)


白髪の少女「……誰?」


男(……女の子……?)




232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:35:30.80 ID:gCL4MKYF0

白髪の少女「……ねえねえ、こんなところで何してるの?」

男(……知らない、子だ)

少女「うわぁ……お兄さん、おっきいねぇー」

男(……でも、どこかで……見たことが……)

少女「ひひひ!」

男(……あ)

少女「ねえ、一緒に遊ぼ?」

男(……魔女だ)

少女「おんぶして!」


男(……この少女は、魔女に、そっくりだ……)




233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:37:36.18 ID:gCL4MKYF0

男(……この少女は)

男(魔女……?)


少女「ねえねえ」

男「……っ!」ガボッ

男(やばい……もう……!)

男(苦しい、苦しい……っ!)

少女「大丈夫だよ」

男(熱い……! 茹で死ぬ……っ!)

少女「もっと、自然に……感じるままに」

男(無理……っ! もう――……)

少女「待って! 行かないで!」

男(気が……遠く――……)

少女「やーだー! いっちゃやだ! 置いてかないでよぉ! ねえってばー!」

男(これが――……)


男(死――……)




234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:38:11.23 ID:gCL4MKYF0








235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:38:45.74 ID:gCL4MKYF0

~朝:洋館・寝室~


男「……」ムクリ

男「……」

男「……」

魔女「……」

男「……おま」

魔女「……」ムクリ

男「……お、ま……なんで、とな……となり……、ねて……」

魔女「……」

男「……ぅ」

魔女「……」

男「うげぇぇぇぇ」バシャバシャバシャ




236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:39:19.21 ID:gCL4MKYF0

男「うぇ……ぇぇ」

魔女「……おい、ば……か、床汚――……よご、す、な……、うぅ」

男「……」

魔女「うえぇぇぇぇ」バシャバシャバシャ

男「はぁ……、はぁ……ぁ……」

魔女「えぇ……ぇぐっ」

男「……」

魔女「……」

男「ごぇぇ」バシャバシャ

魔女「うえぇぇ」バシャバシャ




237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:39:59.00 ID:gCL4MKYF0

男「ゼェ……ゼェ……」

魔女「……ぐぇ」

男「……おい、魔女……な、なんだ……これ……」

魔女「……し」

男「……し?」

魔女「失敗」

男「……死ねぇー」

魔女「黙れー……、頭に響くぅー……」




238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:40:37.90 ID:gCL4MKYF0

魔女「……はぁ」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……っかしーなぁ」

男「……」

魔女「……もうちょいで挿入までイケたのに」

男「……あ?」

魔女「トランス深すぎたか……?」

男「挿……」

魔女「……いや、やっぱり包丁じゃ――……」

男「……おい、おいこらクソ魔女」

魔女「あぁ? 何だクソ男」




239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/29(水) 00:41:15.52 ID:gCL4MKYF0

