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夏「あっつう……」 男「あなたが原因でしょう」

2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:10:09.60 ID:aJh7i4EUo

男「さて問題です。学校が終わって家に帰り、部屋に入ると変な生き物がいました。これはなんでしょう」

?「すかー……」

男「寝てるんですか? 小さい女の子? 羽? ふむ……興味深い」

?「すかー……フゴッ! うぅ……」

男「……メルヘンな生き物が自分のいびきで鼻を詰まらせているというのは、珍しいけれども見たくないものですね」

?「あ……暑い……クーラー……」ピッ

男「ほうほう。クーラーのリモコンを操作して?」

?「すかー……」

男「暑苦しい熱帯夜の夜を演出し、また眠ると。えー、少しよろしいですかそこのあなた」

?「……う……何?」

男「あなたは何者でしょうか? 私自身の妄想で無いとすれば、生物学的な種類などを教えていただけると幸いです」

?「……うざっ」

男「ふむ。えー、コホン。すーこーしーよーろーしーいーでーすーかー?」

?「うっせえ……あれだ、真夏が見せた幻想だよ。理解したら黙れ。決してその幻想をぶち壊すな」

男「つまり私の妄想という事ですか。実に興味深い。私の妄想さんであるという事は、私の内面的なストレスがこういう形を取ったということでしょうか?」

?「非日常に変なベクトルで免疫のある奴ってうっとうしいわぁ……あー、あれだ。夏の妖精だよ。自己紹介終わったし寝る」

男「夏の妖精? 妖精というと、北欧などで言われるフェアリーのような者でしょうか? 言われてみればこの羽や大きさといい納得できますね。しかし夏というのは一体?」

?「ああもう面倒くさい。ほれ、身分証明書。ここ見てみ。書いてんだろ、職業欄に『夏』って」

男「……確かに書いてありますね。しかし何故これは日本語表記なのでしょうか? そもそもあなたは何故日本語を?」

夏「うっぜええええええええええ!! なんなのよあんた!? そこなの!? 違うでしょ!?」

男「理解不能です」



引用元
夏「あっつう……」 男「あなたが原因でしょう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311570535/
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北):2011/07/25(月) 14:11:42.18 ID:CIf4SFSAO