男「……もしかして、これ……」

魔女「おう」

男「セックス?」

魔女「馬鹿かお前は」

男「……」

魔女「男女が裸で、ベッドでやる儀式なんて、セックスしかねぇだろーが」

男「……え」

魔女「……」

男「……えぇ」

魔女「……未遂だけどな」

男「……えぇー」




247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:11:59.01 ID:vrpR90FT0

魔女「……」

男「……」

魔女「……何だよ」

男「……」

魔女「……」

男「……お前」

魔女「……」

男「……言えよー……」

魔女「……言ったらどうなんだよ」

男「……」

魔女「コンドームでも用意したか? え?」




248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:12:53.19 ID:vrpR90FT0

男「……」

魔女「……前もって意識されると」

男「……」

魔女「儀式がやりにくい」

男「……」

魔女「……」

男「……いや」

魔女「……」

男「……でも、さぁ」

魔女「……」

男「……」

魔女「…………チッ」




249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:14:12.35 ID:vrpR90FT0

男「……」

魔女「だーから……、イヤだって言ったんだよ……、私は……」

男「……あ」

魔女「……はぁ」

男「……」

魔女「……」

男「いや……」

魔女「……ぅ」

男「……」

魔女「……、……んぐ」

男「……魔女?」

魔女「……おえぇ」バチャッ

男「魔女……っ」




250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:15:00.73 ID:vrpR90FT0

魔女「……ゲホッ、……はぁ」ヘタッ

男「おい……! 大丈夫かよ!」

魔女「……疲れた」

男「顔真っ青じゃねーか! おい――」ガシッ

魔女「……」グッタリ

男「冷た……」

魔女「……寒い」モソモソ

男「裸でベッドもぐるな馬鹿! 服! 風邪引く!」

魔女「……ぅー」

男「うーじゃねぇ!」




251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:15:44.80 ID:vrpR90FT0





魔女「……」

男「……」

魔女「……ぅー」モゾモゾ

男「……辛いか?」

魔女「……大丈夫」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……男」

男「ん」




252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:16:31.58 ID:vrpR90FT0

魔女「……ごめんなー」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……治せなくて」

男「……」


男(……――魔女は)

男(……イヤだって、言っていたのに)

男(……こんな、衰弱してるのに……)

男(……どうして)

男(……)

男(……)

男(……俺のため?)




253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:17:35.76 ID:vrpR90FT0

男(……そうかもしれない)

男(……違うかも、しれない)

男(……でも)


男「……魔女」

魔女「……」

男「……お前がさ、こんなになるまで」

魔女「……」

男「……俺の頼み、聞いてくれたのに」

魔女「……」

男「……俺は」

魔女「……」

男「自分のことばっかりで」

魔女「……」




254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:18:17.00 ID:vrpR90FT0

男「……ごめんな」

魔女「……」

男「……ありがとな」

魔女「男ぉ」

男「おう」

魔女「寒い」

男「……何か、かけるもの」

魔女「……ボケナス」

男「あぁ?」

魔女「来いよ」

男「……」

魔女「カイロの代わりくらいは、できるだろ」

男「……」




255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:19:02.06 ID:vrpR90FT0

男「……」モソモソ

魔女「……」

男「……」

魔女「……」ギュッ

男「……おい」

魔女「……」ギュウ

男「……」

魔女「はぁ……」

男「……ったく」

魔女「……」




256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:19:27.64 ID:vrpR90FT0

魔女「……」

男「……」

魔女「……何が見えた?」

男「……そうだな」

魔女「……」

男「……牛頭馬頭の、鬼」

魔女「……」

男「それから、ブラックホール」

魔女「……」

男「大釜」

魔女「……」

男「……あと……、白い、女の子」

魔女「……」




257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:20:00.13 ID:vrpR90FT0

男「……」

魔女「意味わかんねー……」

男「そうだな……」

魔女「……」ギュ

男「……」


男(牛頭と馬頭は……)

男(あの煮えた釜を、『世界の真の姿』と言っていた)

男(……あの少女は)

男(魔女だったのだろうか……)



魔女「……ゲロ臭」

男「……あとで、掃除しねーとな」


男(……もし、そうだとしたら)

男(……あの少女が)




258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:20:35.47 ID:vrpR90FT0

男(魔女自身の)

男(……真の姿?)


魔女「……お前」

男「ん?」

魔女「あっつい」

男「……」

魔女「ちょっと離れろクソ馬鹿。暑苦しい」

男「……このやろ」


男(……意地悪で、気まぐれで、口の悪い魔女の)

男(本当の姿は……)

男(人懐っこくて、遊び好きで……、少し、寂しがりに見える……)

男(……小さな、女の子なのかも、しれない)


魔女「……何ニヤけてんだよ」

男「……いや、別に?」




259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 01:21:18.48 ID:vrpR90FT0