いい温度差だ



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:11:50.21 ID:aJh7i4EUo

男「納得はできませんが理解はしました。つまり、あなたは夏の妖精で、私の妄想ではないと」

夏「そうよ」

男「ではいくつか質問を。あなたは何をする為ここに?」

夏「今期アニメ見たいから仕事ブッチぎって人間界に来たのよ。この部屋に来たのは偶然」

男「…………」

夏「なんか言いなさいよ」

男「申し訳ありません。かなり予想外の答えが返ってきたものですから」

夏「あんたにもわかるでしょ? 毎日毎日温度調整のメモリを操作する仕事を朝も昼も晩も続けて、楽しみの深夜アニメが見れない辛さ」

男「理解できません。第一、アニメは子供の見るものでしょう」

夏「は? あんたアニメ馬鹿にした? あ? やんの? やんのかオラ? てめどこ中だコラ?」

男「これが噂の『メンチを切る』というものですか。実際に見ると愛らしいものですね」

夏「おうてめ? なに余裕こいちゃってんの? やっちゃうよ? やっちゃうよ?」

男「話が進みませんね。ふむ、申し訳有りませんでした。以降は気を付けましょう」

夏「やっぱ馬鹿にしてんだろ? あ? 出るとこ出るかおうコラ? メガネ叩き割んぞコラ?」

男「先程の会話の中で、温度調整のメモリと言いましたが、どういう意味でしょうか?」

夏「あー? 温度調整って言ったら温度調整に決まってんでしょ。結構こまめに調整しないと苦情来るんだわ。つうかアニメをだな」

男「ふむ。と言う事は、今年の猛暑はまさか……」

夏「あ、シュタゲの視聴予約入れとかなきゃ。いやー、今後の展開どうなるんだろね。原作やってるからストーリーは知ってるんだけど、やっぱ見ちゃうよねー」

男「露骨に話を逸らしましたね。まあ大体は把握しました」



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:12:19.19 ID:aJh7i4EUo

男「ではお帰りを」

夏「え?」

男「お帰りを」

夏「いやいやいや、意味分かんないし」

男「ご自宅に戻ってくださいという意味です」

夏「いやそうじゃなくて」

男「?」

夏「今までの話の流れや、こういうファンタジーな流れだと、何だかんだ言いつつもあたしがここに住んで、ドタバタちっくなコメディ展開する流れでしょ」

男「?」

夏「うーわ、なにその『こいつ頭おかしいんじゃないか?』って顔。腹立つわー」

男「妖精はテレパシーが使えるのですか? やはり興味深い」

夏「あああああっ!! むっかつく!! ああもう!!」

男「ヒステリーは一般的にあまり良い印象を受けません。今後は気を付けた方がよろしいかと」

夏「キーーーッ!!」ぺしぺしぺし

男「あまり痛くはありませんが、暴力はやめましょう。話し合う心が大事です」

夏「ムキーーーーーー!!」ぺしぺしぺしぺしぺしぺし



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:12:45.14 ID:aJh7i4EUo

男「落ち着きましたか?」

夏「ぜえ……ぜえ……」

男「落ち着いた所で聞きたいのですが、よろしいですか?」

夏「ぜえ……あによ?」

男「今の話を総合するに、別に私の家でなくとも問題ないのではと」

夏「どゆこと?」

男「あなたはアニメを見たい為に仕事を放棄し、人の世界にやってきたと言いましたよね?」

夏「うん」

男「ならば、この家に固執する必要は無いのではないかと。別のご家庭に行き、先程のように駄々をこねればよろしいのではないでしょうか?」

夏「あー……駄目なのよそれ」

男「……? それは何故?」

夏「変な決まりがあってねー。あたしらを最初に見た人間に関係する人以外に姿見せたらクビなのよ」

男「実に迷惑な決まりですね。しかも取ってつけたような」

夏「ねー。ご都合主義的なアレってどうなのかしらね」

男「危険な匂いがします。この話題はやめておきましょう」

夏「だね。下手したら消されかねないし」



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:13:19.55 ID:aJh7i4EUo

男「つまり、この家に住む以外に道はないと」

夏「そう」

男「ふむ……」

夏「あたしさ……仕事放り出してここに来ちゃってる訳じゃん?」

男「無責任極まりない事に」

夏「ま、まあそういう訳でさ。やっぱ……帰ったらそれ相応の罰みたいなのがあってさ……」

男「なるほど。続けてください」

夏「うん。でね、もしかしたらその罰で最悪あたしは……消されちゃうかもしれない」

男「…………」

夏「だから! だから……せめてこの夏が終わるまで……住まわせてもらえないかな?」

男「わかりました」

夏「ありがとう……ありがとう!」

男「お帰りください」

夏「なんでそうなんだよ馬鹿野郎!! ちっげーだろ!? そこちっげーだろ!?」

男「?」

夏「がああああっ!! ちっくしょおおおお!!」べしべしべしべし



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:13:50.90 ID:aJh7i4EUo

男「さて落ち着きましたか?」

夏「…………はい」

男「では、私があなたを住まわせたくない理由をお話ししましょう」

夏「うー……」

男「簡単な話です。あなたを私の家に住まわせるメリットが全く無い。それだけです」

夏「メリット?」

男「はい。あなたが部屋にいる限り、私のプライベートな時間は減り、更には電気代や、少ないでしょうが食費が増すでしょう」

夏「うう……」

男「私がそこまで奉仕する必要性はどこに?」

夏「よ、妖精が家にいるというファンタジー的なかわいさ?」

男「…………チッ」

夏「舌打ちするこたぁねえだろ!? いいじゃん! かわいいだろ? ほれほれほれほれ!!」

男「小さな生き物の奇妙なヨガを見せられても、どう反応していいか」

夏「ヨガじゃねえよダンスだよド畜生」

男「…………チッ」

夏「なんで今の返答で舌打ちされなきゃいけないんだよばかああああああっ!!」



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:14:20.18 ID:aJh7i4EUo

男「もう何度目かわかりませんが、落ち着きましたか?」

夏「…………グスッ」

男「泣いても駄目です。さて、何か今までの話の中で反論はありますか?」

夏「…………ない」

男「いい返事です。さて、お帰りはこちらから」ガラッ

夏「……窓から飛び降りろとでも言うの?」

男「はい? あなた羽があるじゃないですか。飛んでいくのでしょう?」

夏「無理よ。そもそも飛んでいける場所じゃないし」

男「ほう。ではあなたはどうやってここへ?」

夏「来るのは簡単なのよ。向こうの門をくぐるだけ。でも、帰るには向こうの門を開けてもらう必要があんの」

男「……次元が違う? いや、隠れてる? 興味深い」

夏「次元とか裏設定的な考察とか厨二病乙。プークスクス」

男「今すぐ出ていきますか?」

夏「勘弁して下さい」



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:15:14.03 ID:aJh7i4EUo

男「話を纏めると、今すぐは帰るに帰れないと」

夏「うん……」

男「帰れるのはいつ頃になりそうですか?」

夏「あたし無断で出てきたし、早くて季節の変わり目かな」

男「9月か10月というところか。ちなみに、今出ていった場合はそれまでどうするんですか?」

夏「野宿するしかないかな。一応は姿消せるけど、万が一にも他人に見つかるとマズいし」

男「なるほど。わかりました。帰るまでの滞在を許可しましょう」

夏「だからせめて、帰れるまでの間でいいからってオーーーーイ!? いいの? マジ?」

男「ノリツッコミのレベルは低いようですね」

夏「ほっといてよ。っていうか、ここにいていいの?」

男「いくつか条件は出しますが許可しましょう」

夏「え? まさかあんたの肉欲を満たせとかじゃないわよね?」

男「違います。あなたの何を見せてもらって欲情しろと言うのですか」

夏「それはそれで失礼じゃね? まあいいわ。で? 条件って?」

男「簡単なことです。あなたから色々と妖精について教えてもらいたい。知っている限りでいいので」

夏「それだけ? マジ? 後になってアニメ見るなとか漫画読むなとかゲームするなとか言わない?」

男「衣食住より娯楽優先のあなたの今後が心配ですが、本当です」

夏「オッケーオッケー! 飲むわその条件。そうと決まれば視聴予約視聴予約っと」

男「……録画じゃ駄目なんですか?」

夏「生で見るからいいのよアニメは」

男「理解できません」



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/07/25(月) 14:15:41.34 ID:aJh7i4EUo

夏「じゃあ今後ともヨロシク(クク……嘘八百並べて助かったわ。人間って馬鹿よねー。お涙頂戴に本当に弱くて助かるわ)」

男「ええ。よろしくお願いします(この顔は嘘八百並べているといった顔ですね。まあいいでしょう。)」

夏「ウフフフフフ(これで夏の間、あたしは幸せなロングバケーション! ヒャッハー!)」

男「はははははは(私の想像する幻想の世界……小さな女の子だらけのメルヘンワールド!! その世界の王に私はなる……っ!!)」



18: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:28:35.09 ID:ZV7nnmlIO

男「さて、実際に住むとなるにあたって、幾つか質問を」

夏「ん? 好きなタイプとか? 無いわー、あんたみたいなひょろメガネだけは無いわー」

男「黙れ虫。話を続けましょう。あなたは食事は行いますよね?」

夏「そりゃ食べるけど。つうか、え? なんかあたし今すっごい扱いされたような気が」

男「気のせいです虫けら」

夏「え?」



19: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:29:30.43 ID:ZV7nnmlIO

男「まず食料ですが、普段はどういったものを? やはり花の蜜などでしょうか? 蜂蜜などで代用可能ですかね?」

夏「なにその胸焼けしそうな献立。嫌がらせ?」

男「これでも配慮したつもりでしたが。ではどのような物を好むのですか?」

夏「和食かな。鯖の塩焼きとか好き」

男「夢は夢のままが美しいという事ですね。よく理解しました」

夏「泣いてんのあんた?」

男「ほっといて下さい」



20: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:30:19.61 ID:ZV7nnmlIO

男「では食事を行うという事は、排泄も行なう訳ですね」

夏「そりゃまあ……つうか何て質問すんのよあんた。流石にセクハラでしょうが」

男「部屋の隅にぽろぽろフンをされては困りますし」

夏「お願いしますから、せめてゴキとかネズミよりマシな扱いして下さい」



21: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:31:05.22 ID:ZV7nnmlIO

男「ここがトイレです。一階にもありますので、後ほど案内します」

夏「へいへい」

男「鍵はここです」

夏「人間用だけあって、やっぱでっかいなぁ。かけなくていい? あんたもその方がいいでしょ?」

男「なぜそういう思考に辿り付いたのか聞きましょう」

夏「いやラッキースケベ的に」

男「掛けろ。わかったか。二度は言わない」ぎちぎちぎち

夏「ギブ! 潰れるって! マジギブ!」



22: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:32:05.47 ID:ZV7nnmlIO

男「さて……次は、あまり気が進みませんが、あなたのエサに関する問題を解決しましょう」

夏「エサとか言うな」

男「あなたを母に紹介します。適当に可愛く振る舞っていて下さい」

夏「ごめんなさい……あたしひょろメガネを旦那にするのはちょっと……」

男「いいか? そういった言動は一切禁止だ。わかったか?」ぎりぎりぎりぎり

夏「切れるっ! ねじ切れるっ! らめええええっ! ヤバいって! マジヤバいって!」



23: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:32:55.41 ID:ZV7nnmlIO

母「あらぁ、かわいいお客様ねー。妖精さんなのぉ? よろしくねぇー」

夏「ねえ」

男「……なんですか?」

夏「なんなのこのちっちゃくてむっちむちでぽよんぽよんでほわんほわんのお姉さん」

男「……母です」

夏「…………」

男「そういう目で見ないで下さい。私だって身内がこうだなんて辛いんです」

母「どーしたのぉー?」



24: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:33:51.56 ID:ZV7nnmlIO

男「食事などは問題無しと。戻る前に浴室なども説明しましたし、これであらかた大丈夫でしょう」

夏「うーん……」

男「排泄はトイレでお願いします」

夏「ちげえよ」

男「何が問題なのですか?」

夏「いやさ、便所ネタはやるくせに、お風呂に関係する部分をキンクリとかやる気あんのかなー? とね」

男「黙れ。今すぐにだ」



25: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:34:45.02 ID:ZV7nnmlIO

男「では、問題もある程度解決しましたので、幾つか妖精に関する質問をさせて下さい」

夏「おうよ。バッチコーイ」

男「まず、妖精の世界に関してですが、あなたみたいな妖精はどれぐらいいるのですか?」

夏「さあ? あたし引きこもりだし。外大嫌いだから、仕事無い間は家から出ないしテレビはゲーム以外で使わないしわかんない」

男「……あなた何の妖精でしたっけ?」

夏「へ? 夏の妖精だけど?」

男「青い空、白い雲、輝く太陽ってどう思います?」

夏「消えてなくなれ」

男「あなた何の妖精でしたっけ?」

夏「だから夏の妖精だって」



26: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:35:27.10 ID:ZV7nnmlIO

男「せめて知り合いの妖精はいないのですか? 例えば他の季節の妖精などは?」

夏「ん? 春と秋と冬なら知ってるけど? つうか姉妹だし」

男「ほう? ではその方々の事を教えて下さい」

夏「春は軍人」

男「待て」

夏「え?」



27: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/25(月) 20:36:04.01 ID:ZV7nnmlIO