魔女「……男」

男「ん」

魔女「今回の失敗は、おそらく……」

男「おう」

魔女「……お互い、足りなかったんだ」

男「何が」

魔女「愛と、信頼が」

男「……」

魔女「……」

男「……そうかぁ」

魔女「……」

男「……確かにな」

魔女「……」

男「……全然知らないもんな、俺たち……、お互いのこと」

魔女「おう」




267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:49:13.68 ID:vrpR90FT0

男「……だったら」

魔女「……」

男「これから……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……愛と信頼」

男「愛と信頼」

魔女「……」

男「……はは」

魔女「……」




268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:49:59.34 ID:vrpR90FT0

魔女「……」ギュッ

男「……」

魔女「……なぁ」

男「ん」

魔女「ちゅーしたい」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……そのうちな」

魔女「死ねークソヘタレー」ギリリ

男「いって……っ! つねるな馬鹿!」




269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:50:47.28 ID:vrpR90FT0

魔女「ほら」

男「……」

魔女「こっち向け」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……んぅ」

男「……ぁ――」

魔女「ん……っ――……」








270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:51:27.50 ID:vrpR90FT0





~某大学病院~


女医「……」

兄「……」

女医「信じられません……」

兄「そうかな?」

女医「下垂体の明らかな異常、内分泌系の狂い……、脳波も。こんな数値、見たこともない……」

兄「……」

女医「『計画』どころではありません! 男君の身体に……いえ、命に関わる――」

兄「男は問題ない」

女医「な……」

兄「そして、『計画』も順調だ」

女医「……そん、な」

兄「……いずれの検査結果も、想定通り。我々の『計画』に則ったものだ」




271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:52:18.46 ID:vrpR90FT0

女医「……兄さん、彼は――……、男君は、一体……」

兄「……ふぅ」

女医「……っ」ビクッ

兄「……好奇心かな?」

女医「いえ……っ! 忘れて下さい……!」

兄「はは、何をおびえているんだい」

女医「い、いえ……」ガタガタ

兄「いいさ、君が興味を持つのも無理はない」

女医「……」

兄「……女医君、彼は……男は、種なんだ」




272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:53:20.55 ID:vrpR90FT0

女医「種……」

兄「そう、新たな人類、大いなる進化……その大樹の礎となる、最初の……一粒の種だ」

女医「……」

兄「我々の『計画』――……、そのためにも、男には」

女医「……」

兄「立派に、芽吹いてもらわないとね」

女医「……兄さん」

兄「ふふ……」

女医「……っ」ゾクッ


兄(……――それにしても、『彼女』ね……)

兄(……少し、気になるファクタではある……)




273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:54:48.20 ID:vrpR90FT0





~市街・廃ビル~


友「……」

委員長「……迂闊だった」

友「……あの転校生が、まさか『春魔法の魔女』だなんてな」

委員長「……」

友「『結社』の連中も、気付きはじめている頃だろう」

委員長「……」

友「……これからは、騒がしくなる」

委員長「……ごめん、私が監視していながら――……」

友「いいさ。過ぎたことを悔やんでも仕方ない。それに……」

委員長「友君?」

友「……彼女を、俺たちの魔女団(カヴン)に引き入れられれば……」

委員長「ちょっと、本気!?」




274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:55:29.26 ID:vrpR90FT0

友「本気さ。あの力があれば……、魔術の究極……」

委員長「『いちばんおわりの魔術』」

友「……その成就に、大きく近付く」

委員長「確かに、ね」

友「我々『獅子魔女の会』が、世界を変える……」

委員長「……」

友「……その一助と、なってもらおうじゃないか」

委員長「……」

友「……だけど」

委員長「分かってる」




275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:56:38.30 ID:vrpR90FT0

友「……」

委員長「……もし、協力が得られないなら」

友「……」

委員長「……そのときは、私が」

友「……あぁ」

委員長「どんな手段を、使ってでも……!」

友「期待してるよ」

委員長「……」

友「……『いちばんおわりの魔術』」

委員長「魔術は世界に出会い」

友「世界は魔術を知る……」


委員長(……けれど、気になるのは……)

委員長(男……、彼は――……)




276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:57:39.86 ID:vrpR90FT0





~洋館・寝室~


男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……ん」

男「……」ナデ

魔女「……治ったら」

男「……」

魔女「……一発ヤラせろな」

男「……えげつない言い方やめろ」

魔女「……ヒッヒッヒ」




277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:59:08.27 ID:vrpR90FT0

男「……次は」

魔女「……」

男「うまく、いく気がするよ」

魔女「……」

男「何となくさ」

魔女「……そうだな」

男「……」

魔女「……でも」

男「……」

魔女「いいじゃん、今は」

男「……おう」

魔女「……このままで、こうして」

男「……おう」




278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 22:59:38.92 ID:vrpR90FT0



――魔法とは、意識を変える技術――


――俺は魔法にかけられて――


――今も魔法は――


――とけないまま――




279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 23:00:07.23 ID:vrpR90FT0



~おわりです~





282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/30(木) 23:20:53.52 ID:vrpR90FT0

これでこのSSは終わりです
お付き合いいただき、ありがとうございました




284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) 2012/08/30(木) 23:22:44.74 ID:vg2Ok2aOo

打ち切りじゃねーかァぁ




291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) 2012/08/31(金) 02:41:16.93 ID:yQvxdrBdo

深い読み方をするとキリがないな乙乙




292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) 2012/08/31(金) 02:55:53.78 ID:Ccrmr88Go



なんて匂わせる〆




295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/08/31(金) 08:02:10.19 ID:+oj7ebLjo

俺達の冒険はこれからだ!




296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/08/31(金) 08:12:16.28 ID:AilKlewvo

>>1先生の次回作に期待下さい




304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:38:20.91 ID:cSx9aYWG0

~おまけ:ある日のふたり~



男「……」ペラッ

魔女「……ヤンジャン?」

男「おう」ペラ

魔女「……」

男「……」

魔女「今週の?」

男「おう」

魔女「……」

男「……」

魔女「ハチワンだけ読ませてー」

男「……今カギューちゃん読んでるから」

魔女「ケチくせぇー、ハチワンだけだって」グイッ

男「お、い……っ、乗っかってくんな! 読めねーだろが!」




305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:39:02.28 ID:cSx9aYWG0

魔女「……んー」

男「……引っ付くなー」

魔女「……」ギュウ

男「……邪魔ー」

魔女「うるせークソ男ー」


男(……以前から、うすうす気付いてはいたけれど……)


魔女「……」

男「……」ペラッ

魔女「……」モゾ


男(……正直な話)


男「……どこ触ってんだクソ馬鹿!」

魔女「フニャチン」

男「馬鹿か!」

魔女「ヒッヒッヒ」


男(魔女はエロい……)




306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:40:06.69 ID:cSx9aYWG0

魔女「……んー……」モゾモゾ


男(その割に、ポルノ的なものは、嫌いだという……)


男「……じかに触るなよ、そんなとこ」

魔女「……なんで」

男「きたねーだろ」


男(……前に、ちょっとしたお願いをしたら、本気でドン引きされた)


魔女「……裸エプロン野郎が、なーにを偉そうに」

男「あ……あれは、わ、悪かったって……」

魔女「どへんたーい」

男「うるせ」


男(……知れば知るほど、)

男(……よく分からないヤツだと、思う)




307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:40:39.51 ID:cSx9aYWG0





男「……ほら、ヤンジャン」

魔女「ん」

男「……」

魔女「……」

男「……」ゴク

魔女「……」

男「……うーん」

魔女「……」

男「今日も茶がマズい」

魔女「殺すよ?」


男(……そうは言うものの)




308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:41:32.23 ID:cSx9aYWG0

男「……」ゴク

魔女「……ハチワンおもしれー」ペラ

男「……なんか」

魔女「ん」

男「ハーブ変えた? このお茶」

魔女「ちょっとな」


男(このお茶に、慣れてきている自分もいて……)


魔女「ペパーミントの分量減らして、違うの混ぜてみた」

男「ふぅん……」ゴク

魔女「……」


男(……けれど、やっぱり)