男「……では、春は軍人、秋は男好きの痴女、冬は熱血ジャージで間違いないんですね?」

夏「だいたいあってる」

男「本当に……合ってるんですね?」

夏「うん。そういえば、あたしら姉妹って変わり者だとかどうとか噂で聞いた事あるかな」

男「詳しく教えろ。頼む。心から頼む」

夏「土下座とかやめて下さい。いやほんと頼んます。なんかこっちが悲しくなるんで」



32: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:29:47.09 ID:HGhSk4TIO

男「さて、そろそろ寝ますか」

夏「は? まだ10時じゃん」

男「もう22時です」

夏「……あんたって郷ひ◯みとか哀◯翔とか親戚にいたりしない?」

男「私はどこにツッコミを入れるべきなんでしょうかね」



33: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:30:40.07 ID:HGhSk4TIO

夏「つうか、こんな早く寝ちゃったらアニメ観れないじゃない」

男「私は観ませんし、自分の生活リズムを変える気もありません」

夏「わかったわよ。じゃあヘッドホン貸して。起きて一人で観るから」

男「仕方ありませんね」

深夜

夏「ゆっりゆっらっらっゆっりゆるゆり」

男「アニメのOPを観ながら歌うな害虫」ごりごりごりごり

夏「いだいいだいいだいいだい! 削れる! 削れるって!」



34: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:31:19.80 ID:HGhSk4TIO

翌朝

男「さて、私は学校に行きます。食事に関しては、明日から夏休みですので私がいますが、今日は母にでも直接頼んでください」

夏「うー……」

男「あんな時間まで起きているから起きれないんです。今後は自重して下さい」

夏「あー……」

男「全く……」ぱたん

夏「……行ったか。よし!」

昼過ぎ

男「今戻り……ほう」

夏「くたばれメリケン野郎! ハッハー!!」カチカチカチカチ

男「どこから持ってきたこのゲーム機」

夏「家から魔法でちょろっとってだめぇぇえっ!! 小さくなったとは言え、箱◯の電源は凶器なのおおおおおっ!!」ぷちっ



35: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:31:53.50 ID:HGhSk4TIO

男「先ほど、魔法と言いましたよね? そんな事が可能なのですか?」

夏「はい……。あの、出来れば膝の上の箱◯をどかして頂けると……膝から結構嫌な音してますし」みしみしみしみし

男「質問にだけ答えろ。さて、魔法とはどのようにして使うのですか?」

夏「えっと、かわいい服を着て、杖をこうかわいく振って、『それー』って掛け声で」

男「…………」ごりっ

夏「んぎゃあああああっ!! マジ! マジだって! って今パキンっつった! パキンっていってえええええ!!」



36: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:32:38.42 ID:HGhSk4TIO

夏「おおおお……」ぴくっぴくっ

男「これだけやって吐かないということは、本当にそんな魔法なんですね」

夏「……言いたい事はそれだけか外道メガネ」

男「悲しい事件でした」

夏「いつか……いつか殺ったる……」

男「何か?」ブンブンブン

夏「ナマ言ってすんませんしたぁ!!」



37: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:33:21.04 ID:HGhSk4TIO

男「試しに使ってみて下さい」

夏「別にいいけど、何に対して使えばいいの?」

男「私に害が及ばないものであればなんでも」

夏「ふーん。まあいっか。それー」

男「……特に変わった事はありませんね。何をしたんですか?」

夏「あんたの母ちゃんをマッハ2で飛べるようにしてみた」

男「…………」

「きゃああああああっ!?」どーん

男「…………」

夏「戻します。今すぐ戻しますんで勘弁して下さい。これ以上は死にます。しんでしまいます」ビクンビクン



38: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:33:58.88 ID:HGhSk4TIO

男「まあいいでしょう。ゲーム機に関しては自分の物だという事で許可します」

夏「っしゃあ!!」

男「他には何かやらかしていませんよね?」

夏「他に……ああ、ウチに届く予定だったAmaz◯nの荷物をここに送るように変更したわね」

男「……どこまで流通を支配しているのですかあの企業は」

夏「気付かない方が幸せな事ってあるよねー」



39: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:34:30.22 ID:HGhSk4TIO

母「失礼しまーす。なっちゃーん、ちょっといいかなぁ?」

夏「はいはーい? どったの?」

男「一日でどれだけフランクな付き合いしてるんですかあなた達」

母「あのねぇ、外にいーっぱいなっちゃん宛の荷物を持った業者さんきてるんだけどぉ」

夏「おお、早速きたのね。オッケー、受け取っといてー」

母「わかったぁ。頑張るねー」

男「待って下さい母さん。ちなみに荷物はどれぐらい来ているのですか?」

母「うーんとぉ……色んな所から、合計で百個ぐらいかなぁ?」

男「待て害虫。どこに逃げる」がしっ

夏「ヒィッ!?」



40: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:35:04.62 ID:HGhSk4TIO

夏「ひどい……ほとんど返品なんてひどい……。この鬼! 悪魔! ダサメガネ!!」

男「一部を残してやっただけでもありがたいと思って下さい穀潰し」

夏「ううう……」

男「泣いても無駄です。ところで、この大きな箱に入ったものはなんですか?」

夏「新作エロゲ。初回盤ね」

男「なぜ三つも同じ物が……?」

夏「プレイ用、保存用、布教用に決まってんでしょ? あんた馬鹿なの? 死ぬの?」

男「……あなた何なんですか?」

夏「だから夏の妖精だって」



41: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:35:42.84 ID:HGhSk4TIO

男「というかあなた、よくまあこれだけの買い物できますね。使ってるのは綺麗なお金なんですか?」

夏「失礼ねあんた。ちゃんとした仕事で給料もらって貯金して買ってるわよ」

男「しかし、あなたの仕事と言えば、夏の間の目盛り調整でしょう?」

夏「うん。つうか、それ以外の仕事なんてした事ないし」

男「刺身にタンポポを乗せるような単純作業で貰える給料など、たかが知れてるのでは?」

夏「せめてドモホ◯ンリンクルを見つめる仕事ぐらいの例えにしてよ」

男「違いがわかりません」



42: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:36:16.65 ID:HGhSk4TIO

夏「つうかあんたは目盛り調整の仕事をナメてる」

男「はあ」

夏「よく考えてみなさい。朝も昼も晩も休む事なくひたすら目盛りをミリ単位で動かし続けるのよ?」

男「休憩は無いのですか?」

夏「魔法でちゃっちゃと疲労回復。お腹も魔法で常に八分目。言っとくけど地獄よ地獄」

男「交代などは?」

夏「あたし以外にこれだけ過酷な仕事ができるもんですか。妖精の中でも夏の資格ってのはオンリーワンな存在なの。エリートよエリート」

男「それ、面倒ごとを金で押し付けられてるだけですよね」

夏「おいやめろ」



43: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 00:36:55.93 ID:HGhSk4TIO

男「では、そのオンリーワンな仕事を放棄してる今、あなたの代わりは誰が?」

夏「多分、妹の春か冬姉じゃない? 秋は次の季節だし、負担かけちゃマズいし」

男「……それだけ過酷な仕事を押し付けられて、果たして妹さんやお姉さんは平常心を保ってられるのでしょうか?」

夏「あっはっは。んな訳ないじゃん。間違いなくあたしブッ殺され……」ガクガクガクガク

男「……あなたの事は忘れません。向こうに帰ってもどうか達者で」

夏「殺して! いっそ今の内に一思いに! お願いだからあああっ!!」



48: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 21:50:46.88 ID:+pzQZ/XIO

男「落ち着きましたか?」

夏「なんかどうでもよくなりました。ふふ……もうなにもこわくない」

男「ところで、そこまで怯えるとは、お姉さんはそんなに恐ろしい妖精なんですか?」

夏「冬姉はまだわかりやすくお仕置きするからマシよ。42.195キロを飛ばずに完走しろとかで済むし」

男「あなたの大きさでフルマラソンは充分にキツいお仕置きだと思いますが」

夏「でも違うのよ。一番ヤバいのは春。あいつのはお仕置きじゃなくて拷問よ拷問」カタカタカタカタ

男「ああ、確か軍人だとか言ってましたね」

夏「そう。例えばアレを爪の間にアレしたりとか、焼けたアレをアレにアレしたりとか、アレをアレにアレがアレで」ガクガクガクガク

男「どうやらトラウマのスイッチを押したようですね。ふむ、興味深い」

夏「ひぎぃっ! らめぇぇえっ! それはそう使うものじゃ……おおっとそいつは予想外!? まさかのまさかの使い方ああぁああああっ!? いやあぁああああっ!!」びくんびくん



49: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 21:51:45.94 ID:+pzQZ/XIO

男「はっはっは。なかなかに楽しい見世物でした」

夏「あんたも大概いい性格してるよね」

男「ですが、あなた魔法が使えるんでしょう? 妹さんにも負けないんじゃないですか?」

夏「そりゃ使えるけど、春かだって使えるし」

男「なるほど。確かに」

夏「第一、杖振ってる間にライフルで頭撃ち抜かれるわよ」

男「……妖精の話ですよね?」

夏「妖精の話ですよ?」



50: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 21:52:18.68 ID:+pzQZ/XIO

男「話は戻りますが、この大量の荷物を早目に整理してもらえますか? 少なくなったとは言え邪魔で仕方ありません」

夏「あーはいはい。それーっと」

男「ほほう。綺麗に消えましたね。一体どこへ?」

夏「どこぞの青ダヌキと同じように、四次元の倉庫にぶち込んだの。あたしの家もそれなりの広さあるけど、こうしなきゃあっという間にパンパンよ」

男「……さっきの荷物、最初からそうすれば良かったとは思わないのですか?」

夏「……あ」



51: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 21:52:45.71 ID:+pzQZ/XIO

男「まぁ過ぎた事です。諦めましょう。はははは」

夏「しにたい」

男「しかし、あらかた消したとは言え、まだそれなりに色々ありますね。これは何ですか?」

夏「あー、古いアニメのBDボックス。送るの忘れてたわ」

男「古いアニメ? 観てなかったから買ったんですか?」

夏「リアルタイムで観たよ? なんで?」

男「また観る為に買ったんですか?」

夏「観ないよ? リアルタイムで観たって言ったじゃん」

男「……え?」

夏「え?」



52: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 21:53:34.34 ID:+pzQZ/XIO

夏「そういやあんた、明日から夏休みとか言ってなかった?」

男「ええ。八月いっぱいまでは休みです。予定も特にありませんので、その間に妖精に関するレポートをまとめられたらと」

夏「…………」

男「別に実験動物扱いをする訳ではありません。普段通りにしておいて下さい。まあ妖精の世界に関する事をお聞きする事はありますが……」

夏「あんた……」

男「……(警戒されたか。まあ予想の範疇内ですね)」

夏「一緒に遊びに行く友達いないとか見た目まんまのキモひょろメガネなのね。プークスクス。夏の間、部屋の中で小さな女の子と一緒とかどんだけ暗いの? ブフフッ!」

男「言いたい事はそれだけか」ぽたっ……ぽたっ

夏「このオチ……そろそろ限界だと思いマス……」ごとり



54: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 22:04:50.91 ID:ZBrYIboFo

夏「さてと、荷物の整理整理っと」

男「あなたの回復力って生物としてどうなんですか?」

夏「まあギャグだし」

男「それ以上は言うな」

夏「っていうのは冗談として、魔法あるしねー。怪我ぐらいあっさりあっさり」

男「その魔法ですが、便利すぎませんか? 何らかの制限みたいなものはないんですか?」

夏「無いよ? 第一、弱点あったらそこを塞ぐでしょ。結果があの魔法なのよ。まあ服を着替えたり杖振ったりとか面倒な手順はあるけど」

男「(やろうと思えば世界征服だって可能な代物じゃないですか……このままにしておくのは危険過ぎるのでは……)」

夏「う……鼻水が……ティッシュティッシュ……って間に合わないしいいや。それーっと。便利便利」

男「あなた、ずっとそのままの馬鹿でいてくださいね」ニコリ

夏「喧嘩売ってんのあんた?」



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/07/26(火) 22:08:18.87 ID:quztpU5so

あつは夏いねー



56: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 22:09:44.79 ID:ZBrYIboFo

男「荷物をざっと見ましたが、本当に漫画とゲームとアニメしかありませんね」

夏「他のこととか興味ないしねー」

男「スポーツなどはしないのですか? 夏と言えばマリンスポーツなどあるでしょうに」

夏「冬姉に無理やり海に連れてかれた時、面倒だから服着て泳いで溺れて以来、海大嫌い」

男「徹底して駄目な人ですねあなた」

夏「だからあんた喧嘩売ってんの?」



57: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 22:13:21.09 ID:ZBrYIboFo

男「では他のスポーツなどは? 避暑地でテニスなどでしたら涼しいですし、いい汗もかけるじゃないですか」

夏「スポーツ全般が嫌いなのよあたし」

男「それは運動音痴ということでしょうか」

夏「違うわよ。前に『運動神経だけは無駄に良い。本当にどうしてこうなった』って泣きながら言われたこともあるし」

男「ほう。それは誰に?」

夏「神様」

男「は?」

夏「へ?」



58: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 22:18:19.13 ID:ZBrYIboFo

男「まさかこんな会話で神の存在を知ることになろうとは……」

夏「そりゃあんた、妖精がいるんだから神様だっているでしょうに」

男「その理屈はおかしい」

夏「ついでに言うと、悪魔の大将とかもいるわよ。サタンだっけ? あのエロ親父いつかシメたる」

男「まさか一般人の学生が神や悪魔の存在を誰よりも早く立証するとは……」

夏「この時期なら、ゴルフでも行ってんじゃないあいつら? もう歳なのにねー。あはは」

男「は……ハルマゲドン?」

夏「なにそれおいしいの?」



59: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 22:23:45.86 ID:ZBrYIboFo

男「あなたと話していると、自分の常識が音を立てて崩れていく気がします」

夏「へ? なんでよ」

男「そう言えばあなた、自分のことをエリートだとか言ってましたが、地位的にはどの程度なのですか?」

夏「んー? 神様のおっさんにチョップぶち込んでも笑って許される程度の地位かなー」

男「なん……だと……?」

夏「まあ、後で春と冬姉からとんでもないめにあわされたけどねー……」

男「神よりも姉妹が怖いとかどんな基準なんですか」



60: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 22:28:47.53 ID:ZBrYIboFo

夏「ともかく、あんたが思ってるほどすンごい存在でもない訳よ」

男「そ、そうですか」

夏「第一、この星だって、宇宙かき混ぜてる時によそ見してたら偶然出来たとか言ってたしねー。あはははは」

男「…………」パンッ

夏「手も触れず、無言で自分のメガネのレンズを割るとか、あんたも人間離れしてるわね」



61: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/26(火) 22:34:07.47 ID:ZBrYIboFo