男「まじぃ」

魔女「いい加減ぶん殴るぞマジでお前……」




309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:42:07.18 ID:cSx9aYWG0





魔女「……真っ直ぐ立ってー」

男「……」スー

魔女「……リラーックス」

男「……」ハー

魔女「……そう」

男「……」

魔女「……ん」ギュ

男「……」


男(グラウンディング、センターリング)


男「……」

魔女「……んー……」


男(……――魔女の、匂い)




310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:42:45.31 ID:cSx9aYWG0

男「……なぁ」

魔女「……しゃべんな。集中」

男「……」

魔女「……」ギュウ

男「……なぁ」

魔女「……なんだよ」

男「……週末、どこか行かね?」

魔女「……やだ」

男「……」

魔女「……めんどくせぇ」ギュ


男(……出不精め)




311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:43:14.10 ID:cSx9aYWG0

魔女「……」

男「……引きこもりー」

魔女「……」

男「ニートになるぞ」

魔女「……うーるっせーなぁ、もう」

男「……」

魔女「どこ行くっつーんだよ」

男「……、……動物園?」

魔女「……」


男(……魔女は、意外と)

男(……動物好きだ)




312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:43:59.93 ID:cSx9aYWG0

男(野良猫を見つけると、必ず撫でようとしたり……)

男(動物モノのテレビ番組があると、食い入るように観ていたり――……)


男「シロクマとか、いるってさ」

魔女「……」

男「……あと、ポニーに触れる」

魔女「……」

男「……」

魔女「……めんどくせぇ」

男「……」

魔女「……今回は、付き合ってやるよ」


男(……ニヤけてる)




313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:44:35.75 ID:cSx9aYWG0





男「……じゃ」

魔女「おう」

男「またな」

魔女「ん。……あ、男」

男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……?」

魔女「クソ馬鹿」

男「……クソとか言うな」


男(……魔女に睨まれるのは、)

男(いまだにちょっと、怖い……)




314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:45:02.79 ID:cSx9aYWG0

男(でも、すごく睨むときのコイツは……)

男(怒ってるんじゃなくて……)


魔女「はぁ……、じゃあな」

男「……魔女ー」

魔女「……何だよ」


チュ


男「……」

魔女「……」

男「……」

魔女「……」

男「……じゃ、おじゃましました」

魔女「……おー」




315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:45:33.25 ID:cSx9aYWG0

男(何かが分かって)

男(何も分からないで)

男(……でも、明日も一緒に)

男(……小さな、白い魔女と、一緒にいれたらいいと思う)

男(……そう思います)




316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/08/31(金) 23:47:50.30 ID:cSx9aYWG0

これで本当に終わりです

魔女の勇気がEDを救うと信じて…!

ご愛読ありがとうございました!!




317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/08/31(金) 23:56:42.11 ID:rR2sdJVfo

                ハ        _
    ___         ∥ヾ     ハ
  /     ヽ      ∥::::|l    ∥:||.
 / 聞 え  |     ||:::::::||    ||:::||
 |  こ ?  |     |{:::::∥.  . .||:::||
 |  え      |     _」ゝ/'--―- 、|{::ノ!
 |  な 何   |  /   __      `'〈
 |  い ?   ! /´   /´ ●    __  ヽ
 ヽ      / /     ゝ....ノ   /´●   i
  ` ー―< {           ゝ- ′ |
        厶-―    r  l>        |
      ∠ヽ ゝ-―     `r-ト、_,)      |
      レ^ヾ ヽ>' ̄     LL/  、   /
      .l   ヾ:ヽ ` 、_      \\ '
     l    ヾ:ヽ   ト`ー-r-;;y‐T^
      |    ヾ `ニニ「〈〉フ /∥. j




320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/09/01(土) 03:56:03.02 ID:QRT2Xkfro

おつ





引用元
男「魔女?」魔女「おう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344689545/
[ 2012/09/02 15:00 ] 男女SS | TB(0) | CM(1)
名無しさん
正直機関とか出てきてたら読むのやめてたと思う。最後までイチャイチャでとても良かった。
2012年10月01日 01時21分
コメントの投稿






管理者にだけ表示を許可する



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。