男「頭が痛くなってきました。今日は早く寝るとします」

夏「は? マジ? あんた明日から休みなんでしょ? いいじゃんもう少し起きてなさいよ」

男「一人で遊んでいてください。ほら、ゲームも好きなだけおやりなさい」

夏「えー……ロープレのレベル上げやらせようと思ったのに……もー……」

男「(深く考えるのはやめておきましょう。なんとなく、明日からはそれなりの毎日になる気がします)」

夏「そうやってモノローグ入れて、日常系の話を乱発して間を持たせる流れにするのって正直無理があるよねー」

男「思考を読むな。消すぞ」ぎりぎりぎりぎり

夏「だからこのオチはもう無理がって閉まる閉まる閉まる! 漏れる漏れるおミソ漏れるって!」



67: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:05:26.55 ID:Qjmnr8S9o

夏「日常ったって、どこぞのメカ娘としゃべる猫に博士のセットなんかが出る訳でもなし」

男「何を言っているのかわかりませんが、今すぐその話題はやめるべきかと」

夏「へーへー。冷蔵庫に麦茶あったっけ?」

男「あるにはありますが、それより馴染み過ぎでしょうあなた」

夏「気にしたら負け負け。むーぎーちゃー」ふよふよ

男「妖精が空を飛ぶという幻想的な光景なはずなのに、全く感動が無いというのはどうなんでしょう」

冷蔵庫前

夏「ゴフゥッ!!」

男「そしてめんつゆを麦茶と間違えて飲むと。一昔前のコントみたいな生き方してますねあなた」



69: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:16:08.42 ID:Qjmnr8S9o

夏「…………」カチャカチャ

男「珍しく静かですね。何してるんですか?」

夏「んー? 2ちゃんで巡回」

男「……巡回ということは、頻繁に?」

夏「まあねー。何だかんだ言って情報早いし。あー、『誰?』っと」カチャカチャ

男「手馴れてますね」

夏「んー。『精神を加速させろ』っと」カチャカチャ

男「色々言いたいことはありますが、深入りはやめておきます。程々にしておいて下さい」

夏「うーい。『はい』っと」



70: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:27:23.95 ID:Qjmnr8S9o

男「一日中、部屋でゴロゴロゴロゴロしてて飽きません?」

夏「そう? まあ妖精なんてこんなもんだよ」

男「絶対に違うと思います。しかし、カーテンを閉めきってまでというのはどうかと」

夏「だって暑いし」

男「たまには日光も浴びないと病気になりますよ」シャッ

夏「そんなもん魔法でってぎゃあああああああああああ!! 目が! 目がああああああああっ!!」

男「はははは。土から掘り起こされたモグラみたいですよ。あはははは」

夏「そこ絶対笑うとこじゃねえし! んぎあああああああ!!」



71: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:30:52.06 ID:Qjmnr8S9o

夏「あー、死ぬかと思った」

男「あれだけ苦しむなんて、あなたどれだけ日光浴びてなかったんですか」

夏「んー……40年ぐらいかな?」

男「…………あなた何歳なんですか?」

夏「やーん。乙女に歳を聞くなんて嫌われちゃうゾ」

男「やーんじゃねえよ質問に答えろ。今後の俺の人生がかかってんだよ」

夏「なにそれこわい」



72: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:32:05.17 ID:Qjmnr8S9o

男「つまり、妖精と人間では時間の感覚や寿命が違うと」

夏「そうそう。あんたらでの一生はあたしらにとっての一瞬でもあんのよ」

男「ふむ……」

夏「つまり、あたしらは次元が違う存在でもあるんだけれど、なぜ普通にあんたと会話したりできるのかって言うと……」

男「そういうのはどうでもいい。つまりあなた達は若いままの姿でいるという事が重要なんです」

夏「いやまあ若いまんまなんだけどこっちみんなロリペド野郎」



73: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:38:25.80 ID:Qjmnr8S9o

夏「ねえあんた、これちょっと見てみ」

男「アニメ……ですか? 私はそういうのはあまり」

夏「いいからいいから、騙されたと思ってほれ」

男「仕方ありませんね……」

数時間後

男「これ、続きはないんですか?」

夏「(ロウ◯ゅーぶにうさ◯ドロップに異国迷路の◯ロワーゼ……やべえ、こいつ本物だ)」カタカタカタカタ



74: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:44:31.02 ID:Qjmnr8S9o

夏「いやまて落ち着け。まだ慌てる時間じゃない」

男「誰に言ってるんです?」

夏「うるせえこっちは色々ギリギリなんだよ」

男「はあ。よくわかりませんが、それで続きは……」

夏「んー、残念ながら今の所、録画してるのはあれで全部なんだよね」

男「そうですか……」

夏「ま、まあ来週の楽しみってことで!」

男「そうですね。ゆっくり待つとしましょう」

夏「いやー、しかしあれだね。あんた熱血スポ根とか、父性本能とか、環境の変わった子の頑張る姿とか好きなんだねー。あはは」

男「……? なんの話をしてるんですかあなた?」

夏「(ストーリーを全然見ていない……だと……?)」



75: ◆Vcef9xkjaI:2011/07/31(日) 00:49:33.52 ID:Qjmnr8S9o

夏「ねえママさん……」

母「どうしたのぉなっちゃん?」

夏「自分の息子が……いや、なんでもないや」

母「ほへぇ?」

夏「(あんたの息子、ガチもんのロリペド野郎なんだー。いつか捕まるかもね! ティヒッ! なんて流石のあたしにも言えねえ)」ダラダラダラダラ

母「すっごい汗だよぉ? 大丈夫なっちゃん?」

夏「あ、いえお構い無く。ほんとマジで気にしないで下さいって言うか、なんかすんませんほんと」

母「?」



81: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:07:21.74 ID:NGOYMuxIO

夏「すんごいアイス食べたい」

男「今更ですが突然ですね」

夏「あいすーあいすー! ういーあいすー」

男「私の家族は甘い物があまり好きではないのでありません。あと握り潰してもいいですか?」

夏「えー、なら買ってきて。あと断固拒否」

男「ふむ……ちょうど良い機会かもしれませんね。買い物ついでに実験してみますか」ひょい

夏「え? なんで摘ままれてんのあたし?」

男「散歩と洒落込みましょうか。大丈夫、今日は天気も悪いですし」

夏「嘘言うなや! 朝のニュースでズラっぽい奴が、今日も記録的な暑さだって言ってたもん!」

男「はははは。アイス楽しみですね」

夏「やめろおおおおっ! スリザリンと同じぐらい外は嫌だあああっ!! 殺せ! 今すぐあたしを殺せええええっ!!」

男「はははははは」



82: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:07:56.98 ID:NGOYMuxIO

夏「お外こわいお外こわいお外こわいお外こわい……」

男「さっきからずっと言い続けて疲れませんか? まあ、日光で焼けると叫ばれるよりはマシですが、鬱陶しくてかないません」

夏「暑さも日光も魔法でどうにかなるけれど、これだけはどうしようもないのよ……」

男「本当に筋金入りの引きこもり体質ですね」

夏「うう……別荘に帰りたい……アイス食べながら漫画読んでゴロゴロしたい……クーラーが恋しい……」

男「言っておきますが、それって私の家ですからね。さり気に別荘扱いしないで下さい」



83: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:08:48.71 ID:NGOYMuxIO

夏「コンビニに到着したぞオラー! うひょー! すっずしー!」

男「いるんですねぇ、実際にうひょーなんていう知的生命体」

夏「うっせ! うっせばーかばーか! ヒャッハー! 新鮮なアイスだぜー!!」

男「はっはっは。あまり調子に乗ると痛い目にあいますよ」ぐいぐい

夏「あははははは! もっとアイスの海に押さえつけて押さえつけて! うひゃー! きっもちいいいっ!」

男「はははは。実に鬱陶しいですねえ」がっさがっさ

夏「ちょっ!? 埋めんな! 死ぬって! 流石に死ぬ! って痛ぁっ! スイカバー投げ付けんな!!」

店員「一人で何をやってんだあれ……?」



84: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:09:26.34 ID:NGOYMuxIO

夏「アイスうめえ」べろべろべろべろ

男「いやあ、あの店員の冷たい目を思い出すと、今にもあなたを焼けたアスファルトに押さえ付けたい」

夏「うめえあたしのせいじゃないしうめえ。第一、うめえ姿消せって言ったのはあんたでしょうがうめえ」もりもりもりもり

男「アイス食べるか喋るかはっきりして下さい」

夏「…………」ガツガツガツガツ

男「予想はしてましたがムカつきますね。後、さっきから擬音めちゃくちゃですからね」

夏「次はスーパーカップにしよっと」

男「そのバニラは私のです。というか少しは話を聞け」



85: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:10:15.06 ID:NGOYMuxIO

?「あら? もしかして……」

男「はい? ……あぁ、どうも」

夏「うお、なんだこのおっぱい。すげえ」

女「こんな所でお会いするとは奇遇ですわ。お買い物?」

男「はぁ。まあ」

夏「ねぇねぇ、誰よこのおっぱい。ちょっと搾乳していい?」

男「ではこれで」

女「あ、ちょっと……」

夏「え? なんで逃げんの? 知り合いなんでしょ?」

男「理由は後で。全力で走りますよ」

夏「え? え?」

女「お待ちになって漆黒の騎士レオンハルトー!!」

夏「え?」

男「うおおおおおっ!!」ダッ



86: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:10:48.61 ID:NGOYMuxIO

男「ふぅ……なんとか振り切りましたね」

夏「……ねえ」

男「彼女は私のクラスの副委員長でして。あ、ちなみに私は委員長をやってまして、その程度の縁しか無い他人です。決して、決して同類ではありませんので、ご理解の程を」

夏「漆黒の騎士さん、今どんな気持ち? ねぇねぇどんな気持ち? プークスクス」ツンツン

男「よいしょっと」

夏「いやー、流石にその大きさの石は死んじゃうと思うんスよね。何て言うんですかね、平和? 話し合い? そういうものが」ぷちっ



87: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:11:27.21 ID:NGOYMuxIO

夏「あんたってあたしをゾンビか何かと勘違いしてない? あたし、鎧着た女の子や三つ眼の女の子と契約してる訳じゃないんだけど」

男「後半の意味はわかりかねますが、残念な事に生きてるんだしいいじゃありませんか」

夏「残念ってなんだ残念って。つうか、さっきのおっぱいなんなの? あれ素で言ってんの?」

男「遺憾ながら」

夏「oh……」

男「しかも、私に好意を寄せているというおまけ付きでして」

夏「詳しく聞こうか」

男「ここまで腹の立つ満面の笑顔を見たのは始めてですよ」



89: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:24:37.46 ID:ExXzGAL/o

男「彼女と出会ったのは小学生の時でした」

夏「確かドクペ買ってたよね……あ、あった」ぷしっ

男「出会った当初の彼女もあんな感じでして、当然ながら友人などもなく、よく孤独に教室で文庫本を読んでいる姿を拝見しました」

夏「っかーっ! 最初は駄目だったけど、結構クセになんのよねこの味」

男「その姿は……とても美しいものでした」

夏「ごっぷごっぷごっぷ……げぇっぷ。ごっぷごっぷごっぷ」

男「具体的に言うと、小さくてつるぺたでした。美しかった……本当に」

夏「ゴフゥッ!!」

男「汚いですね……静かに飲めないんですか?」

夏「隠さないからって捕まんないわけじゃないからね? むしろ危険値振り切ってるからね?」



90: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:32:18.59 ID:ExXzGAL/o

男「そんな美しさに魅せられ、私は彼女に話しかけてしまった。……それが間違いだったのです」

夏「あ、まだ続くんスねその話」

男「恥ずかしながら、あの頃は私も小学生だった為、ああいった話もそれなりに抵抗なく楽しむことが出来ました」

夏「あんたも一応は人間性あんのね」

男「しかし、しかし……彼女は変わってしまった!!」

夏「へー、そっすかー」

男「背が伸びたのは許しましょう。ですが、あの胸は許せない!! ありえないでしょう!? 神はいないのか!?」

夏「一応いっとくけど、神のおっさんすっげえ巨乳派だからな? 嫁さんとかもうばいんばいんよ。ばいんばいん」

男「私は神を許さない」

夏「巨乳好きだから恨まれるとか、八つ当たりの限度こえてるっつうか、バチあたりもいいとこだよねこれ」



91: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:42:36.75 ID:ExXzGAL/o

夏「あれ? ちょっと待って。じゃあ胸が原因であって、あの言動はあんた的にはオッケーなの?」

男「その部分も好きとは言えませんが、まあ個人の趣味ですし、私がどうこう言う権利はありません」

夏「すげえ……人が出来てるけど人格破綻者とか、どんなバランスの精神構造してんの……」

男「まあ、会話していると疲れますので、出来る限り避けるようにはしていますが」

女「だからこそ愛は燃え上がるものですわ」

夏「ほう……気配を消すとは……やるわねあんた」

女「お褒めに預かり恐悦至極……フフ……私の魔眼を侮ってもらっては困りますわ」

男「待て」

女「はいなんでしょうレオンハルト様」

夏「ブフフッ!」

男「おい害虫。まさか……」

夏「あー、うん。これ見える人だ。やっべー、電波な上にガチで見えるとか、アレに刃物みたいなスペックだ。やったね!」

男「一人旅とかいいですよね……」

女「わたくしも、どこまでもご一緒致しますわ!」

夏「ゲラゲラゲラゲラ」



92: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 21:54:50.01 ID:ExXzGAL/o

女「それで天使様、今回はどういった要件で外界に?」

夏「うむ。実はある使命を帯びていてね。そこのひょろメガネの家に厄介になってんのよ」

女「まあ! どういった使命が!?」

夏「あー、その辺はほら、なんかもうすっげえの。天界と魔界がこう……わーって」

女「なんと恐ろしい……」

男「あー、すいません。少しだけこれお借りしますね」ひょい スタスタスタ

夏「そんなわけで、離れた場所にある公園のトイレにやって来たのだ……」

男「変なナレーション入れないように。というか、なんですか天使とは? あなたは妖精でしょう? 第一、あの人とは初対面なのでしょう?」

夏「オーケー、クールにいこうぜロック」

男「誰ですかそれ」

夏「ああいうのは、適当に話合わせといたほうがいいのよ。刺激して騒ぎになったら面倒でしょう? あたしだって、実験動物としてどこかに連れ去られるとかまっぴらだし」

男「本当は?」

夏「こうした方が面白そうだからでーっす! てへぺろ!」

男「大海原に挨拶してきなさい」

夏「下水処理はいやあああああっ! やめ……ぎゃああああっ!! 付いた! なんか黄色いの付いたあああああああああっ!!」



93: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/04(木) 22:05:10.26 ID:ExXzGAL/o

男「お待たせしました」

夏「自分、実は夏の妖精なんスよ。仕事ほっぽり出してこの方の家に寄生している糞虫です。へへ、笑って下さい。無様でしょう?」ぴちゃ……ぴちゃ……

女「妖精……? では天使様では……」

男「違います。そんな大層なものではありません」

夏「あの、自分もう帰っていいッスかね? ぶっちゃけ布団で泣きたいんですよね。あ、駄目っスか。すんません」

女「…………」

男「まあ、この夏が終わるまでの付き合いでして。夏が明けたら、その辺りのお話もいたしますので、今日の所はこれで……」

女「ではこの方は、わたくし達の前世で共に戦ったフェアリーのフランソワーズですのね! ああ……まさかこの姿になって会えるなんて……」

男「はい?」

女「おお……主神よ感謝致します。わたくしは……マリアンヌは必ずや、仲間と共に憎き邪神を打ち倒してみせます!」

男「逃げますよ」ダッ

夏「オーケーボス」びちゃびちゃびちゃ



95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/04(木) 22:17:19.16 ID:1eULExD9o

Yes.ロリータ、No.タッチ



101: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:08:09.02 ID:INGVaVJIO

夏「あー、部屋は最高だなぁ!」

男「なんですかいきなり」

夏「いや、こう言っとかないと、今あたしがお風呂入り終わって部屋にいるって読者に伝わんないでしょ」

男「暑いですしね。できれば人に迷惑をかけない生き方をしてくれるならそれでいいですよ」

夏「おい、その笑顔やめろおい。あたしの頭は正常だコラ」



102: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:08:56.95 ID:INGVaVJIO

夏「さて、じゃあさっきのアレに関して話を掘り下げようか」

男「あなたの頭についてですか?」

夏「ちげえよ。あたしじゃねえよ。あの電波ミサイルおっぱいの事だよ」

男「あぁ……とは言え、あれ以上に何も言う事はありませんが」

夏「この家に遊びにきたりすんのあの子?」

男「まさか。何度か聞かれましたが、その度にはぐらかしてきましたし」

夏「なるほどな。さて、フラグが立った訳だが」

男「は?」

ピンポーン

男「え?」

夏「ですよねー」



103: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:11:56.10 ID:INGVaVJIO

女「フランソワーズ、ごきげんよう」

夏「自分がやられるとキツいもんがあるわね、これ」

男「でしょう?」

女「ああ……これがこちらの世界のレオンの部屋の香り……」

夏「うお、すげえ。めっちゃ吸ってる。鼻の穴全開にして吸ってる」

男「さり気なく、名前も馴れ馴れしい形に変化してますね。いやはや気持ち悪い」

女「いやだわレオン、照れますわ……あまり見ないで」

夏「鼻の穴だけ別の生き物みたいだ。すげー」



104: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:12:46.62 ID:INGVaVJIO

男「ところで副委員長、こちらには何の御用で? 要件が無ければ、今日の所はお引き取りを……」

女「嫌ですわレオン。いつものようにマリーとお呼び下さい」

夏「どこの錬金術師だよ。つうか、いつも呼んでんのあんた?」

男「その『いつも』がいつなのかは私の記憶にありませんしって、ちょっと! 抱き付かないで下さい副委員長!」

夏「REC」

男「やめろおおおっ!!」



105: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:13:51.95 ID:INGVaVJIO

男「…………」ビクッビクッ

女「ふぅ……」

夏「ムチムチに触られたらじんましん出るとか、どこのブラボーな主人公だよ。あ、ちなみにR18的な事は無かったですはい」

女「誰に話してますの? ところでフランソワーズ」

夏「……7000」

女「5000!」

母「6500!!」

夏「売ったぁ!!」

女「一生の不覚……っ!」

男「…………」ビクン……



106: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:15:16.50 ID:INGVaVJIO

母「ふえぇ……痛いぃ……」

女「うう……ひりひりしますわ……」

男「ゲンコツで済ませるだけ感謝して下さい。というか、いつから見てたんですか母さん」

母「最初からずっと見てたよぉ」

男「息子があの状態で、何とも思わなかったんですか?」

母「かわいかったよぉ」

男「母さんに期待したのが間違いでした。全く……」

女「あの、よろしいかしら?」

男「何ですか?」

女「見るも無残なフランソワーズだった物から白い何かが……」

夏『身体が軽い……もう何も怖くない』

男「どうせ次には元通りだから気にしないで下さい」

女「次?」

母「ギャグって便利ねぇ」



108: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:24:26.38 ID:rvXchvxWo

夏「復活オッスオッス」

女「あらまあ。本当にあっという間ですのね」

夏「この商売、身体が資本ッスよ」

母「じゃあ、おかーさん下に戻ってるからねぇ」

女「はい。ごきげんようお母様」

母「きゃー! お母様なんて照れちゃうよぉ」びっしびっし

男「さり気に人の母親を自分の身内に加えないように」

母「もー、そんなこと言っちゃ駄目だよぉ」

女「うふふ。楽しいお宅ですわ」

男「全く……」



夏「おーい……『びっしびっし』の部分でブッ叩かれて死にかけてるあたしは無視ですかー……おーい……」



109: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:29:02.68 ID:rvXchvxWo

夏「再度復活オッスオッス」

女「あら? これは……」

夏「ん? あんたゲームとかやるの?」

女「はい。RPGや格闘ゲームなどを少し」

夏「ほほう。対戦する?」

女「よろしいですわよ。何になさいます?」

夏「GG2とかどうよ?」

女「それ、格闘ゲームと言えるのでしょうか……」

夏「メーレーアクションは世界一ぃぃいいっ!!」

男「(そろそろ掃除でもしましょうかね)」



110: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:37:05.22 ID:rvXchvxWo

夏「図に乗るなルーキー。磁力の力を見せてやろう」

女「潰して差し上げますわ……障害!!」

男「(おや? この本、こんな所にあったんですか)」

夏「バーンバッバッバーン!!」

女「大砲用意」

男「(ふむ……おっと、掃除の続きをしなくては)」

夏「ズェアズェア」

女「これが痛み……」

男「あの、今回、全くついてこれない人が続出しそうなんですが」

夏「これが蒼の力だ……」

女「そんなことよりアルカナしませんこと?」

男「おーい」



111: ◆Vcef9xkjaI:2011/08/14(日) 13:44:42.93 ID:rvXchvxWo

夏「強制ストップが入ったため、対戦終了」

女「残念ですわ……」

男「何事もほどほどが一番です」

夏「しかしあんたやるわね」

女「フランソワーズこそ、なかなかの腕前でしてよ」

男「ゲーム……全く理解できません。いったい何が面白いんですか?」

女「説明するのは難しいですわね」

夏「だね。ほれ、これやってみ。あんたにはぴったりかもよ」

男「ふむ……では少しだけ」

1時間後

男「くっ! ターッチ! じゃないとはどういうことですか!?」

夏「あの……そろそろ戻ってきてくれませんかね?」

女「これが処理という名の洗脳なのですね。恐ろしい……」



122: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:09:54.40 ID:VPrQcVNSo

男「涼しくなりましたね」

女「もう9月ですから」

男「そうですね……」

女「……寂しかったりしますか?」

男「え……?」

女「フランソワーズ……いいえ、夏の妖精さんの事を思い出していたのでは?」

男「……正直、あまりいい思い出はありません。それだけは間違いなく」

女「では、どうしてそんなに……辛そうな顔を?」

男「……何故でしょうかね」

女「…………」

男「夏が終わりますね」

女「はい。秋が来ます」

男「そして冬が来て」

女「春が来て」

男「そして……」



123: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:10:19.90 ID:VPrQcVNSo

8月30日

夏「ねえヒョロ眼鏡」

男「なんです馬鹿妖精」

夏「あんた欲しい物とかある?」

男「ふむ」

夏「無いなら無いで構わないけど、あるなら言ってみ」

男「そうですね。でしたら……」

母「ふえぇ……キングボンビーになっちゃったぁ……」

女「お母様、確かリニアカードお持ちですわよね? フランソワーズが近くにいますから、なすりつけて遠くに逃げましょう」

母「あ~、そっかぁ。やったぁ」

女「ちょうどうんちカードもありますし、フランソワーズのいるハワイを封鎖してしまいましょう」

夏「ざっけんな!! マジざっけんなよお前ら!?」

男「静かな部屋が欲しいですかねぇ……」



124: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:10:47.45 ID:VPrQcVNSo

夏「はは……独走1位から一気に最下位……」

男「なにも泣かなくても」

母「あ~面白かった。じゃあおかーさん飲み物もってくるねぇ~」

女「ではお手伝い致しますわ」

母「ありがと~。えへへ~、お嫁さんみたいだねえ」

女「レオンとは今世もそうなれると信じていますわ」

母「レオン~?」

男「さっさと行って下さい。副委員長、余計なことは言わないように。この人は馬鹿なんですから、言われたことを信じる傾向があります」

母「う~……息子がいじめるよぉ……」

女「反抗期ですわお母様。今は我慢の時です。さあ、ご一緒に」

母「は~い」

男「全く……どっちが子供やら……」

夏「そんで? 決まった?」

男「はい? 何がですか?」

夏「あんたの願い事」

男「はい?」



125: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:11:13.56 ID:VPrQcVNSo

男「なんですか突然?」

夏「あー、ほれ。今日は何日よ?」

男「8月30日ですが何か?」

夏「時間切れなのよ。明日でお別れさよーならー」

男「ああ……なるほど。把握しました。というか、本当にそのつもりだったんですね」

夏「まあねー」

男「こちらとしては、充分に資料も作成できましたし、何も問題ありません」

夏「あっそ」

男「ふむ。それで『願い事』ですか」

夏「そういうこと」

男「案外、義理堅い生き物だったんですねあなた」

夏「はぁ!? あたしは昔から義理堅いって近所でも評判だったわよ!」

男「引きこもりなのに?」

夏「わたくし、嘘をついておりました」

男「土下座の速度、早くなりましたね」

夏「お陰さまで」



126: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:11:43.71 ID:VPrQcVNSo

男「…………」フフッ

夏「なんで笑うのよ」プフッ

男「失礼。ははっ」

夏「……あんたもそういう笑い方すんのね」

男「失礼ですねあなた」

夏「笑い顔でくんなよこええよ!?」

男「あなただって笑ってるでしょ」

夏「あー、まあねー」

男「……最後なんですね」

夏「……うん」

男「どうにもなりませんか」

夏「うん」

男「……そうですか」

夏「……ごめんね」



127: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:12:10.37 ID:VPrQcVNSo

男「謝るのは筋違いです。あなたは悪いことをした訳では……いや、悪いことはしていましたが」

夏「え? そこ言い直すの?」

男「一切迷惑をかけていなかったと?」

夏「あー……すんません」

男「食費、光熱費、その他諸々の迷惑費。計算したらいい金額になりそうですね」

夏「んー……願い事はお金にしとく?」

男「やめておきましょう」

夏「そっか。じゃあ……」

男「明日。あなたが帰る前には決めておきますよ」

夏「ん……了解」

部屋の外

女「うぐぅ……ふらんぞわーずぅうう……」

母「なっぢゃぁん……ざみじいよぉ……」

部屋の中

『ひっぐ……ひっぐ……』『あうぅ……ぶえぇ……』

男「……なんだか身内や友人がすいません」

夏「いやあんたが悪いわけじゃないし。ってうお!? なんか部屋のドアの下からすっげえ水漏れてる」

男「飲み物なのか涙なのか両方なのか。どちらにせよ掃除が面倒です」



128: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:12:53.37 ID:VPrQcVNSo



男「今日はアニメいいんですか?」

夏「あー、うん。録画してるし」

男「生で見てこそのアニメじゃないんですか?」

夏「そんな時期があたしにもありました……」

男「じゃあ電気消しますね」

夏「あいよー」



男「一ついいでしょうか」

夏「んー?」

男「昼に言っていた『願い事』ですが、どんなものでも大丈夫なんですか?」

夏「明らかに世界がヤバい!って内容でない限りは叶えようかなーと」

男「そうですか」

夏「そうですよ」

男「では寝ます」

夏「おやすみー」

男「おやすみなさい」

男「(願い……か)」



129: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:13:23.27 ID:VPrQcVNSo

8月31日

夏「じゃあ行ってくるね」

母「ふぐぅ~……なっぢゃああああああん……やだあぁ~」

夏「あはは……ありがとねママさん」

女「……フランソワーズ」

夏「最後までその名前かよ」

女「これがわたくしの個性ですから」

夏「そっか。そだよね。うん、あたしは結構好きだったよその個性」

女「……ありがとうございます」

夏「うん。さってとー!」

男「『願い事』ですね」

夏「そだね。さあ元気よくいってみよー!」

男「……はい! 私の願いは……」



130: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:13:51.64 ID:VPrQcVNSo

男「全世界の女性の成長を12歳で止めて下さい!!」

夏「えっ!? あたしにずっとここへ残れって!?」

男「えっ?」

夏「えっ?」



131: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:14:46.10 ID:VPrQcVNSo

男「なんですかそのクソみたいな願い事は?」

夏「あ? あの流れだと普通はあの願いが筋やろがコラ。やんのか? やんのかタココラ?」

男「来なさい。偉大なる野望の為です。本気でいきますよ」

夏「危険な性癖なんて捨ててかかってこいよロリ眼鏡」

男「…………フッ!」シュッ

夏「うおおお!? パンチが見えねうごああああっ!? 負けるかよおおおっ!!」シュシュッ

男「…………」タタンタン

夏「フットワークだけでかわした……だと?」

男「30秒です。30秒でアスファルトを舐めさせましょう」

夏「クソがあああっ! 当たれぇっ! 当たれよおっ!!」ブンブン

男「大振りな攻撃……だが、当たらなければどうということはない」スッスッ パパン

夏「ぐおっ! チクショウ……これで終わるのか……あたしの悠々自適なニート生活はここで終わるのか……」

男「懺悔なさい。これで終わりです」ヒュッ

夏「ちくしょおおおおおっ!!」


女「……ドカポンでもやりますお母様?」

母「……そうだねぇ。あ、ケーキあるよぉ」

女「いただきますわ」

母「おいでぇ~」



132: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:15:14.71 ID:VPrQcVNSo

「そこまでっ!!」

男「!?」

夏「こ……この声は!?」

?「お久しぶりです姉上」

?「よっ。久しぶり夏」

夏「春に冬ねえ……どうしてここに……」

男「……敵ですか? 味方ですか?」スッ

春「動くな人間。次は撃つ」カチャッ

冬「おうおう、やるな兄ちゃん。こりゃまたこっぴどくやられたな夏」

夏「まさか……助けに……」


冬「んなわけねえだろ。目盛り操作どんだけ地獄だったか」

春「今まで甘やかしたのが間違いだったと認識しました。姉上をミンチにするのは我々の役目です」

夏「デスヨネー」

春「止める為とは言え、脅すような真似をしてすまなかったな人間」

男「いえ。あなた方も存分に恨みを晴らして下さい」

春「感謝する」

冬「よーし、覚悟しろよ夏! 向こうで留守番の秋の分まで合わせてフルコースいくかんなー!」

夏「弁護士を要求する!! 金か! 金ならいくらでも出すぞおおおおっ!!」



133: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:15:50.84 ID:VPrQcVNSo

こうして、私の夏は終わった。

夏「隙を見て逃げるぜとうっ! はーっはっはっは。さらばだ明智君!」パタパタ

冬「撃て」

春「サーイエッサー」パンパン

夏「あーれー……」ヒュー……

この夏の中で、私が失ったものは多く、そして大きい。

男「(幼女王国の夢が……)」ハァ

冬「ボコれボコれ」

春「サーイエッサー」

夏「やめてくださいしんでしまいます」

だが、私の中で彼女も、彼女の思い出も永久に生き続ける。

冬「ほれ回復。それー。よしボコれボコれ」

春「サーイエッサー」

夏「らめえっ! そこはそんなに曲がらない関節なのおっ!!」

ありがとう夏の夢。さようなら夏の夢。できれば二度と出会うことがありませんように。

男「じゃあ家に戻りますんで、後はよろしくお願いします」

夏「てめえ覚えてろコラァ! ぜってー復讐してやっかんな!! ぜってーだ!!」

冬「おーまだ元気だな。やったれやったれ」

春「サーイエッサー」

夏「ぎゃああああああっ!!!!」



134: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:16:23.82 ID:VPrQcVNSo

そして現在



135: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:17:02.72 ID:VPrQcVNSo

自宅

男「ただいま戻りました」

女「お邪魔しますわ」

母「おかえりー」

夏「チョリーッス」

春「任務ご苦労」

冬「おーっす」

男「えっ」

夏「えっ」



136: ◆Vcef9xkjaI:2011/09/14(水) 09:17:28.44 ID:VPrQcVNSo

おしまい



138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/09/14(水) 09:34:09.66 ID:+V8hZ7+Z0

乙、
おもしろかったです



引用元
夏「あっつう……」 男「あなたが原因でしょう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311570535/
[ 2012/07/17 18:30 ] その他SS | TB(0) | CM(0)
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